⑥
最終話。オトウトの設定追加します。話の流れは特に変わらないです。
「とりあえず、関係者全員捕縛…はしてるから、連れて行って徹底的に尋問しなさい。それとアレックスを塔に軟禁、側妃様を見つけ次第国家転覆罪及び王族暗殺未遂で逮捕しておいて。彼女に関しては尋問はしなくていいわ。」
「「「かしこまりました」」」
命令すると真面目な騎士達が素早く行動する。
喚いて煩いのは昏倒させて運ばせた。
側妃様はね、ほら、私殺そうとしてたからね。それに愛人との間に出来た義弟を国王陛下の子だと偽ったり、傀儡にして側妃様とその父親が操ろうと画策していた事もバレてたからね。
ついでに逮捕しちゃおー的な。
会場にいた貴族や来賓は、家や滞在先に帰らせた。口外禁止の命令はしたから、明日からは公然の秘密になるわね。貴族社会では数十年に一度こういうことがあるんだって…怖いわぁ〜
…そういえば結構な人数の前で暴露したわね、私。
ちょっと…いえ結構スッキリしたわ。
ストレス溜まったらまたやろうかしら?
「フェル…そういう事だから、これから王配に向けて勉強よろしく」
私の側で微笑むフェルにそう告げると、彼は満面の笑みを浮かべた。
「うん、君とこの国の為に。これからは君への愛を前面的に出して頑張るね」
固まる私。腕を絡めてくるフェル。
「いや、これ以上はちょっと…てか今までのは前面的ではないと!?」
「ほんの1割程度かなぁ」
「嘘でしょ!?アレが!?…死ぬわよ、私!!」
「そしたら僕が生き返らせて…いややっぱり後を…いや死体を存分に愛でてからでも…」
「…どれか一つにして。そして最後のは本当にヤメロ」
王国の未来の女王陛下のその王配の掛け合いを、微笑みながら見るメイドのイリアと、ドン引きする執事。
「想い、ですねー」
「重い、なぁ」
「扇子壊れてなかったですー」
「結構すごい音してなかった?」
「わたしもああいう恋がしたいですー」
「あれを恋の一言で片付けていいの?」
「ところで側妃様はー?」
「あぁ、さっき捕まえといた」
「流石、影の筆頭ですー」
「暴言聞いたらまた陛下爆笑するんだろうなぁ」
「ひめがかわいそうですー」
「…陛下も即位前に全く同じ目に遭ってたし、そういう運命なんじゃね?」
「ひめがかわいそうですー」
「いや、だから陛下も…ちょ、そんな目で見ないでくれない??他国との同盟を片手間に結んじゃう優秀な王族が継承権放棄できるわけないでショ!?姫さん臣下になんてしたらあっという間に裏ボスになるよ!?陰の支配者とか言われるよ!?」
「ひめが」
「目が怖いんだって!ハイライト入ってない!!ちょ、姫さん助けて!」
「イリア」
「はい、ひめ様」
「思う存分楽しんで」
「ちょ!?」
「はーい」
「うーん、やっぱり冷凍にして…」
愛しの婚約者を見て物騒なことを口に出してる次期王配、の頭を叩く次期女王。
逃げようとする執事の服を掴んで、特技のハイライトの入ってない目で凝視するメイド。
そんな4人が静まった会場を出ていく。
そしてそんな彼等を、会場に残っていた警備の騎士達が見送る。
「ところで…なる気が一切ないのに王様ってなっていいのかしら…それに私みたいなのが次期国王ってこの国大丈夫なのかしら?」
「「「「(やっとそのこと指摘した…)」」」」
ちゃんとこの後統治するんで大丈夫です。何だったら偉大な女王として歴史に残ります。多分。