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2話目。

「卒業おめでとう、バカ義弟…それで?そんな祝いの場で一体、何を、していたのかしら??」


着地して2、3回大きく深呼吸し、後ろに控えていた優秀な専属メイドから渡された豪華な扇子を広げ、首を軽く傾げて問う私。ピキッと青筋が立ってる。


義弟の取り巻きはまだ無言…いや騎士達が制圧していた。仕事が早い。



義弟の元婚約者は先程まで気丈に振る舞っていたがやはりか弱い少女…お付きのメイドに寄りかかっている。



義弟は痛む脇腹を押さえながら、主張した。


政略結婚なんて嫌だという我儘。

婚約者は愛しい女性が良いという我儘。

国王になる自分が一番だという傲慢。

恋人が王妃になるべきだという欲望。

他にもエトセトラエトセトラ…


聞くのが面倒くさくなってきたので、扇子をパンッと音を立てて閉じる。


途端に黙る義弟。


逆に囀りだすアバズレ。


「あ、貴女は誰に物申しているの!?アレックス様は次期国王陛下なのよ!?姉って事は放蕩王女で有名の"ぐーたら姫"でしょう!?!?そんな女が、次期国王陛下でもあるアレックス様にこんな仕打ちするなんてっ!!!!ちょっと!この女捕まえて!!!!」



そして静まる会場。これが天使が通るというやつね。


「…ぇ…??」


誰も動かない事に困惑するアバズレを一瞥し、一つ溜息を吐くと馬鹿にもわかるように説明した。


「…ここにいる騎士は全て事実を知っていますわ。というか、事実を知らない騎士は配置していないのよ…それに貴女は愚弟のただの恋人、でしょう?愚弟やその阿呆の取り巻きが言ったならまだしも…身分としてはただの男爵令嬢…言い方は悪いけどたかが男爵のいち令嬢の一声で王立騎士団を動かせるなんて思わないことね」



「ひ、ひどいっ…ゎ、わたしは…」


「なっ?!」

「なんてこと言うんだ義姉上!ミランダに謝れ!!」

「第一王女といえど、その暴言は許されませんよ!」

「第一王女を捕らえよ!!」



シーン


「だ・か・ら、ここには事実を知っている騎士しかいない、と先ほど申したでしょう…?あんたらのその耳は飾りなの?」


「…っ」


メイドのイリアに目配せすると素早く愚弟以外の取り巻き共をロープでぐるぐる巻きにした。


アバズレには更に猿轡を。


…そこまでしろ、とは言葉にしてないし何だったら今の目配せはこれからすることの資料を用意しろなんだけど…満足してるし、いいか…



「…紙を」

「かしこまりました」


今度はちゃんと言葉にして、メイドに告げるとどこからか証拠品や紙を出してきた。

ほんと、どこから出しているのかしら?


まぁいいわ。


「…王位継承権第一位アレックス・フォン・ユグドラシル、貴方を継承権第一位から第十位へと降格し…不本意ながら、私マリアンナ・フォン・ユグドラシルが第二位から第一位へと昇格しました…ちっ…」


継承権の変遷でしか使わない国王陛下専用の用紙を見せながら、愚弟に告げた。舌打ちが出てしまう。淑女の仮面?とっくの昔に腐って落ちたわよ。


またまたシーンと静まる…かと思いきや、拍手喝采の貴族たち。来賓もにこやかにおめでとうとか言いやがる。



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