決着
「これも能力を研究したいお偉いさん達が出来るだけ金をかけず、生徒が自主的にやってると言って世間から批判されないようにしつつ能力の研究をするための方法なんだとは思うんだが……まぁその辺りは許せるんだがなぁ」
目の前では筒ヶ峰高生がついに最後の1人になってしまっている。勝敗が着くのは時間の問題だしかし筒ヶ峰高生の執念なのだろう剣聖学園の生徒も1人倒れている。
「剣聖学園に金かけすぎだろ、剣聖学園のほうは大企業からも支援金と称した政府への賄賂まがいの資金があるってのに会得した校区に応じて学校予算が増えるお陰で校内設備も充実さらに差が開いてまた校区を獲られるの繰り返し。それでも校区をある程度守り続けている筒ヶ峰高に拍手を送りたいが現実ってそんなあまくないんだよな……その果てに剣聖学園が貴族院と呼ばれたり、筒ヶ峰高等学校が下民高等学校なんて陰で呼ばれるようになりだした。扱ってる分野と資金が違うだけで剣聖学園の生徒から差別される筒ヶ高の生徒の事もしっかり考えろよな。これにはお偉いさんに文句を言ってやりたいものだ……まぁいくらSS級の俺でもたかだか学生一人の意見では国の脳に活を入れてやることはできねぇしな。脳をぶっ殺すことは出来るがそれではどうにもならねぇ」
いくら経済を復活させたとは言えすでに地方の一般高校の授業を再開させた日本の財布はアホほど金のかかる両高に十分に分配出来るほど余裕はないそこで採用されたのが『決闘』である。『決闘』は学園都市内を20等分したエリア(生徒達は校区と読んでいる)を奪い合うものでこれで今学期の追加予算とそこの使用権をかけて代表を両高選び、闘う(校区戦と呼ばれている)
ルールは若干複雑で相手高の保有するエリアを指定相手もエリアを指定し両高の合意で一学期につき何度でも行うことが出来るが、1度争ったら最低でも1週間は校区戦をやることは出来ないようになっている。
そして学期初めの校区戦は、追加予算を決める最も重要な校区戦になっている。
エリアは毎年同じ数に戻されるわけではないので前回から保有エリアの多い剣聖学園は断然有利に校区戦を進めることができる。
闘う生徒は実弾、真剣を使うため怪我の防止、死亡しないために体全体を肌から約1㎜上の場所にヅァヴァーで作られた防御結界を構築し、勝敗条件は相手の防御結界の崩壊、気絶、降参の三つで、このいずれかを満たせばその時点で勝利となり闘う場所は挑まれた側が指定することが出来る。
今回は剣聖学園が挑んできたので、筒ヶ峰高が場所を決めたのだが
「これなんだよなぁ」
特筆すべき点としては最初の場所こそ決められるものの学園都市内なら戦闘中何処に行って闘っても良いことと特に時間制限がかけれていないことだ。
ちなみに歴代、最高戦闘時間は丸3日だった。その時は筒ヶ峰高が粘りに粘って辛勝して剣聖学園から半数のエリアを奪還する快挙をあげた。
「おっ決着が着いたな、筒ヶ峰がやっぱり負けたか、だが今回の剣聖学園の被害はなかなか、戦闘不可が2人、残った1人も相当キツそうだ。前回は惨敗だったことを考えると善戦してるどころか大戦果だ、今度の校区戦はどっちが勝つか分からないな。だがこれもまた金の暴力でおじゃんになるのかもしれないが」