表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Desire Game   作者: ユーキ生物
炎の章
34/39

第二話 人のぬくもり

第二話

人のぬくもり


 重い、というか、妙な空気が僕らの間を流れていた・・・


「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」


 僕が既に死んでいる発言をしてからというもの、ずっとこんな感じだった・・・。それぞれ思うところがあるのだろう。


 そんな沈黙を破ったのは僕・・・もとい、彼女の放った香りと、殺意だった。


「・・・すんっ・・・火薬の匂いっ!?それに、この視線――――」


 振り返った先にいたのは――――――!?


「伏せてっ!!」


 僕の声が届くと芯さんは清美さんを床に押し倒す、それと同時に――――――


 ッズガアァァァァンッ!!


 ―――――――――轟音が鳴り響いた―――――――――――


 僕はその轟音の中狙撃手に接近する。銃弾の軌道上にいなければ弾丸は恐くない。


「――――――えっ!?」


 轟音の中近付いてくる僕に、狙撃手の少女は驚きの声を上げていた。

 距離にして百メートルほど、時間としては十数秒、狙撃手が撃てる弾数は限られていた。ましてや彼女は僕を見て数秒停止していた・・・十数秒後、少女は僕の拘束に捕らわれていた。


 小柄でニット帽とマフラーで顔を隠している少女。僕は彼女のスマホを奪い、表示される情報を確認する―――――



Another Viewing


「伏せてっ!!」


 紅さんが叫ぶ―――――

 俺は咄嗟に清美さんを庇うように床に伏せる――――その直後、俺らの頭上を弾丸が通る―――――

 俺らは動けないでいた・・・次の弾丸に襲われる恐怖に奥歯が震える・・・・・・しかし、次の弾丸は来なかった・・・

 紅さんが狙撃手を組伏せる様子が見える――――。


「・・・清美さん、怪我はないですか?」

「・・・う、うん・・・大丈夫・・・」


 俺達はのそのそと起き上がり、紅さんの元へ向か――――――


 キュ―――――


 ―――――向かおうとしたら、清美さんに袖口を掴まれ、引き止められた―――――


「・・・どうしました?」

「芯君・・・守ってくれて、ありがと・・・」

「・・・・・・はい。」

「・・・でも、だけど・・・そういう自分を大切にしないことはしないで・・・」


 ――――――えっ?


「私は、生きて帰りたい。でも、私の願いは、私が欲しいのは“揺るぎない味方”・・・・・・私は芯君と一緒に生きて帰りたい、芯君を失いたくないの・・・だから、お願い。芯君自身も大切にして。」


 ――――それって・・・


 俺は人の心は読めないけど、清美さんの想っていることが、なんとなくだけどわかった気がした・・・



Original viewing


 僕はこの少女のミッションを見て、現実を思い知らされた――――


“自分以外の参加者が死亡している。”


 それが彼女が生きて元の生活に戻るための必要条件だった・・・


 余計なことをされる前に、殺すべきなのだろうか・・・

僕は彼女の首を掴んだ手に力を入れる――――


「―――――っ――――――かはっ―――――!!」


 彼女に供給される酸素が減り、(いのち)が揺らぐ――――


「紅さん、待って下さい。」


 芯さんが駆け寄り、それを遮る。


「彼女を、許してあげられないですか?」

「・・・芯さん、彼女のミッションは――――」

「大体わかっています。わざわざ殺しに来るくらいですから。」

「それに、今芯さんは撃たれたんですよ。当たらなかっただけで。その相手を、いいんですか?」

「ええ、確かに彼女の行いはよくなかった。でも、人は間違うものだから、そうやって許されて、変わることができる存在だから・・・」


 ・・・どうやら芯さんも訳アリみたいで・・・


「俺は、許された側の人間で、その償いを行うために生きてるんだ・・・キチンと生きてれば、また人から信頼されることもできたし、俺のことを大切だと言ってもらえた・・・そうやってやり直せるんだから、彼女にも、そのチャンスを・・・」


 ・・・まぁ、この蠍座の少女は銃の扱いに慣れていたわけでもなさそうだし、また同じ様に拘束することは可能だろう・・・

 僕は彼女の首から手を離す。


「すまなかった。僕も君と同じで死にたくなかったから・・・」

「・・・ゴホッ!・・・ッ、ハァ、ハァ・・・い、いえ・・・私が、あ、あなたの立場なら、同じことをするでしょうし・・・」


 随分と聞き分けのいい方で・・・殺されかけたというのに・・・いや、それは芯さんも同じか・・・



 ――――――――――!?遠くから慌ただしい足音が聞こえて、こっちにむかって来る・・・。僕は少女―――蠍座の、忍野 菫さんを起こし、迎撃の準備に入る――――


「大丈夫でしたか!?」


 走って来たのは好青年、といった雰囲気の男性とおどおどした少女だった―――――――





 ――――――「そうでしたか、それなら良かったです。」


 とりあえず事情を説明した。二人、米山兄妹は銃声を聞いて駆けつけて来てくれたとか――――

 二人も色々抱えていそうだったが“生きて帰る”という目標を持っているようで、ミッションを達成することを優先しているようだった。

 そして、妹の千尋さん、彼女のミッションは“参加者の中で最下層にいること”害も無さそうなので協力できるように話し合い、僕ら四人は先行し、先の階の情報を二人に伝えることとなった。


 こうやって協力体制を整えればかなり平和的にゲームクリアができるんじゃないかと思う。何より蠍座の菫さんを擁することができたのが大きい。このまま何事もなくクリアまで行きたいと、切に思った。



Another viewing


――――私は許された――――殺意の対象から許されて、少し混乱する―――――この気持ちを、状況を整理しよう。

 この人たちは殺さなければならない人たちで、ただ、殺したいわけではなくて、むしろ、私を受け入れてくれた人たちで、できるのなら今後も一緒にいたいと思う―――


 ――――なら、私がすべきことは―――――できることを―――――


―――間に合いませんでした――――申し訳ございません――――


しかしながら、リアルでのゴタゴタは良い方向でキリが付きました。ですので、今後は週一ペースで更新できたらと思います。今後ともよろしくお願いします。


次回投稿は6月24日20時を予定しております。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ