鏡の意味を持つ幻影蠱惑の連鎖刃《れんさじん》――②
「あの【死神の鎌】は、やっぱり、力を抑えるための武器だよね」
お二人を見送ったあと、お茶の一式を片づけながら、モニカがそのことを話題にした。
「ワザと扱いにくい武器を選ぶ……狂戦士気質に悩む人が苦肉として選ぶ、ままある手法、だよね?」
その通りだ。
【死神の鎌】。
創作話ではよく見る武器だけれど、実際現実ではとてもじゃないが、使えたもんじゃない。
武器重心比重が、とにかく悪い。
何度か創ってみたことはあるが、マトモに振れたものじゃない。わざわざその武器を選ぶ意味は皆無だ。
武器重心比重をなんとか改善しようとした【死神の鎌】は十字型になるものだが、ミヤコさんが背負っていたのは、鎌の重量比率が大きな、創作話でよく出てくるそのものみたいな武器形状だった。
「趣味という途轍もない理由で扱う人もいるみたいだけれど、ミヤコさんのアレは、力量を抑える以外の理由が見つけられなかったね」
「力量を抑えるための武器……力量を抑えるための武器かぁ……」
モニカは独りごちるように呟いて。
そしてそれは、その後もちょくちょく独りごちるように呟かれて、ふとした瞬間に、どこかうわの空で考えを巡らせていた。
釣られて、というわけでもなく、ボクも気付けば、ふとした時に考えている。
力量を抑えるための武器……。力量を抑える――抑制、制御するための武器に必要な、鋼と素材か……。




