表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Desire Game   作者: ユーキ生物
幸福の章
26/39

第一話 底層区画

 お待たせ致しました。第四章です。

 序盤は過去回想多めですが、ストーリーは今までで最も濃くなっているかと思います。


 それでは、ちょっと不思議な形の、それでも揺るぎない兄妹の話、幸福の章です。

―――――いやぁ、さっきのゲームは死ぬところを何度も見られて良かったなぁ!

―――――そぉ?私はああいう泥臭いのは趣味じゃないわ・・・

―――――あの兄妹(きょうだい)は一緒にいないとつまらないのぉ・・・

―――――確かに、妹に遭遇したら殺されたところだった、っていうのを期待したんだかな・・・兄貴の方、ここ一番でビビりやがって・・・

―――――兄妹?あぁ、あの底層区画(スラム)出身の!

―――――次のゲームはあの兄妹を一緒にするようセッティングを頼むぞ――――君。


「・・・かしこまりました。」


 ・・・魑魅魍魎・・・この老獪共は、人の皮を被った化け物だ・・・

 ・・・そんな魑魅魍魎の喧騒(けんそう)の中、僕は新たなゲームの設定をし、時間操作を行う――――――





Desire Game

幸福の章



第一話

底層区画(スラム)


「――――――ぅ・・・え?」


 コンクリートで囲まれた部屋で目が覚める・・・

 ここは・・・底層区画(スラム)・・・? いや、それにしては埃っぽくなくて綺麗にされているし、寝かされていたベッドも立派過ぎる・・・灰色の色合いは底層区画(スラム)に似ているけど、違う。

 ・・・そんなことより、兄さんは!?

 ・・・部屋には私しかいない・・・部屋にはベッドと私・・・それと、これは、スマートフォン?実際に手に触れるのは初めてになるけど・・・


「全員の準備が出来た様なので説明を始める。」

「ひっ・・・!!」


 急に喋り出すからびっくりしちゃった・・・

「君たちには―――――」


 それから私がゲームに参加させられる為に連れ去られたこと、願いを叶えるゲームのこと、命の保障は無いことなどを説明された。

 私の願い、恵まれない運命とか、様々なものから逃げたい、というもの・・・どうやって逃がしてくれるのかはわからないけど、私は今までの不遇な運命はこれからもきっと続くのだろうと思うと、こんな訳のわからないものにも参加をするべきかと思った。


 参加を決めると、スマートフォンの画面が変わった。そこにはよくわからないけど、芸術っぽさを追及したような絵があった。


「これは・・・天秤(てんびん)?」


 説明の中にあった星座、私は天秤座になったのかな・・・


 そのスマートフォンを触ると、また画面が変わった。

 そこには―――――


天秤座

名前:米山(よねやま) 千尋(ちひろ)

年齢:18

性別:女

願い:逃げたい

スキル:感情転移

ミッション:参加者の中で最も下の階層にいること(同じ階層まで許容する。)

アプリ:ガスの進行度合いの表示


 ――――これが、スキルとミッション・・・どうして、逃げたい、と願って、感情を移すスキルなのかな、よくわからないや・・・ミッションとやらは、下からガスが迫るのに、一番下の階層にいる、か。結構面倒なミッションなのかな?他の参加者がどんなミッションかはわからないけど・・・死と隣り合わせでいろと、逃げられないじゃない・・・

 ・・・と、いうより、そんなことよりも、今気になるのは、どうして私はゲームへの参加をしようとしたのか、よ。確かにさっき、参加した方がいい、とか思ったけど、冷静に考えたら私はそんなこと考えないわよね。・・・私には兄さんがいて、いつも兄さんに頼りきりだった私が、ゲームに参加しようなんて思えるはずがない・・・なにか力が働いて、参加したいと思わされたとしか・・・


 ――――そう、私には兄がいる。優しくて、強くて、とっても頼れる兄さん。


 ――――――私達兄妹は底層区画(スラム)で育った。


 ――――――底層区画(スラム)

 それは、経済的事情や犯罪などの不祥事で社会では生きられなくなった人を集めた地下地域・・・国が処分したい人を集めた地域、表向きは治安の確保と社会復帰のためのコミュニティ、要するに殺したいけど、それだと国のイメージに関わるからっていうための措置。そんな(ゴミ)が集められた地域だから、そこには犯罪なんて言葉はなかった。底層区画に住む人は、生きるために他者を蹴落とし、奪い、足掻いていた。底層区画の街は全員が獲物を狙う捕食者でそれから逃げる標的だった、そこには殺人、強盗、強姦、そんなもので溢れかえっていた。

 国も、そんな私達(ゴミ)のことなんて、生きようが、死のうがどうでもいいみたいで、区画から出なければ、何も言われることはなかった。


 物心が付いた頃には兄さんと二人きりで、その頃からずっと兄さんに守られていた。

 親の顔も知らない私達だったけど、兄さんがいて、必死に私を守ってくれたから、私は底層区画なんて場所で生きることが出来た。

 兄さんは私達が生きる為に何でもした。・・・でも、それが正しいとか、正しくないとかは守られている私には口を出す資格などなかった―――――そう、底層区画から出ることが出来たのも全て兄さんのおかげだから―――――――


 ――――――――突如私のいる部屋の扉が開き、過去に意識が行っていた私を現実に戻す―――――

 私の意識を奪われたのは、突然静寂が破られたからだけではなかった――――私はドアを開けた人物に飛びつく―――


「兄さん!!」

「千尋!?千尋もこのゲームに!?」

「―――うんっ!でも兄さんに会えて良かった!」


 こんな絶望的な状況でも、大丈夫なんじゃないかって思えてしまうくらい、兄さんは頼れる存在。すごく安心する。きっと兄さんがなんとしてくれると思うから―――――









 ―――――この兄妹が最年少で底層区画(スラム)を出てきた兄妹か・・・

 ―――――底層区画を出るのってそんなに凄いことなの?

 ―――――十年以上の生活を保証できる財がないと出られないのだよ。あの底層区画じゃ稼ぐこともままならんし、奪われる危険もあるから、そんなこと無理に等しい。

 ―――――それをやり遂げたとは、この兄妹は何か()っているのだな・・・

 ―――――いえ、それが・・・兄の方が、二人分の財を成したようで・・・


「―――――!?」


 会場にどよめきが生まれる・・・


 ―――――それほどとは・・・して、彼にはいったいどんな才が・・・


 会場は彼の話題で満ちることとなった・・・

・・・環境の変わる時期ですよね・・・


・・・はい、私も少々生活に変化がありまして・・・更新ペースを落とさせて頂きます・・・

 もし楽しみにして下さった方には大変申し訳ないです。


次回更新は3月25日付近を予定しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ