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男爵令嬢です
ナンシア王国またの名を星の国
その国に、商人ながらその功績から爵位を賜ったハリス家という男爵家がありました。
ハリス家は代々商人の才能を授かった子が産まれてきました。
しかし、ある代の当主は商人の才能など皆無でした。
赤字まみれの商売、ついに破産寸前。
そんなところに、歴史のある伯爵家のアルフォンス家から資金援助をするからハリス家の一人娘と婚約したい、との言葉が。
その一人娘がこの私、ミリアーヌ・ハリスです。
今日、婚約者のシオン・アルフォンス様と初のご対面です。
シオン様は紅騎士団の騎士団長様をされており、その端正なお顔と何事にも動じないクールな性格から、若い女性にとてつもない人気です。
てか、そんなモテ男が何故、私と婚約なんてするんですか!?
そんなにモテてんなら、美人だろうが、ロリだろうが、選び放題のよりどりみどりじゃないですか!!
なんで、破産寸前の男爵家のさえない小娘なんかを…。
あぁー…
帰りたい、実に帰りたいです。
そうこうしているうちに馬車は伯爵様の豪邸についた。
馬車から降りて、豪邸を見上げる。
無駄にでかいですー…。