獅子では無い
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ありがとうございます
「えーあーうん?」
「元に戻って見せるのが一番手っ取り早いだろうが、誤って潰してもなんだからな」
湖も私が潜れる深さではないからな
「・・・頭痛くなってきた」
赤毛は頭を抱えて蹲る
安心しろ、ただの幻痛だ
この程度で処理落ちを起こされると、説明が面倒なんだが
「まずは、私が龍である事を認めてくれないと話が先に進まないんだが」
「・・・いや、疑っちゃいないんだけどなぁ?」
世界は広いし、と赤毛は呟く
ただの馬鹿かと思ったが無知を知る分だけ脳みそは柔らかいらしい
「なら進めるぞ」
「まだなんかあるのか・・・?!」
「ある。まずはお前は人間ではあるが、最初の人間・・・つまりはゴーレムでもある。
血は石英、酸素の代わりに魔力が巡る。あぁ、擬態で血は出るからな
核さえ壊されなければ、泥で塞げば治る。病気にもならない、寿命も無い、年もとらん
ちなみに核は私の血を吸わせたから私にしか壊せん。死にたくなったら此処に来い」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
赤毛がフリーズした
処理落ちしすぎて、思考が停止したらしい
やはり、馬鹿か
近寄り、目の前で手を振ってみるが反応は無い
仕方ないので、襟首を掴んで引きずる
何処へ?もちろん出口へだ
「呼吸で魔力は補えるが魔術を使うと身体を維持できなくなる可能性がある
その脳味噌で魔術師ということは無いだろうが、魔術は使うな」
フリーズしたままされるがまま地面に引きずられる、赤毛へ一方的に言う
そして、出口へ着いた
朝日が眩しい
出入り口は東側なのだろうか?
昇る日を見下ろせる・・・・・・眩しいが
下を見ると崖はなかなか切り立っていて、地面まで50mほどか
目測なので、もっとあるかもしれないが
これだけの高さが有れば十分だろう
赤毛の襟首を両手で掴み、足を肩幅に開き
渾身の力を込めて、洞窟の外へと赤毛を捨てた
叫び声が聞こえたが、おそらくは気のせいではないだろう
精神衛生上よろしくないので、洞窟から下を見下ろすような真似はしない
これで私が言ったことの意味も解るだろう
痛覚が無いからこそ出来る、荒業だ
馬鹿は脳味噌で理解できないのだから、身体で覚えるしかないのだ