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思案 4

 知りたいのに聞けない。聞いてはいけないような気がした。ソルトは話を元に戻す気など、さらさらないようだ。

ポケットの中を手で探り、取りだした何かをファウナに差し出す。


「じゃあこれ、お前に貸してやるから。外出するんだったら少しは役立つだろ」


 そう言って手渡されたのは、ユーフェンやライトも持っている無線機だった。

縦五センチ、横七センチほどの横長の無線機。下半分は小さな穴がいくつか空いており、恐らくそこに声を発するのだろう。右上の方には“ON”と“OFF”と書かれたボタンがついており、そのボタンの左隣には七色の小さなランプがついていた。


 ソルトはファウナの方に身を乗り出すと、無線機を指差した。


「ここの緑のランプが光ったら俺な。ここが光ったらこのボタン、“ON”に切り替えて必ずでろよ」


 ファウナはこくりと頷いて、隣のランプを指差した。


「この青のランプは?」


 彼は一瞬身を固め、息を殺して声を発する。


「青はユーフェンだ。光っても絶対にでるな」


 ファウナはぎゅっと無線機を握ると、また頷く。誰にも、明日の計画に気付かれてはいけない。特にユーフェンとライトには。


(ユーフェンに隠し事……嫌だけど)


 だがもう決めたこと。このことを彼が知れば、猛反対するに違いないから。

決行は明日の夜。明日の夜までにユイランの本心を聞き、準備をしなければならない。


「じゃ、俺行くから。今日はしっかり眠れよ」


「うん、ありがとう」


 この時、ファウナは予想だにしなかった。明日の夜に知る、衝撃的な事実を――。

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