会話
麻里が屋敷に近づくと声が聞こえた。
麻里『すいません、誰かいらっしゃいますか?』
私『ん?この声聞いたことがあるんだけど。』
瞳『でも、外との接触は禁止なのよ。』
私は瞳さんの制止を振り切って、外からの問い掛けに答えてみた。
私『その声・・・麻里?・・・藤浪麻里?』
麻里『もしかして白瀬!?嘘でしょ、こんなドンピシャで発見するなんて、私天才!?』
私『ここどこなの?』
麻里『イトさんの駄菓子屋があるでしょ?その裏には田んぼが広がっているじゃない?』
私『うん。』
麻里『そこから見える豪邸に白瀬はいるんだよ。』
私『豪邸?』
麻里『自分の居場所教えてもらってないの?』
私『公園で連れ去られて・・・。』
瞳『色葉ちゃん、それ以上はダメ。』
瞳さんは私の肩を叩いた。
私『(なんで!!)』
瞳『(岸谷に聞こえたらどうするの?)』
私『(出られなくなる?)』
瞳『(とにかく聞かれてたらまずいの。)』
瞳さんは、珍しく強い口調で私の耳元で囁いた。
私『わかった。』
麻里『・・・白瀬?聞いてる?』
ガチャ・・・。
麻里『あれ?・・・玄関に行ってみよう。』
麻里は玄関へ向かった。先に何があるのかはわからない。
ガチャ・・・。
麻里『すいません・・・。』
中は、お洒落な雰囲気を醸し出す洋風の置き物がたくさん飾られていた。麻里は中に足を踏み入れた。カウンター越しに人の姿が見える。
麻里『・・・すいませーん。』
岸谷『いらっしゃい。』
麻里『あの・・・ここは・・・。』
岸谷『バーだよ。注文は?』
麻里『注文・・・お、オススメを・・・。』
バーのマスターは水を出した。
麻里『え?』
岸谷『白瀬色葉の同級生だろ?』
麻里『あ・・・。』
岸谷『あいつらは知らないけど、会話は筒抜けだからな。』
麻里『あんたが主犯格?』
岸谷『そうだとしたらどうする?』
麻里『・・・。』
麻里は沈黙した。主犯格に顔を知られてしまったことで、迂闊に喋ったら不利になると思ったからだ。
人見『おーい、麻里。こっちは、やっぱり何もなかったぞ!!そっちはどうだ?』
外から人見の声が聞こえてきた。
岸谷『ボーイフレンドか?』
麻里『違うよ。それじゃ。』
麻里は席を立った。
岸谷『水はいいのか?』
ガチャ・・・。
麻里は振り向かずに外に出た。
人見『よぉ、どうだった?』
麻里『・・・スカだった。』
公子『本当に?目泳いでるよ。』
公子には見破られてしまっているようだ。
麻里『柳田にはあとで話すよ。』
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公子『うそ!?色葉に会えたの!?』
麻里『話をしただけだよ。でも、話の途中でいなくなっちゃった。』
公子『人見くんには話さなくていいの?』
麻里『あいつには話しちゃダメ。自滅しちゃうから。』




