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Desire Game   作者: ユーキ生物
幸福の章
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第五話 通す正義

第五話

通す正義


「それじゃあ、桃山さん、森山さん、お願いします。」

「あいあい~任せといてぇ~」


 私達は階段に四人で向かい、その後に桃山さん、森山さんと別れた。まだガスの進行度は50%ほどでまだ誰かこの階にいるかもしれない、だから私たちは階段近くで待機することに・・・


 「千尋、さっきの話だけど・・・」

 「さっきの・・・私のスキルの・・・」

 「そう。」

 「あ、それはもう大丈夫。気持ちの整理がついたから」

 「・・・そう、なら良かった。」


 森山さんとの事で気持ちの整理がついたから・・・



 そうして階段近くで待機していた私達にまた二人組が現れ、近付いてきた。今度は男性の二人組、一人は生真面目そうな人でもう一人は印象の薄い感じの人。こういう人たちとは、話し合いになるのかな・・・


「すまないけど、君たちの正座を教えてくれないか?」


 真面目そうな人がハキハキと話しかけてくる。


「えっと、僕が双子座で、こっちが―――」

「て、天秤座よ」

「・・・そうか、なら僕の方は用済みだ―――」

「それじゃあ今度は俺から―――」


 真面目そうな人が下がると、今度は印象薄い男性が話始める。


「キミらのスマホを渡してくれないか?」


 ・・・これは・・・


「アナタ、随分と強引なお願いの仕方ですね・・・そう頼まれて、わかりました、なんて言う人は少ないと思いますよ。」


 兄さんが対抗してくれる・・・こういう時にも私が行くべきだったのかもしれない・・・


「別に、渡さないのならそれで構わないから、だって、強引に奪い取るだけだから―――『オーバードライブ』!!」

「ひっ――――――!!」


 男性が威嚇するかの様に叫ぶ――――!!

 私はその声に驚いて萎縮して動けない・・・


「――――取引しよう。この階にある物資の情報を渡すから、君たちは僕らに関わらないでくれ。」

「はい―――」


 兄さんのスキルで彼らはどこかへ行ってしまった。


「千尋・・・やっぱりスキルを使うの・・・」


 兄さんは私がスキルを使えなかったことを気にしてくれている・・・


「ううん、それは大丈夫、ただ、さっきの人が恐くて驚いて、それで動けなかっただけだから・・・」

「そうか・・・でも、千尋の『恐い』はそのまま武器になるから、恐ければ恐いほど、ピンチならピンチなほどに強力な一撃になるんだ、だから、克服すればきっと心強い能力(ちから)になる、頑張ろう。」

「・・・うん。」


 そう、私のスキルはそういう状況が必要で、味方になる・・・頑張らなくちゃ・・・



 そうこうしている内にガスの進行度は80%に、この階段の通過を確認できていない人はあと一人、私達より先に行ってるのかな・・・


「千尋、そろそろ上に行こうか。」


 兄さんも同じ考えなのか、先へ進む提案をしてくる。


 私達は三階へと進んだ・・・

 私のスマホには何の変化も見られない・・・これは、大丈夫ってことなのかな?

 そして、少しだけ書かれた三階の地図に記載してあった芯さん、紅さんと落ち合う予定の部屋へ――――



 だけど、芯さん、紅さんはその部屋に来ることはなかった・・・


 私たちは二人をそれなりの時間待ったけど、来る気配すらなかったから先へ進むことにした・・・


 地図が無いからどこに階段があるのかわからない・・・私たちは探り探りで慎重に歩を進めた。



 そうやって進み始めて二時間くらいが経った時、通路の先に、二つの男性が血の海に横たわっていた・・・

 私たちは直感で、それらが芯さんと紅さんだったものだと感じた。


「僕は彼らのやられ方とか見に行くから、千尋はここで待ってて」

「そんなもの見てどうするの?」

「もし二人が他の参加者にやられたのなら、そのやられ方で殺した人の武器とか予想ができるかもしれないからね。」

「・・・わかったよ。気を付けて・・・」


 兄さんを見送る・・・さすがにあの血溜まりに向かうのは気が引け――――――んっ?


 ――――本当にたまたま、兄さんの行き先のそのもう少し先、奥の方で一瞬だけ何かが光った――――


 兄さんは二つの死体に意識が言っているようで、それには気付いていなかった。そして私はその何かが、ライフルを構えた少女だと、わかった―――


「兄さんっ!!」


 私は兄さんのもとへ駆け出して――――


 ズガアァァァァンッ!!


 刹那、轟音が響き渡った―――


 私と兄さんは血塗れになった・・・それは、私たちの血ではなかった―――兄さんを床に押し倒し、何とか銃弾を避けることが間一髪、間に合った――――


 しかし


「ぅ、うわあああああぁぁぁぁぁ!!血が!!血が!!」


 兄さんが取り乱す――――――そう、私は兄さんを押し倒した、その時には私のパニックの感情が、兄さんに流れてしまった・・・それにこの血塗れの状況が重なる・・・。

 死んだフリもできないとなると・・・私が、戦うしかない・・・!


「兄さん、こっち・・・」

「ぁ、ぁぁぁああああ・・・」


 パニックを起こす兄さんを、私は近くの部屋に入れる―――そして、芯さんから貰った拳銃を手に、さっきの少女に対峙する―――。


 不幸中の幸運として、パニックの感情を兄さんに移した私は、あの状況に置かれても冷静でいられた。



 ・・・さっき、兄さんも言ってたっけ・・・私はピンチなほどに強いって・・・よくよく考えると、私って、「そう」だったよな・・・




 ―――――私は逆境での運が強かった―――――



 底層区画スラムという不遇な生まれにして、超人的な兄を持つという幸運、スキルも逆境でその性能を発揮するモノで、逆境ならば触れるだけで相手を再起不能にしてしまう、逆境運(それ)はスキルでもなんでもない、私自身が持つ特性とでも言えるものだった。


 それはこの窮地でもあてはまった。相手はライフルという長距離武器で私は中距離の拳銃、普通なら勝てるはずのない状況だけど、幸運なことに相手も銃に関して素人、咄嗟の射撃精度はそこまでのものではなく、私に弾丸は当たることなく、徐々に二人の距離が近く、硝煙の匂いが濃くなってくる・・・この辺が拳銃わたしの距離!



 ―――本当にこの引き金を引いてもいいのか―――


 突如そんな疑問が湧いてくる・・・この銃で、私の意志で、相手を殺して、兄さんを守る・・・本当にそんなやり方でよいのか・・・


 ―――わかっていた、兄さんが私を守る過程で何人もの人を蹴落としていたことを・・・米山組を壊滅させたのもおそらくは兄さんが手引きをしていたのだろう―――


 ・・・私はそんな恩人にいさんのやり方は違うと思っていた・・・でも、私は守られている立場、それをいうことはできなかった・・・


 だから!私はこの引き金を引く訳にはいかなかった。私と兄さんは違う、守り方に正しさを通す!そう主張するかの如く、私は拳銃を投げ捨て、さらに距離を詰め、ライフルの少女が私に銃口を突き付けるのと同時に、彼女に触れる・・・流れる銃を突き付けられるという感情・・・


「えっ・・・・・・ぁ・・・ぁぁ・・・・・・ひっ・・・ぃ・・・いやあああああああああああああああ!!・・・こ・・・殺されっ・・・わ、私にっ!・・・ああああああああああぁぁぁぁっ!!」


 地を這い逃げようとする女の子・・・


「・・・し、死ねええええええぇぇぇぇぇっ!!」


 彼女の手が光るとそこにはライフルが、彼女はそれを構え、撃った・・・


 ズガアァァァァンッ!!


 その弾丸は彼女のすぐ隣にある壁に向かって放たれる・・・恐怖のあまり倒錯した結果かもしれない・・・

 弾丸は壁にあたり、その衝撃で壁のコンクリートが飛び散る―――至近距離にいた彼女は、その破片を身体に受け、その場に倒れ込む・・・


「・・・・・・・・・・。」


 これで良かったのだろうか・・・結局は私が殺した様なものだけど・・・殺意はなかったとはいえ・・・


 ・・・いや、うん、これなら、まだ。


 まだ、本当にこれでよかったのかわからないけど、一応、私の正義は貫いたから・・・



 どうも、ユーキ生物です。


 えー、正直更新すべきか迷いましたが、自粛自粛と気を使っても得るものは何もないですから、あまり笑える内容ではありませんが、小説好きが集まるサイトですし、好きなもので、心休まる場になればと、更新再開を決めました。


 さて、書き溜めを若干ですが作ることができ、予約投稿を使用しようかと思います。何曜日の何時の更新が一番読んで下さる方が多いのか、少し調べようかと思いまして、次回更新から少し更新が安定しなくなります。ゴールデンウィークとか絶体関係あるよなぁ・・・とか思いながら、やってみます。

 次回は5月3日の・・・何時にしようかな・・・14時にしましょう。


 という訳で、次回は5月3日14時更新です!

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