喧嘩
ガチャ・・・。
私『いる?』
佐村『よぉ。』
私『麻里はやっぱり来てない?』
佐村『ああ、あれからな。ちょっと刺激が強すぎたんじゃないか。』
私『もう、バンドも無理でしょ?私と一緒に暮らそうよ。』
佐村『だから、俺はお前を送るだけだって。それに麻里って、ああいうのは日常茶飯事なんだよ。』
佐村はため息をつきながら、そう言った。
私『なんで、そんな麻里を手放そうとしないの?私の方が歌は上手いし・・・男の人が好きな事だってわかってるつもりだし・・・。』
佐村『手放すもなにも、戻ってくるんだよ。』
私『戻ってくる?』
佐村『子猫みたいだろ?そういうところが可愛いんだよ。』
ガチャ・・・。
私『麻里!?』
麻里『子猫がどうだとか、2人がイチャついてたから入れなかったじゃない。』
麻里は頬を赤らめながら、そう言った。
佐村『人見はまだ練習に来れないのか?』
麻里『何いきなり真面目腐ってんのよ!!白瀬!!』
私『は、はい!?』
麻里『人見、無事だよ。卒業式後には練習に参加出来るって。』
私『・・・それ、佐村に言った方がいいんじゃないの?』
麻里『目の前で撃たれたの見てるんだから心配してるんじゃないのかなーっと思ったから。』
私『・・・。』
麻里『聞こえてる?』
私『麻里、煙草吸える?』
麻里『えっ・・・熱い!?』
私はライターを麻里の手の甲に押し当てた。麻里が掴み掛かってきた。でも、佐村に止められる。麻里の顔は悔しそうだ。
麻里『何すんのよ、佐村!!』
佐村『白瀬帰ってきたばかりだろ・・・。なんで挑発してんだよ・・・。』
麻里『最初に挑発してきたのはどっちよ!!私たち必死になって、白瀬を探したんだよ!!それなのに・・・それなのに!!』
佐村『落ち着けって・・・悪い癖・・・。』
麻里『悪い癖!?これは、私の悪い癖なの!?人の男を寝取られて、怒ることが悪い癖なの!?』
佐村『だから、落ち着けって!!俺は白瀬と寝てない!!』
私『寝てはないね。立ったまま?』
麻里『うわぁーーーっ!!』
麻里は私を押し倒した。私も負けずにひっくり返す。まるでキャットファイトだ。
佐村『麻里も、白瀬もやめろって!!』
数分も経つと、お互い擦り傷だらけで冷めたようだ。
麻里『・・・。』
私『・・・。』
ガチャ・・・。
鈴木『・・・何してたんだ?2人とも絆創膏だらけで。』
佐村『あ、鈴木さん。その・・・まぁ、そっとしておいてくれ。』
鈴木『音出していいか?』
佐村『いいですよ。』
鈴木さんはベースを弾きだした。
麻里『・・・この前、佐村と抱き合ってたのは、どう言い訳するつもり?』
私『ああでもしないと、話を聞いてくれそうになかったから。』
麻里『話?』
私『私、上京しようと思って。』
麻里『電車で行けばいいじゃない。』
私『・・・。』
麻里『図星?』
私『少しだけだけど、不安があるのかも。』
麻里『だからって、人の男を・・・。』
私『人見で良かったんだけど、私のせいで負傷しちゃってるし。思いついたのが佐村だったってだけ。』
麻里『ひどい。』
私『ひどいね。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私『ただいま。』
美知『おかえり。』
私『母さん、寝てるの?』
美知『寝たフリだよ。母さん!!』
母『・・・なに?』
私『明日、家を出るから。』
母『明日・・・?』
私『病室でも言ったじゃない。』
母『・・・せっかく、無事に戻ってきたんだから、もう少し家にいたら?』
私『無事に帰ってきたと思ってんだ。』
私は母の心配もよそに、わくわくしていた。明日、この田舎から都会へと旅立つんだ。麻里はついてくるらしいけど。




