第四話 理想と現実
第四話
理想と現実
俺たちは武器を探して歩き回っている。その過程で建物がやたらと複雑、というか、合理的でない、整理のされていない形状の通路をしている、ということはわかった。
それにしても―――
「なんか、こうやって武器を探して迷宮を探索するのって、ゲームみたいでワクワクするね。」
「僕はそういったゲームはしたことがないので、ちょっとわからないですね。」
「あたしも、あんまりゲームとかしなかったのでよくわかりませんが・・・樹さんは、ゲーム、お好きなんですか?」
「うーん、まぁ、そうだね。・・・情けない話になるんだけど、俺、ぶっちゃけニートなんだよね。」
「ニート・・・ですか・・・」
「うん、学校にも、仕事にも行ってない。・・・どういうわけか、・・・きっと俺自身に問題があるからなんだろうけど、俺、周りから嫌われやすくて、どこに行ってもイジメとかにあうんだ。大人はみんな『そんなものどこにだってある』っていうし、俺もきっとそうだと思う。
だけど、俺の心はまだまだ子供だったもんで、軽く引きこもりになった・・・そこで、俺は知ってしまった。・・・ゲームって、理想の世界なんだって。勧善懲悪の世界だったり、悪にも理由があったり・・・でも現実ってそんなに上手くできてなくってさ・・・現実世界を恨んで、笑うことができなくなった俺は、ゲームの世界に逃げてたんだ。・・・ゲームをしている間はそんな現実から離れているような気がして・・・
だから、この現実で笑うことはないって思ってた、けど、蜜柑ちゃんが笑わせようとしてくれて、なんていうか、嬉しかった。俺もまだ笑っていいって言われてる気がして・・・」
「そ、そんな!別にそこまで大したことじゃ・・・」
「そう、大したことじゃないんだけど、それでもずっと一人だった俺に味方してくれる、そんな気がした。すごく、嬉しかったよ・・・」
「樹さん・・・」
「改めて、言わせてほしい。ありがとう。・・・そして、好きだ!」
「えっ!?・・・あ、その・・・はい。」
―――――えっ?
「あぁ!いや、今のは違くて!あたしっ!!」
「・・・違うの?俺のこと嫌い?」
「いや、嫌いとか、そういうんじゃなくて・・・」
「・・・好き?」
「ぁ・・・ぇっと・・・その・・・ぅ、うん。」
「え!!いいんですか!?僕が言うのもアレですけど、こんなヤツですよ。」
「ま、まぁ、それもわかるんですけど、あたしのことをこんなにも好きって言ってくれる人、いなかったし。」
「・・・へ、へぇ・・・」
想定外のことが起こったといわんばかりに、たじろぐ利彦さん・・・こんなヤツとは失礼だな・・・まぁ、リア充の余裕で許してやるけども。
まさかこんな結果になるとは俺も思っていなかった・・・現実も、なかなか面白いかもしれない・・・
「ま、まぁ、とりあえず武器探しを続けましょうか。」
「利彦さんのアプリってどこに武器があるとか、わからないんですよね?」
「うん、きっと、それだと地図とか必要になっちゃうからね、きっと平等じゃないって理由でそういう機能ないんだろうね。」
「・・・そう、ですね・・・」
「って言いますけど、アプリに不公平あると思いますけどね。俺のアプリとか役に立たなすぎでしょ。」
「樹さんのアプリ・・・一人のスマホの機能を自分のスマホを犠牲に封じる、でしたっけ?」
「はい、ましてや俺のスキルにはスマホが必要ですから・・・アプリを使用したらこっちはスキルも失うことになります。リスクが大きすぎますから・・・」
「まぁ、確かに・・・」
「考えてみると、スキル、アプリ、ミッションって決して平等な条件じゃないですよね。」
「・・・あ、この部屋、結構いろんなものありますよ・・・」
「本当だ・・・お二人とも、ここで少し休憩しませんか?」
「俺は賛成、結構歩いたし」
「あたしも、お腹空いてきた・・・」
「では、小休止としましょうか。」
こうして俺たちは簡単な休憩を取ることにした。緊張がほぐれたのか蜜柑ちゃんは堰を切ったように―――
「ねぇ、それ、あーんしてっ」
「え?いや、その、利彦さんも見てるし・・・」
「やーぁ、あーんじゃないと食べない・・・」
「し、しょうがないなぁ・・・はい、あーん」
何だこの可愛すぎる生物は!!座っている俺の脚の上に頭を置いている、所謂膝枕の状態でおねだりをしてくる・・・犬や猫みたいで・・・可愛い!!
しかもこの体勢になる時、無言で頭を乗っけて・・・
「・・・疲れた・・・」
って!ヤバい、これはキュン死する・・・リアルでこんなことあるなんて・・・生きててよかった!!
「あ、僕のことは気にしなくて大丈夫ですよ。」
「いや、気にしますよ・・・」
「えー、あたしだけを見てよー利彦さん見ないでよー」
可愛い!・・・けど、ちょっとめんどくさい・・・いや、このデレっぷりは可愛いから良いんだけど・・・
「あのー、やっぱり僕、席を外しましょうか?」
「いやいや、そんな!俺たちにはまだ早いですって!」
「・・・早い?何がですか?」
「おっと、思考が飛躍しすぎた・・・落ち着くために、ちょっと僕ら、散歩に行ってきますね。二時間くらい」
「今樹さんがまだ早いって言ったばかりですよ!!」
「そ、そんな、あたし、婚前交渉なんて・・・ポッ・・・///」
「蜜柑さんもその気なんですね・・・」
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電人殺害計画
・・・私はアプリを眺める・・・そこには、未来視、記憶消去、読心、肉体強化、スキルを使用した際にその情報が記されている・・・
その中で厄介なのが、このやり直しをする、というスキル・・・この人は、はたして殺せるのだろうか・・・?
銃で撃つことは可能だろうけど、その後にやり直しをされたら・・・
いや、あれこれ考えても仕方ない・・・私にできることは、撃ち抜くことだけだから・・・
ご閲覧ありがとうございます。
・・・完全にプロットミスでした。この話短いですね・・・
というより、四話でやる内容をミスって三話でやってました。
次話からエンディングに向けて、一気にゲームが動くので見逃してください・・・。




