玉宮
これはタイムスリップ?夢?それとも幻覚?私は1987年の2月を生きていた。気がつくと1976年を生きていた。
ガチャ・・・。
私『・・・。』
久美子『あ、昨日はゆっくり眠れた?』
私『はい・・・。あの・・・。』
久美子『緊張したらダメよ。接客は笑顔じゃないと!!』
私『あの・・・私は誰ですか・・・?』
久美子『何言ってるの?瞳ちゃん。もう1週間も一緒にいるじゃない。』
瞳・・・?私は色葉だ。・・・そういえば瞳さんがいない。扉を開けて廊下に出てみた。やっぱりいない。
久美子『どうしたの?』
どうしたのって、まったく・・・他人事みたい。
久美子『やっぱり、お母さんが心配なの?大丈夫よ、きっと!!』
そういえば、瞳さんも私と同じ境遇なんだっけ。・・・いや、瞳さんの場合は親に売られたんだ。私とは少しだけ違うんだ。
ガチャ・・・。
岸谷『瞳・・・ダメだった。』
私『・・・え?』
岸谷『妹・・・いや、お前の母さん・・・』
岸谷は私の手を握りながら泣いていた。私も、もらい泣きしてしまった。ん?頭が痛い・・・。私はその場に倒れこんだ。
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ドンドンドン!!
人見『開けろよ!!』
ドンドンドン!!
麻里『もう、5日経つよ・・・。』
人見『本当に、ここに白瀬がいたのか!?』
麻里『こんなことで嘘ついてどうすんのよ!!馬鹿!!』
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ピッ
アナウンサー『次のニュースです。先日、行方不明になった、高校3年生、白瀬色葉さんの捜索が開始されて、3日が経ちますが、今なお有力な情報を得ることが出来ていません・・・』
ピッ
アナウンサー『こちらが白瀬さんの通っていた高校です・・・』
ピッ
司会者『今週のゲストは私も尊敬する方なんですけれども・・・』
母『・・・。』
ピンポーン
母『はい。あ、公子ちゃん、急いで入って!!』
ガチャ・・・。
カシャ!!カシャ!!カシャ!!
ガチャ!!
公子『はあ、はあ、はあ、なんですか、アレ・・・。』
母『ごめんね・・・。警察がきちんと動いてくれたのは嬉しいんだけど、マスコミが家や地域に張り込みしちゃって・・・。』
公子『おばさんが悪いんじゃないじゃないですか。私、帰れるかな・・・。』
母『泊まっていいわよ。ところでどうしたの?何か手がかりは見つかった?』
公子『はい。麻里が色葉の居場所を見つけ出したらしいんですけど・・・。中に入れなくて・・・。』
母『それ、どこなの?』
公子『駄菓子屋の裏から見える豪邸に・・・。』
母『!?』
母は驚いたような顔をしていた。
公子『おばさん?』
母はアドレス帳を開いて、受話器を握った。
母『・・・あ、久美ちゃん。久しぶり。久美ちゃんって【玉宮】で働いてたよね?』
久美子『うん。でも、潰れたはずよ。私たちの世代で潰れちゃったから。』
母『本当に?』
久美子『本当よ。それより娘さんが行方不明なんだって?テレビのニュースを見てビックリしちゃった。』
母『実は色葉の友達が玉宮に、行方不明になってる色葉がいたって言ってるらしいの・・・。』
久美子『あそこで?電話かけてみる。多分電話番号残ってるから。』
母『ありがとう。』
久美子『こっちこそ、頼ってくれてありがとう。』
ガチャ・・・。
美知『ただいま・・・。』
母『おかえり、どうしたの!?』
美知『外でお姉ちゃんのことをいっぱい聞かれて・・・それなりに答えたんだけど・・・辛くなってきて逃げたら、階段でつまづいちゃった・・・。』
美知は出しっ放しの布団の中に潜り込んだ。
公子『美知ちゃん。着替えないと風邪引くよ。』




