師を越える【天使偶像の白弓】――①
それから――……。
ボクたちは修行に暮れながら、一日一日を大切に踏み締めて歩み進めた。
お師匠様だけでなく、クラリスさんから修行に意見を挟んでもらえたのが、ボクたちが五体満足で生き残れた最大の要因であるかもしれなかった。
ただし、死線から遠ざけたその分を補うかのように、クラリスさんの修行もまた、なお一層厳しさを増していった。
死線の厳しさと、徹底的な理屈の学び。生と知の淵を覗いて、ボクたちはそのための力を叩き上げた。
そして、ついに、その日が来た。
その日。ずっと昔から――お師匠様に拾われて、師事したその時から、いつか来るとずっと分かっていた、その日だ。
「うん、うん――……。――ある一線まで到達したね、フフ、私の弟子たち。今ならクラリスも修行の内容に口は挟まないだろう、本当によく腕を上げた、熟したというにはまだまだ早いがしかし、そろそろ、頃合いだろうねェ――」
お師匠様は頷きながら仰った。
三日前にも『クラリスさんからの助け舟』を頂いた身で、複雑な心境もあったが、しかし確かに予感はあった。力に、近づいた予感。
そろそろ……その時なのだろう。
「私の弟子たち、ついに私と仕合だよ。本気の勝負で見事、一本取ってみたまえ」
それは、お師匠様に拾われて、師事したその時から、いつか来るとずっと分かっていたその日。
越えなければならない。
何より――この人に示したい。
「「はい、お師匠様」」
「あなたを越える」
「私たちは先へ進むよ」
ボクたち兄妹の歩んできた道を。
「――フフ。期待している」
お師匠様が時間をかけて修行を授けてくれた、その意味を。




