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Desire Game   作者: ユーキ生物
幸福の章
27/39

第二話 賭博

 

第二話

賭博(ギャンブル)


 私達は歩きながらお互いのゲームの情報をやり取りする。こうやって話してると、底層区画で一緒にいた頃を彷彿とさせられる・・・灰色な景色とか、静まりかえっているところとか・・・


「兄さんはどんなスキルを持ってるの?」

「僕?僕は・・・交渉のスキル、どんな偏った取引でも相手が納得するっていうスキルだよ。千尋は?」

「私は・・・感情を他の人に押し付ける、感情転移のスキル・・・らしいよ・・・」


 私はスキルを使ったことがないから、どんなものかわからないから、曖昧に答えた。


「ところで、千尋の星座は何座かな?」

「え?天秤座だけど・・・」

「・・・・・・そうか・・・」

「私の星座が、どうかしたの?」

「ま、まぁ、うん。大丈夫・・・とりあえず、進もう。」

「あ、うん。」


 どうしたのだろうか・・・利彦兄さんが悩むなんて珍しい・・・

 兄さんは頭がいい。悩んでいる姿は見たことがない。あの時だってそう、絶対的な暴力を前に、悩むことなく――――――――



 ――――――――私達は底層区画で暮らせていた。兄さんが結構稼いでいてくれたから・・・私は兄さんの稼ぎ方は知らなかったが、底層区画は結果社会、生きていれば勝ちだから、それほどは気にならなかった。

 そんなある日、私達の暮らす領域(エリア)に大人数の集団がやって来た。


「アンタか、ここらで荒稼ぎのお痛の過ぎるガキってのは―――」

「・・・どちら様ですか?僕たちはこれから食料を取りに行かないとなんですけど・・・」


 (いか)ついオッサンが喧嘩を吹っ掛けるみたいに兄さんに話しかける。

 ちなみに底層区画では喧嘩は珍しい。暴力は基本、略奪に使用するから、私怨とかで無駄な体力は使わないのが常識だった・・・

 だから私達は割りとすぐにこの人たちが上界から来た人だとわかった。・・・身なりもきっちりしてるし・・・


 わかっていても、得体の知れない恐怖に襲われ、私は何も出来なかった。・・・兄さんも脚が震えていて、お世辞にも歯向かうとは言える状態ではなかった。


「俺らは米山組のモンじゃぁ、兄貴の方は、一緒に来て貰おうかぁ。」

「ぼ、僕だけ、ですか?」

「そうじゃあ、おとなしく付いてくれば痛い目はみんで済むかも知れんのぉ・・・それともアレか?底層区画(ここ)常識(ルール)で無理矢理決めても構わんぞ?」

「いえ、暴力では勝ち目はありません。」

「なら、おとなしく付いて来るんだな。」

「いえ、それもしません。」

「ああ!?話がわかるヤツかと思っとったけど、ナメとるんか!?」

「いいえ、あなた方が暴力を振るいに来た訳ではないと踏んで、コレで白黒つけましょう、と言っているんです。」

「・・・・・・。」


 オッサンは黙ってしまう。兄さんが出したものは、トランプと呼ばれるカードの束だった。


「あーあぁ、こんな小僧に・・・情けないねぇ・・・」

「姐さん!?」

「アンタはもうええ、下がりぃ。」


 人だかりの奥から雰囲気の違う女の人が出てきた。


「いきなり失礼したわねぇ。詫びに、アンタの取引、応じようじゃないか。」


 なんか、結構イイ人なのかな・・・いや、コレが極道の女か!


「小僧、何で勝負するんだい?」

「ポーカーで、一回のやり取りで役の高い方が勝ち、でいいですか。」

「ん、構わんよ。」


 カッコいい!なんでこんなに堂々としていられるの!?


「ウチが勝ったらアンタらはウチの組のモンにするわ。兄貴の方は身を粉にして働いてもらって、妹は・・・随分いい(つら)してるじゃないの、それじゃあ、妹は慰みものにでもなってもらおうか。」

 ・・・カッコいい!けど極道!!容赦ない!!


「それで、アンタが勝ったら?」


「・・・あなた方の元で働かせて下さい。」


 !?


「おやおや、それじゃあ賭けが成立しないじゃない。」

「いえ、そんなつもりは毛頭ありません。」

「そいつはいったいどういう・・・っ!・・・なるほど・・・そういうことかい・・・噂以上に面白いガキのようね。」


 姐さんはどうやら理解したみたいだった。

 会場はまだこの賭けのポイントがわかっていないようでざわついていた。

 私も遅ればせながら、兄さんの意図がわかった気がする。

 同じ働かされるでも、姐さんが勝った場合は強制されて、兄さんが勝った場合は斡旋される・・・同じ形でも内容、姿勢が別物になるんだ・・・

 それに、こっちだけが特をする条件だと、折角暴力から勝負を遠ざけたのに、その勝負そのものが無かったことになりかねない、だから兄さんは、勝負がどう転んでも相手の「兄さんを取り込む」という目的が達成できる様にさっきの条件を出したのだろう。


 配られる手札、ポーカーが始まった。お互いが数枚手札を交換し、手札の開示が行われる。二人とも怪しい動きなんて見られない。


「あたしから見せようか。ほら、フルハウスだよ。」


 その手札はクイーンとジャックのペアにジョーカーが加わったフルハウス・・・かなり高い手が出来ていた・・・


「・・・このジョーカー、僕のトランプの物ではありませんよね?」


 そう言って、兄さんは姐さんのジョーカーを引き抜く・・・


「おやおや、言いがかりは()して欲しいねぇ・・・」

「言いがかりかどうか、山札を拡げればわかりますよ。」


 兄さんは退かない・・・兄さんの手札を見ると・・・キングのスリーカード・・・兄さんが食い下がるのもわかる現状だった・・・


「・・・ん・・・よく見破ったわね、と言いたいところだけど、悪いねぇ、今のはアンタを試しただけだよ。あたしの本当の手札はこいつ。」


 そう言って姐さんの出したカードは・・・ジャック・・・元からフルハウスだったのに・・・わざわざすり替えるなんて・・・

 間を置いて、絶望が訪れる・・・


「そうでしたか。まぁ、底層区画(ここ)はそういう場所ですから、特には気にしてません。」

底層区画(ここ)の措置でってのは助かるねぇ」


 今のイカサマの告発で再ゲームにすればいいのに・・・兄さん負けちゃうよ・・・


「では、次はこちらですね。僕の手札は、フォーカードです。」


 ―――――!?

 さっき見た時はスリーカードだったはず・・・どういうこと!?


 兄さんの手札は確かにキングとジョーカーでフォーカードになって・・・このジョーカーって――――!!


「―――――小僧、アンタ、そのジョーカー・・・」

「ええ、先程貴女から頂いた物です。・・・それとも、スッたものではダメでしょうか?」


 ――――――なんという・・・まさか極道相手に堂々と喧嘩を、しかも器の大きさを比べようっていうのが・・・


「――――――面白い・・・気に入ったよ・・・いいだろう。仕事、与えてやるよ。」


 ――――――っ! つまり、これは、兄さんの勝ち・・・


「それから、アンタ達はこれからアタシの養子()になりな。」


 ――――――そうして、私達は底層区画(スラム)を出ることができた。そして私達は米山姓を名乗ることとなった・・・


 ――――もしかしたら、だけど、兄さんはこの一件で私達にはない暴力(ちから)を手に入れようとしていたのかも知れない。



 それから兄さんは米山組の経営するカジノで働くことになった。私は極道に身を置くのは正直どうかと思ったが、底層区画から出してくれたのも、その後の生活費を稼ぐのも兄さんだったから、能力(ちから)のない私は、笑顔で兄の帰りを待つことくらいしか出来なかった―――――――――――





 ――――――――遠くから足音がした。


「千尋、誰か来るみたいだから下がって。」

「う、うん・・・」


 私達が警戒していると、その足音の(ぬし)達がゆったりと暗闇から姿を現した――――


「君たち、僕のアプリの情報を教えるから、おとなしく君たちのスキルとミッション、アプリを教えて下さい。」


 いきなりスキルの発動――――!?


「いいですよ。」


 相手は割りと温和そうな男性の二人組だった。


「まずは、俺から、俺は牡羊座の灰上 芯って言います。スキルは触れた物の心を知ることが出来ます。ミッションは二人以上のミッションをクリアさせる手伝いをすること、アプリは参加者のミッションの一覧が見られます。」

「次は僕ですね。僕は秋山 紅、蟹座、スキルは・・・蘇生、ミッションは武器を使用せずにゲームの目的地までたどり着くこと、アプリの機能は有していません。」


 ・・・二人とも危険なスキルじゃなさそうで一安心。


「そうでしたか。ありがとうございます。・・・僕は米山 利彦と申します。僕のアプリは僕のいる階層の物資情報が表示されます。それから――――」


 兄さんも二人は安全だと思ったのか、私達のミッションとかの情報を公開して二人に協力を持ちかけた。


「協力、ですか、・・・いいですよね、芯さん?」

「具体的な内容にもよりますけど、さしあって断る理由はありません。」

「お願い芯さん達には先に上の階に行って、階段までの地図を作っていただきたいのです。」


 ・・・・・・あ、また、私のためだ・・・・・・兄さんは私のために色んなことをしてくれるけど、私は・・・・・・


「――――――――!? ・・・・・・誰だ!?」


 突如、紅さんが叫ぶ―――――――そこにはナイフを持ってこちらに向かってくる女の子が―――――――


「見逃してあげるから、君の持っている情報をすべて話して先へ進んでくれませんか。」


 間髪入れずに兄さんのスキルが唸りをあげる!!(誇張表現)


「わかりました。あたしは―――――」


 そうして、彼女、水瓶座の柚木 蜜柑さんは私達に彼女が全員に傷を付けなければいけないこと、彼女は記憶を消せること、階段がすぐ近くにあること、そして、今この階にいる人の人数を教えてもらった。


 その後、兄さんと芯さんは先に階段の上へ行き、上の階の情報と集合場所の打ち合わせをして来た。


「それじゃあ、俺たちも、これで。」

「はい、お願いしますね。」


 芯さん、紅さんとも一旦別れ、協力者を得た私達は、階段付近で身を隠し、他の参加者が上へ行くのを待った。



Another viewing

拘束


 階段を昇りきったところで、あたしを支配していた何かが消え、自由の身となる・・・

 それにしてもさっきの言葉で操るスキル・・・ズルいよ・・・記憶消去なんて目じゃないじゃん・・・

 というより、ミッションを進められなかった・・・しかも、またあの人達に挑まなきゃなの・・・気が滅入る・・・


「・・・これから、どうしよ・・・」


 ――――――――!?


 何!?また身体の自由が・・・


 ご欄悦ありがとうございます。


 投稿ペース落ちてるのでせめて後書きくらい毎回書こうかと思います。(必ずやるとは言えない)


 さて、何を書きましょうか・・・


 あ、この、小説家になろう、小説を読もうのサイト、作者は自分の作品の閲覧履歴が見られるんですよ!最近知りました。サイトの探検いつかやりたいですね。というより、この機能ちょっとストーカーっぽいですよね。見てるこっちは楽しいんですけど。

 それで、誰が見てる、とはわからないんですけど、数字なんで、ここのところ更新すると最新話のみを読んで下さる方がそこそこの数いらっしゃいまして、これってその数の固定読者がいらっしゃるってことでいいんですかね?

 それともそういう錯覚をさせるスキルをどなたか使ってるのですかね?ブックマークないのであんま自信ない・・・

 あんま卑屈になっても仕方がないので、とりあえず喜んでおきます。


わーい\(^-^)/


 いつも読んでいただいてる方、ありがとうございます。モチベーション上がります。今後もご期待に応えられるよう頑張ります。

 今日、移動中に、嘘の章で誤字見つけました!!

 ↑ヤル気の表れ


 それでは今回はこの辺で、失礼します。


 次回は4月1日くらいの更新を予定しております。

 (エイプリルフールとかではありません)

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