プロローグⅡ
私は死んだ
過程は大した意味を持たないので、語るのは止めよう
私の体は、火葬され骨と灰になった
私の魂は、浄化のため業火に焼かれた
残ったのは
転生できる真っ白な魂と、燃え落ちた記憶の灰
どちらも私という自我を形成するのに重要で
それらが二つに分かれたなら、私という人間は終わるはずだった
白い魂は、新しい輪廻へと旅立ち
黒い灰は、世界の肥やしとなるため混沌へとまかれた
私の灰は世界と混ざり、ほんの少しだけ世界を変容させた
その、変容が、まずかったらしい
その歪は、とても小さいが人がもたらした物である為、神々は排除できない
その歪は、世界が科学しか持たない為、人々は排除できない
その歪は、周りの灰を飲み込み一つの現象と理を世界へ持ち込んだ
それは、いずれ『魔法』へといたる理だそうだ
それは、遠い未来『神』を生み出す種だそうだ
それは、神々にとって驚愕に値し
それは、神々が私へ興味を向けるのに十分な理由だった
灰は混沌から取り出され、白い魂に降りかけられる
私という自我は何度かの輪廻の後、復活することとなった
そして、神々は私を前に一つの相談をし、私の許可なく一つのことを決めた
私はどうやら、これから死ぬために生き返らないといけないらしい




