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女優

私はスタジオの前に座り込んだ。まだ3人は学校だから、誰もいないだろう。鈴木さんは一番乗りっていうタイプじゃなさそうだし。


ガチャ・・・。


佐村『何も思い浮かばねー!!』


私『あ。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私『学校行ってなかったの?いつから?』


佐村『卒業式の練習始まってから。面倒くさいし、俺の時間がくだらないことに使われるのが嫌なんだよ。』


私『私に似てるね。』


佐村『そうか?・・・それより、監禁中はどんな生活してたんだ?』


私『色々学んだよ。良いことも、悪いことも。』


佐村『学んだ?』


私『例えば、こういうこと。』


私は佐村に抱きついた。そして、耳元で囁いた。


私『簡単に集金することが出来る方法とか。』


ガチャ・・・。


麻里『さあ!!今日も・・・。』


佐村『ま、麻里!?』


麻里『何してるの・・・?』


佐村『違うんだよ!?・・・あれだ!!欧米式の挨拶だよ!!』


私『欧米式の挨拶なんかじゃ、集金出来ないよ。』


私は、さらにギュッと抱き締めた。


佐村『おい、白瀬!?』


麻里『はいはい、お楽しみの邪魔しちゃって悪いわね。人見と鈴木さんには、今日の練習は中止って伝えておくから。』


佐村『だから、これは・・・その・・・。』


麻里『欧米式の挨拶。』


バンッ!!


麻里は出て行った。


佐村『白瀬、一体どうしたんだよ・・・。』


私『私を都会に連れてって。都会の真ん中に放り投げてくれるだけでいいから。』


佐村『でも、まだ卒業式とかあるだろ?』


私『佐村は出るの?』


佐村『・・・出ないな。』


私は、さらに佐村を抱き締めた。すると今度は佐村が強く抱き返してきた。


佐村『なんで都会に行きたいんだ?』


私『都会に行きたいって言うのは、普通の感覚よ。佐村にもわかるでしょ?』


佐村『ああ。』


2人はキスをした。スタジオの電気を消して・・・誰にもバレないように。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


卒業式前日。私は卒業式前のリハーサルってやつに参加していた。卒業式が終わったら佐村と都会に行くって約束したからだ。どうせ出るなら基本の進行くらい押さえておかないと恥をかくのは目に見えてる。


公子『卒業したらどうするの?』


公子が私に問いかける。


私『仕事するよ。』


嘘つき。


私『公子は大学行くんでしょ?』


公子『離ればなれになっちゃうね・・・。約束、破っちゃってごめん。』


私『約束?』


公子『私たちね、色葉が行方不明になってから、私たちなりに色葉を探したんだよ。おばさんに聞いたら、昔通ってたイトさんの駄菓子屋にいるかもしれないって言われて・・・。』


私『麻里も一緒に・・・?』


公子『むしろ藤浪さんの方が張り切ってたかも・・・私はすぐに帰ってくると思ってたから・・・。』


だから、あのとき麻里が私を最初に見つけてくれたんだ・・・。


公子『で、駄菓子屋に入るとイトさんがいてね、私のこと覚えてくれていたの、藤浪さんは初対面だけど、イトさんったら、佐知子ちゃんと間違えちゃったりしたの(笑)』


私『佐知子ちゃん?似てるね(笑)』


公子『色々話したんだけど、鍵に繋がるものはなかったの。帰り際にイトさんが私たちが小学生のときに書いたサインを見せてくれたの。私・・・友達、色葉とずーっと一緒でいたい。なんて、サインしてたこと、すっかり忘れちゃってて・・・。』


私『私、女優さんになりたいって書いてたでしょ。』


公子『うん。藤浪さんと笑っちゃって・・・。』


私『私、女優になれるかも。』


公子『えっ?』


公子は笑っていた。でも、私は思う。女優になるのは簡単だ。何故なら女は皆女優だからだ。瞳さんもそうだった。麻里も、公子も、私だって。

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