こっちを向いて
―ねぇ、いつになったら気付いてくれる?
「…また?懲りないね」
あえての溜め息をつきながら、私は目の前のあなたを見る。
拗ねたように頬を膨らませるあなたのその右頬は真っ赤。
「何が悪いんだよ」
「女の子に告られて、曖昧な返事して、好きか聞かれたら、どうでもいいって答えるとこ」
氷を入れた袋の口を縛りながら、私はさらりと答えた。
そんな私に悪態をつくあなた。
「ほら、冷やしなよ」
タオルに包んだ袋を渡し、私は苦笑いを浮かべた。
顔は女の子並みに可愛いのに、女の子の気持ちを踏みにじる最低な男。
なのにどうしようもなくあなたを好きな私も、ある意味最低かもしれない。
だって、あなたが彼女を作らないことを心の底では喜んでるから。
「もうしない方がいいよ。女の子が可哀想」
そう言う私の言葉に下心があること、あなたは分かってるのかな。
ねぇ、いつになったら気付いてくれる?
あなたをこんなに好きな私に。
ねぇ、こっちを向いて?
【End】
いかがでしたでしょうか?
第二弾と言いつつ、続くかは分からない物語…(ぇ
とりあえず、これは男の子目線も考えています。
まぁ書くかは別だけど←
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
また次回、お会いできますように…