手錠
ガチャ・・・。
佐村『なんだ、一番乗りかよ。』
麻里は、1人でスタジオにいた。
麻里『休みの日なのに、一番乗りなのよ。褒めてよ。』
佐村『お疲れさん。2日かけて書いた曲なんだけど・・・。』
麻里『白瀬と話してきた。』
麻里は、昨日の出来事を佐村に伝えた。
佐村『話しただけか?』
麻里『高い壁越しだったから・・・。』
ガチャ・・・
鈴木『・・・。』
麻里『あ、鈴木さん。聞いてた?』
鈴木『何が?それよりお前、10日間休暇なんじゃなかったのか?』
麻里『休暇ですよ。休暇の使い方は人それぞれじゃないですか!!ね、佐村!!』
佐村『あ、ああ。』
麻里『佐村、ちょっと来て!!今日の練習は中止!!ほら、早く!!』
ガチャ!!
鈴木『・・・。』
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佐村『何すんだよ。』
麻里『あの日の夏みたいに、白瀬を助けてあげて!!お願い!!』
一瞬の沈黙があった。
佐村『もういいんじゃなかったのか?やっぱり回復が早いな。』
麻里『なんで、話をそらすの!?』
佐村『そらしてねぇよ。そっちこそ・・・。』
麻里『話そらしてるじゃん!!』
佐村『そっちこそ、いちいちヒステリー起こすなよ!!』
麻里『・・・。』
佐村『・・・黙り込むのも、なんか違うよな。』
麻里『・・・お願い・・・手を貸して。』
佐村『なんで、人見じゃダメなんだ?』
麻里『人見は白瀬のことになると、ヤケになっちゃうから不安なの。だから、白瀬の居場所を見つけたことも人見には言ってない。』
佐村『やっぱり、俺いいや。』
麻里『え!?』
佐村『ヒステリー起こすなよ。白瀬は人見が助けた方がいい。』
佐村は麻里にそう言うとスタジオに帰って行った。麻里は、ただ呆然とその扉を見つめていた。
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私『・・・また、手錠をかけられるの?』
瞳『・・・。』
私『瞳さん?』
瞳『・・・。』
私『痛い!?』
また、あの痛みだ。初日は気絶しちゃったんだっけ。今度は体が痺れてる。岸谷が来た。瞳さんになにか喋りかけている。あ、耳が聞こえない・・・意識が薄れてゆく・・・。
私『・・・う・・・ん・・・。』
目覚めると瞳さんから朝だと告げられた。本当に今日は再び手錠をかけられた日の次の日なのだろうか・・・。私は瞳さんに問い掛けた。
私『瞳さん?今日って・・・。』
瞳『今日、お客さんの予約があるの。頑張ってね。』
お客さん・・・予約・・・。私は瞳さんの顔をみた。
私『ひ、瞳さん!?』
瞳『どうしたの?私の顔になにかついてる?』
私『い、いや・・・。』
瞳『それじゃ、急いで準備して。詳細は、久美子さんに聞いてね。』
久美子さん?ここには、私と瞳さんと岸谷しかいないんじゃないの?
私の耳に最近聴きなれなかった声が聞こえる。人が数人で喋ってる・・・。楽しそうな声・・・。私はその声がする部屋へ向かった。その途中で気づいたことがある。内装が綺麗になってる・・・。もしかして・・・。
私『瞳さん、今年って何年だっけ?』
瞳『昭和50年よ。』




