ライオンせんせいの きみょうな ちりょう
絵本用に書いたものを童話っぽくしました。
あるひ、タヌキの しょんたくんは おなかが いたくなったので、ライオンせんせいの びょういんへ いきました。
「いたたたた……」
「ほう、おなかが いたい? どれどれ」
しょんたくんが しんさつだいの うえに よこになると、さっそく ちりょうが はじまりました。せんせいの そばには、ウサギの かんごしさんが たっています。
「ふむ。まずは とけいを おいてみよう」
ライオンせんせいが、しょんたくんの おなかに めざましどけいを おきました。
しょんたくんが めを まるくしていると……。
ジリリリリリリ……
とけいが なりました。
「おーい、しょんたくんの おなかー。もう なおる じかんだよー」
ライオンせんせいが、しょんたくんの おなかに こえを かけましたが――。
おなかは なおりませんでした。
「うーむ。それなら でんわを してみよう」
ライオンせんせいが、しょんたくんの おなかに でんわを おきました。
しょんたくんが、さらに めを まるくしていると……。
「もしもし。しょんたくんの おなかですか? タヌキくんが いたがっているので もう なおってもらえませんか? ……あれ?」
プー、プー、プー。
でんわが きれて、しょんたくんの おなかは またまた なおりませんでした。
しょんたくんは、どんどん ふあんに なってきました。
ライオンせんせいは、うでぐみをして かんがえこんでいます。
「せんせい、おてがみを かいたら どうでしょう」
ウサギの かんごしさんが いいました。
「てがみか……。 でも、わしは じが へただからなあ」
「こころを こめて かけば だいじょうぶですわ」
「うむ。そうだな。よし、かいてみるか」
ライオンせんせいは さっそく てがみを かきました。ウサギの かんごしさんが ハートマークや おはなのマークの かわいいシールを いっぱい はりました。
タヌキくんの おなかへ
はやく なおってください。
なおったら おいしい ごはんや おかしが
いっぱい たべられるように なるよ。
しょんたくんも まってるよ。
ライオンせんせいより
しんさつしつの すみっこに ちいさな ポストが あります。
しょんたくんが、めを まんまるの まんまるに していると、ライオンせんせいが ポストに てがみを いれました。
ほんとうに じが きたなかったので しょんたくんは しんぱいに なりましたが……。
「あれー? いたくないぞ!」
おなかは あっというまに なおりました。おどろきのあまり、しょんたくんは とびおきて しまいました。
「わーい。せんせい ありがとう!」
「うむ。たべすぎには ちゅういするんだぞ」
すっかり げんきになった しょんたくんは、ウキウキ ルンルン かえっていきましたとさ。
おしまい
読んでくれてありがとう。