猫と本
また猫が続いてもうしわけなひ・・・
「今日も疲れた~」
そんな日でも家に帰ると飼い猫が出迎えてくれる。
なんていい子だろう。
夕ご飯を一緒に食べ、お風呂に入る。
猫はお風呂が嫌いだから部屋で遊んでいる。
そろそろ入れないとね。
さて、今日もベットで本を読もうか。
そう思って本を取り出そうとすると、猫がひざの上に乗ってくる。
最近本を読もうとするとこれだ。
「お前も本が読みたいの?」
にゃあと鳴くけど返事というわけじゃないみたい。
まあいいわ。
私、猫、本という並びで読み始めた。
しかし、その日は少し違っていた。
恋愛小説を読んでいたはずなのに、何故か別の物語になっている。
不思議に思っていると突然目の前に光の球が現れ、猫はそちらの方に歩いていってしまった。
思わず猫の方に手を伸ばしたが、私も光の中に飲み込まれてしまった。
気が付くと、見たこともない町の中にいた。
不思議な建物や乗り物、そしてここの人の頭にはネコのような耳がある。
異世界に迷い込んだのかしら。
しばらく呆然としていたが、急にこの世界が変化しだした。
襲い来る天災、破壊される街並み、逃げ惑う人びと。
しかし、続く場面では何か神様みたいな存在が現れ、人びとを次々とネコに変化させていった。
そして神様の前に光の球が現れ、それは次第に大きくなり、ネコたちとそして私を飲み込んでしまった。
顔を蹴られて目が覚める。
朝の光が窓から差し込み、猫は私の横で大変な寝相で寝ていた。
上半身を起こしてベッドの上の本を見る。
確かに昨日読んでいた恋愛小説だ。
いつの間にか寝てしまい、変な夢を見たのだろう。
「あの世界の人が変化してこの猫になった?。まさかね」
「そうだよ」
誰かの声が聞こえた。
猫はいつの間にか起きていた。
まじまじと猫の方を見たが、猫は
「にゃあ」
としか鳴かなかった。
私と猫は、しばらく互いを見つめ合っていた。