鋼の剣(改)を手に入れた 〜登場人物&モンスター紹介〜
登場順に掲載。ネタバレ注意! (本編で書かれていない部分もほんの少〜し書いてます←作者の忘備録代わり……)時々更新していく予定。
ーー【第一部】ーー
バッシ (1話〜)
魔力皆無の元最下層戦奴。魔法王国崩壊後も、最底辺の冒険者だった。
戦場で鍛えられた我流剣技と、丘巨人由来の剛力、固有能力として超回復(自動的に熱量と引き換えに、身体損傷を回復)を持ち、無口な鋼の精霊との親和性によって、共鳴現象を起こす事が出来る。
戦場で拾った鋼の大剣はドワーフの鍛冶ノームにオリハルコン強化され、更にリリの火魔法〝睡蓮火〟の性質を纏う事で、破邪、破魔の剣としての特性を持つ。だが唯一、神聖魔法だけは打ち消す事が出来ない。
野草で淹れるお茶を好み、現在魔法の知育絵本〝ポコ・ア・ポコ〟で読み書きの他、様々な知識を吸収中。
ーーーーー
ノーム (1話〜)
ドワーフ王国の最大都市ブリストル・キングダムの鍛冶長。王族と司教に次ぐ要職。神の槌と称される、歴代鍛冶長の中でも突出した腕を持ち、数々の神剣、名剣を生み出して来た。長年火を見つめ過ぎて、左目を失明しており、それ以来戦いの前線には立たないが、昔は剣聖ウォードや睡蓮火のリリなどと冒険を共にする神官戦士だった。その時にウォードと鋼の剣との共鳴現象を目の当たりにしており、密かに鋼の精霊と人間の共鳴こそが最強ではないか? という持論を持つ様になる。だが、無口な精霊の為、試す機会も無かった所に、バッシを見つけた。
特に優れた武具には、双槌紋と呼ばれる刻印を打つ。だがそれは剣聖ウォードの愛剣等を含め、十本に満たないと言われている。
ーーーーー
ドワーフの戦士長 (1話〜)
ドワーフ最大の軍事力を誇る、ブリストル・キングダムの戦士団を束ねる戦士長の中年男性(70歳)階級的には、王、女王、王子、司教、鍛冶長に次ぐ要職で、本国一の強者。主に戦斧と化合剛弓を使う。
ーーーーー
〝睡蓮火の〟リリ・ウォルタ (1話〜)
過去に剣聖ウォードやノームと冒険者パーティーを組み、その後も勇者やラウル大司教らとパーティーを組んで、勇者の右腕とも呼ばれた伝説的魔法使い。固有魔法の睡蓮火は、邪を祓い、魔力を中和させる能力を持つ。リロの師匠であり、獄火の魔導書を譲り渡した。故あって、聖都の魔術師ギルド長代理を務めているが、本人は遠出がしたくてウズウズしている。
ーーーーー
〝剣聖〟ウォード (2話〜)
無口な鋼の精霊と共鳴する事が出来、数々の偉業と伝説を残す英雄。剣の腕で並ぶ者なしと呼ばれ、オルフロートなど多くの弟子を育てた。
ーーーーー
ウィル (4話〜)
ジュエルと同じく神殿騎士で、修行時代にはCランク冒険者まで登りつめた事がある。直情傾向があり、選民思想の持ち主だが、それなりに仲間が居て、強化系魔法の達人として一目置かれている。柄に橙魔石をはめ込んだ剣と、大きな円形盾、そしてド派手な黄金色の板金鎧を装備する。
ーーーーー
リロ・セィゼン (4話〜)
故郷をモンスターの群れに壊滅させられた、アルミナと呼ばれる南方の草原エルフの少女。150cm強の華奢な身体、褐色の肌に長耳、銀の長髪に緑色の瞳を持つ。孤児だった所をリリに助けられ、そのまま弟子となる。〝獄火の魔導書〟フレイム・タン(通称タンたん)と契約し、優しい性格から、タンたんの持つ快楽的攻撃性との同期に畏怖と嫌悪感を持つ。パーティーで一番の火力を誇る魔術師だが、同時に一番の成長株でもある。
ーーーーー
ジュエル・エ・ポエンシャル (6話〜)
金髪碧眼、180cmに近い良く締まった体の、神託を受けた女性神殿騎士。神託の中身は、Sランク冒険者になり世界の人々を救う事。達成すれば一世代に二人と出ない聖騎士になる事ができ、さらに五年以内に聖騎士になれれば、準貴族ポエンシャル家の存続が叶う。一代で成り上がった祖父を心から尊敬し、志を同じくする。逆に家を没落させた父親を憎んでいる。
剣の道を捨て、聖騎士となるため、聖騎士の鎧(複製)と、聖なる戦槌を使う様に、シフトチェンジした。
回復魔法や毒癒、守護力場、更に上位魔法の聖守護力場といった神聖魔法と、一通りの騎士流武技、それらを組み合わせた神聖武技を使用する。
直情傾向の男前な女騎士。
ーーーーー
ウーシア (6話〜)
ジュエルに隷属する犬人族の奴隷少女。艶のある栗毛の髪は背中を通って、そのまま尻尾に繋がっている。何代にも渡る奴隷家系で、先祖代々受け継がれた霊剣を隠し持つ(霊の様に存在を隠匿し、霊感スキルを強化する)凄腕冒険者に隷属していた経験があり、Cランクの腕前を持つスカウト兼レンジャー。霊剣の他、スリングを得意とし、キーワードで小爆発を起こす投魔石を使用する事もある。リロと同じ150cm台の身長、こちらの方が気持ち背が高い。
ーーーーー
オルフロート・D・バイル (8話〜)
聖都を守る神殿騎士団の団長にして、広大な領地をもつ伯爵。剣聖ウォードの弟子であり、聖騎士を目指していた時期がある。その時に作製した聖騎士の鎧(複製)をレッドホーン防具店に保管していたが、部下であるジュエルに譲った。厳しい指揮を取るものの、的確な戦略と公正中立な態度から、部下から厚い信望を得ている。
ーーーーー
オルフロートの側近騎士 (8話〜)
眉目秀麗、純白の制服をスラリと着こなす上級騎士。バッシが一目見るなり、只者ではないと感じさせられた程の実力者。凄くモテる。
ーーーーー
エイム・ヨカ・ポエンシャル(8話〜)
ジュエルの叔母さん、没落したポエンシャル家を卓越したコミュニケーション能力で支える、やり手商人。ジュエルの事を心配しながらも、再興の救世主として頼りにもしている。没落原因となった弟(ジュエルの父)を憎み切れない、情の厚いおばちゃん。
ーーーーー
フレイム・タン(8話〜)
獄火の魔導書と呼ばれる、意思を持つ本。持ち主との契約に基づき、膨大な魔力を供給、持ち主の火魔法を大幅にパワーアップさせる。リリ・ウォルタから、リロ・セィゼンに譲渡された。性別は女性で嫉妬深い。バッシに対して女子っぽい行動を取るが、戦闘時にはバッシも慄く程の破壊衝動を伴う共感思念を発する。破壊衝動の共感度が深い程火力が増し、より強い爽快感をもたらす。麻薬的毒書の一面を持ち、リロはそこを恐れている。特定のページに強力な固有火魔法を掲載している。
*火柱 : 特別何をしなくても発する事が出来る、基本的能力。不用意に触れる相手に、極小の火柱を放出する。この場合の極小は、人間一人を丸こげに出来る火力をさす。
* P33 : 導く火矢 熱感知で魔法発動者の思念に基ずく相手を自動追尾して貫く火矢。術者の視界を離れると、多少のバラつきを見せて、似た温度の対象に向けて飛ぶ事がある。術者の魔力に応じて本数や威力、追尾性能が増して行く。
* P78 : 延焼火矢 その名の通り、延焼魔力を内包した火球を放出する。空気を焼きながら甲高い音を発して着弾すると、半径十メートル〜百メートルまでの範囲に延焼。その火は術者が解除するか、内包魔力が尽きるまで燃え続ける。
*P444 : 焰気汚染 特定範囲の空気を、黄色い可燃性ガスに変質させる。火の手を受けると爆発を起こし、少ない魔力で広範囲を攻撃出来る、効率的な殺傷魔法。可燃性ガスは腐った卵の様な臭いを発する。
*P13 : 催眠幻火 見る者を催眠状態にする幻火を生み出す。細やかな魔力運用が必要で、当初リロは扱えなかったが、マンプルの魔法に刺激を受けたリロが、日々精神修行を行うことで扱える様になった。対象数や効能は、術者の能力に帰属する。
*P664 : 紅炎(37話〜)
*P665 : 暗状紅炎(38話〜):異質の魔法陣から放たれる、禍々しく赤黒い炎。力の波が触手となって、対象物を吸い込む様に同化させる。瞬時に溶かし込まれた対象は、タンたんの中に引き摺り込まれ、地獄の炎の一部となって自我を失い、生命の循環から離れてしまう。
*P666 : ???
ーーーーー
ネウロゲシア (9話〜)
真っ赤な花弁を持つ、植物型モンスター。粘性蔦、イバラの鞭、根塊を操る。本体は人間を越す体高で、低級モンスターながら、意外な粘り強さを持つため、冒険者などからも敬遠されがちである。
ーーーーー
緑の髪の女( ボッサム ) (11話〜)
全身茶色に近い緑色をしており、真っ赤な唇がボサボサ髪から覗く。その髪は鉄の様に硬化し自在に操れる他、刺した相手を操る神経針や、特殊な光る種を内包する。その種は植物系モンスターを誘引し、成長、繁殖を促す効果を持つ。
首筋にBS-3609の刺青を持つ、元バトル・スレイブ。バッシの事を知っていた様な気配を見せた。
ーーーーー
ベイル (14話〜)
中肉中背の中年男で、バッシらと共に商隊の護送依頼を受けた冒険者。本人曰く〝さすらいのシェフ〟で、実際料理の腕もプロ級だが、名の通った殺し屋〝死刃のウンド〟を退ける程の剣の達人。二本の短剣に〝リディム〟〝バイブス〟と名付け、戦いの中で発光させるなど、秘めたる力を予感させた。
ーーーーー
エアリース (14話〜)
冒険者ギルド、リザリア支部の受付嬢。目元も涼しいエルフのお姉様だが、ジュエルにベタ惚れな残念嬢その①。仕事はできる。
ーーーーー
〝やり手の〟ホーンバルグ (14話〜)
リザリアに店を構えるドワーフの防具職人。長年オルフロートに作った聖騎士の鎧(複製)を預かり、新たな持ち主を待っていた。その腕は広く国外にも知られるが、経営手腕もあいまって〝やり手〟と言われている。
ーーーーー
リーキン (15話〜)
大型馬車を二台持ち、各地を転々とする旅の商人。大柄で冒険者と言っても過言ではない雰囲気の持ち主、実際大型ボウガンの腕は冒険者顔負けである。商人仲間からの信頼も厚く、何組かの馬車を集めて商隊を組む時は、必ずリーダーになる。地方に妻と沢山の子供を持つ。
ーーーーー
マンプル (15話〜)
ライカンスロープの中でも、希少種の金豹族の女性で、普段は体長2mを超す金毛の豹の姿をとる。〝密林の光帝〟〝惑いの魔豹〟と呼ばれ、光の波を操る固有魔法は、周囲一帯を支配下に置くが、土地神として神格化されているため、それ以外の土地では力を制限される。魔力を振るう時には、2mを超す豊満な美女と化し、全身に渦巻きの金紋を光らせる。
ーーーーー
ブラム (15話〜)
マンプルを神と崇める集落の長だったが、とある理由により、彼女と村民の戦士達を連れて旅に出た。ドルイドとしての力を持ち、マンプルに一時的とはいえ、別の土地でも力を発揮させる事が出来る。普段は無口だが、口を開けば案外饒舌。
ーーーーー
その他の猫背組のメンバー (15話〜)
猫人族の夫婦 : 夫は双曲刀、妻は魔力を宿した棘付き護拳を使う戦士。弓使い : 極大遠射をも難なくこなす、凄腕弓士。スカウト : パーティーで唯一の部外者。事情を知り協力している。
ーーーーー
ネェゾ (15話〜)
バッシらが護衛する事になった女商人、肝っ玉かあさんキャラで、人にご飯を奢り、大勢で食卓を囲むのが好き。
ーーーーー
峡谷に現れた盗賊団のリーダー (16話〜)
スキンヘッドの小男、鞭の音で二足歩行型地竜のグレイグを操る。
ーーーーー
グレイグ (17話〜)
緑色の剛皮をもつ、二足歩行型地竜。体長10m、体高5mを越す巨体を誇る。
ーーーーー
〝死刃の〟ウンド (17話〜)
風魔法を操る大曲刀使い。名の知れた殺し屋で、風を纏ったサイレント・キリング、風刃、突進、跳躍の他、周囲の圧力さえ変える〝風刃居合斬り〟を操る。何らかの意図を持って、盗賊団をけしかけ、リロの命を狙った。また、致命傷を与えたと思った一撃を、何故か小傷で済ませる秘技を持つ。
ーーーーー
〝赤鬼の〟ビクティニ (20話〜)
真っ赤な皮膚を持つ、オーガ種の戦士。バッシと同じく2m半程の身長をもつ、筋肉質な大男で、背中に背負った巨大な戦斧を得物とする。三つ又槍の魔法印を持つD級冒険者で、C級への昇格試験を受ける所だった。C級冒険者パーティー「美女と野獣」の前衛戦士。昇格試験では、戦斧による連撃のスキルを見せた。
ーーーーー
エルルエル (21話〜)
アルフアベドの冒険者ギルド受付嬢、栗毛で可愛らしい外見。以前一緒に働いていたエアリースと趣味を同じくする同志。アルフアベドに来たジュエルをサポートしようと、鼻息を荒くしている。
ーーーーー
〝突然死〟のハムス (21話〜)
冒険者の街アルフアベドの冒険者ギルド長、アルフアベド伯の相棒として、Sランクパーティーに所属していた。現在アルフアベドでSランク冒険者は彼らのみである。
小人族でクリンと揺れる口髭が特徴。魔短剣使いで、勇者にも劣らぬ武力を誇るが、迷宮攻略の腕に絶対の自信を持っている。
ーーーーー
ガラム (21話〜)
洞窟型迷宮に棲息する鳥型モンスター。数千〜万単位の群れを作り、攻撃を加えられると一斉に襲いかかる。夜行性で、鋭い嘴と無音飛行を用い、夜になると周辺に狩りに出る。滋養効果のある肉は、初秋の産卵期前が一番美味であり、最高値が付く。また、堆積し発酵の進んだ糞土は、最高品質の肥料として、高値で取引される。
ーーーーー
ゲーハァ (24話〜)
Bランクパーティー〝帯電棘棘〟のリーダー。方形大盾と、長めの嘴を持つ戦槌を使う、重装鎧の戦士。重い装備に見合わぬ俊敏さを持ち、魔法やスキルを封じた地力のみで、ビクティニを圧倒した。〝帯電棘棘とお助け隊〟を率いて〝豊穣なる地下通路〟に潜むユニーク・モンスターを討伐予定。帯電棘棘には戦士三名、女スカウトのジルの他、魔法使いのエヌシスとゲランを擁し、電撃魔法をゲーハァの鎧や盾に集約する事で、雷槍と呼ばれる極大魔法を行使する事ができる。
ーーーーー
フォレスト・ゴブリン (25話〜)
くすんだ緑に枯葉模様の皮膚を持つ、森に住むゴブリン。人間の大人と子供の中間位の身長ながら、筋肉質な体躯は意外な力を持つ。繁殖力に優れ、異種族のメスとの間にも、自分の種族の子を孕ませる事ができる。
ーーーーー
猛薬小鬼 (25話〜)
バッシの所属していた魔法王国の尖兵として、大量生産された改造ゴブリン。魔法薬を用い、限界まで引き出された肉体能力と、洗脳による絶対的忠誠、そして数の暴力で、戦場を震撼させた。引き換えに数年で寿命を迎える〝超短命〟というバッド・スキルを持つ。
ーーーーー
黒ゴブリン (25話〜)
フォレスト・ゴブリンのレア種、冒険者から奪った剣を携える。
ーーーーー
ゴブリンの女王 (25話〜)
自身はゴブリンではなく、甲殻虫人の先祖返りを起こした人間の女。村を追い出された所を、黒ゴブリン率いるフォレスト・ゴブリンに捕まり、繁殖の苗床とされてしまう。だが、そこから虫人の女王としての進化を遂げて〝多産〟〝思念波〟などの特殊能力を得る。狂気に取り憑かれた彼女は、逃げ延びた先で何を成すのか……
40話では異世界転生者である事が分かった。視界に映るステータスによると、
名前 : 宮本 佳恵
年齢 : 18才(現世体)/42才(享年)
LV : 56
生命力 : 105 / 2356
魔力 : 207 / 420
力 : 32
敏捷性 : 54
知力 : 36
精神力 : 2650
種族 : 甲殻虫人〝亜女王種〟
称号 : 〝苗床の女王〟〝悦楽倒錯者〟〝淫乱〟〝異世界転生者〟
固有スキル : 〝超多産〟Lv9 〝思念波〟Lv10〝視覚夢〟Lv10
ノーマル・スキル : 〝鍵爪〟Lv2 〝虫体形成〟Lv5 〝触角感知〟Lv1
というデータが示されている。
ーーーーー
サイス(怨霊)(28話〜)
ンマームの森にやって来た青年魔導師、土地神であるマンプルと住民達の研究の為に、森に住み着いていたが、やがて時折見かける全裸の美女姿のマンプルに特別な感情を抱く。
魔導師としては優秀で、幼い頃から挫折を知らなかった彼は、当然この思いが通じると思っていたが、拒絶された為に荒れ狂う。マンプルと村人総出で撃退されると、逆恨みから死霊魔法を使い自らを死霊と化して、ンマームの森全体に腐り水の呪いをかける。その姿は長い尾を引き空中を浮遊する蛸か、ぼろ切れの様相であり、黒い靄を放出し続ける。浮遊モンスターを使役し、周囲の生気を吸収しつづけ、昼間でも活動できる結界を拡大していった。生前に作っていた魔力の拠点を本拠地としており、そこを崩さない限りは不死身である。
ーーーーー
浮遊モンスター(28話〜)
サイスの呪いにより生まれた、乳色の水たまりから発生する半透明のクラゲの様なモンスター。触れた者の生気を吸い取り、召喚者に補給する能力を持つ。ンマームの森を解呪した後も出現した分は、サイスの魂と深く同化した、本拠地の浮遊モンスターだと思われる。
ーーーーー
噛み付き巨亀(29話〜)
元はンマームの森に百年以上生息する噛み付き亀。サイスの本拠地にされ、浮遊モンスターの苗床にされながら、巨大な姿に改造されていった。その本体は浮遊モンスターの集合体で、腐り水を出現させたり、光の柱を放射して遠距離のものを焼失させる能力がある。また傷を負っても、腐り水ですぐに癒着させ、何事も無かった様に行動する事が出来る。
首を伸ばし、尻尾の先まで合わせると、全長15mを超える巨体を誇る。
ーーーーー
ゲマイン老(31話〜)
〝豊穣なる地下通路〟の案内人である、風笛師と呼ばれる風精の精霊使い。風精の力を持つ角笛や風袋と呼ばれる、ふいご付きの背負い布を使う。迷宮出入り口近くにある集落一の腕前で、ユニーク・モンスター討伐隊の案内を、同業のドンと、孫のマリィと共に買って出た。討伐隊を逃がすために、体を張ってユニーク・モンスターを阻止して絶命するも、孫娘のマリィの命だけは助けた。
ーーーーー
マリィ(31話〜)
ゲマイン老の孫娘。十代にしてゲマイン老が補助役に選ぶなど、その腕前は他の大人達よりも群を抜いて高い。
ーーーーー
グリーン・ジェル(33話〜)
スライム系モンスターの中位種で、その名の通り緑色の体色をもつ。高い毒性値を誇り、吐き出す毒霧を吸い込んだ生物は、全身を硬直させて麻痺を起こす。核が弱点だが、高い対衝撃性を誇り、斬撃にも強い強靭な外皮を持つ。
ーーーーー
沼地狼(33話〜)
沼地に生息する1.5mを越す体高の大型獣。茶色い粘液に覆われたその表皮に、沼地に生息するモンスターを貼り付かせている事がある。
ーーーーー
魔爪スコーピオン(34話〜)
鉄爪スコーピオンの上位種、更に大きく強力になった爪に魔力を宿し、巨大な尻尾には猛毒を持つ。体長1.5m程で、群れを形成すると中級冒険者でも厄介な敵となる。
ーーーーー
大理石魔像(34話〜)
大理石で構成されたストーン・ゴーレム。だいたいが2m程のズングリとした個体だが、中には純白の美しい彫像の姿で出現する事もあり、破壊せずに仕留めると、高値で取引される事もある。
ーーーーー
〝土魔人〟タイタン(35話〜)
元魔法王国の戦奴だった、土巨人の血を引く魔法戦士。3mを超す恵まれた体格と、常に硬土装甲を纏える程の潤沢な魔力を誇り、製作者から直々に名前をいただく、名前付きと呼ばれる希少な存在だった。飛竜部隊からの奇襲作戦など、常に戦場の先頭で活躍する英雄だったが、魔法王国崩壊後、製作者の誘いも断り、冒険者になろうと志す。しかし生活力の無さや、生物兵器追跡機関〝禿鷹〟に追い立てられ、地下迷宮に逃げ込んでいた。土に練りこんだ獲物の血肉を、ペースト状にしたものを常食している。
ーーーーー
悪魔の鉤槍(35話〜)
大昔の魔王〝漆黒帝〟の得物。その闇の力は広義には邪神の領域にまで達しており、漆黒帝を倒した勇者にも滅する事が出来なかった。当時の為政者は、地下深くに封印を施したが、支配者も変遷し、人々から忘れ去られた頃、迷宮として現世との繋がりを持つ様になる。
柄の部分は黒霧状に分解して生き物に取り憑き、鉤状の先端部は、地中に潜り込んで、無数の分身体を形成し、その鉤爪で強力に捕縛する能力を持つ。
ーーーーー
教授
人造巨人兵団を造った魔導師団の長。多くの実験台を戦場に送り込んだ実績と、無数の生体実験を繰り返した残虐性から、血肉の女帝とも呼ばれていた。特徴的な真っ赤な唇と、整えられた真っ赤な爪が、被験者の恐怖の的だった。
ーーーーー
将軍
階級の無い戦奴の中にあって、他を圧する立派な容姿と、戦闘能力の高さ、知性の高さから、将軍という名を付けられた真銀巨人。教授が最高傑作と呼ぶ彼は、真銀魔像と吹雪巨人を掛け合わせたホムンクルスである。身長こそ二メートルを越すが、均整の取れた身体は巨人兵団にあっては異色の存在であった。