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『決闘』

国立筒ヶ峰高等学校


4年制、全校生徒120人、人工島に建てられていることとあと1つを除いてごく一般的な何の変哲もない高校である。


始業式後、生徒は思い思いの場所で昼休みを楽しんでいた。今日は授業はなく昼休みが終わり次第帰れることになっているため気分は放課後と変わりない。


俺も体育館から何処か静かな場所を探しそこでグダグダ時間をつぶそうと歩き出したとき


「剣聖学園が『決闘』を申し出たぞー!」


何処からかそんな声がした瞬間周りの生徒が固まった。その直後


「「おっしゃー!今回こそ剣聖学園に、目にものを言わせてやるぞー!」」


地を震わせる雄叫びが響いた。


「まさか転校初日に仕掛けてきたか、あっちも始業式だろ、態勢も整っていないはずなのに『決闘』か……つくづく運が悪い」


そう言いながら当初の予定を変更して用心のために、カバンをとりに教室に戻ることにしたのだった。


□ □ □


10分後、筒ヶ峰高のグラウンドに3人の男子筒ヶ峰高生が集まった。


各々アサルトライフルやらハンドガンを手に持っている。


それと相対して並んでいるのは筒ヶ峰高の制服と同じデザインの制服を着た生徒達。しかしこちらは筒ヶ峰高とは違い制服の色は白。剣聖学園、俺が前にいた学校で筒ヶ峰高のライバル校である。剣聖学園は男子2人と女子が1人の構成だ


こちらは、バスターソードやレイピアを持っている。


「今回が『決闘』でよかった。もし総力戦とかになっていたら、強制で俺も参加しないといけなかった」


教室からカバンを取ってきた俺は全体がよく見えるようにグラウンドを見下ろせる位置にある木の幹に寄りかかりながら俺はその様子を見ていた


「さっきまであれだけ息を巻いていたくせに俺ぐらい近くにいるやつはなしか。」


ほとんどの人は校舎から数人が俺より約6m後ろにいる。


「まぁどっちでもいいしむしろ視界に入らないだけましか。さてどっちが勝つのか、まぁ結果はなんとなく想像出来るけど」


戦闘は突然始まった。


剣聖学園の男子生徒の1人が、真っ直ぐに相手側に得物を構えながら突進する。


対する筒ヶ峰側は、1人を残して左右に散開、残った1人は大きく後ろに跳んだ。


そして後ろに跳んだ筒ヶ峰高生は、遠目から見てもわかる程の巨大な氷の塊を作り出し突進してくる剣聖学園生に放った。


「あの生徒、なかなか強いな。だけどこの程度じゃ剣聖学園には通用しない」


しかし剣聖学園生は、身を沈めると飛んでくる氷の塊を全て切り捨てながら1本の矢のごとく一気に筒ヶ峰高生の懐に飛び込み胴を一閃した。


「ああ、あれは決まったな」


胴に直撃を食らった筒ヶ峰高生は、2メートルも吹き飛びその場に倒れて動かなくなった。


その様子を余裕の表情で見ていた剣聖学園の生徒2人も、各々何かしらのアクションをとり、剣聖学園生は本来ありえない速度で駆け回り、隙を見て筒ヶ峰高生に襲いかかる、筒ヶ峰高生は無数の小さな火球で応戦する。


普通に考えれば明かに非現実的な光景だが、ここではこれは当たり前の光景になっている。


「魔法と言うものが現実のものになるなんて、あのときまで誰が考えたものだか」


隕石によって新たに得た力それは『魔法』と呼ばれるものだっただが、その多くは今だ謎に包まれ現在分かっていることは、能力持ちの魂に刻み込まれるような出来事、イメージに由来すること、隕石が降ったときまでに成人を迎えている人は能力持ちには絶対にならないことだけ。


話は戻るが筒ヶ峰高、同じく剣聖学園の特殊なところはここである。つまりこの学校は能力持ちしかいない。ファンタジーぽく言えば『魔法学校』なのだ。

人工島も世間一般には学園都市と呼ばれいるがここの場合さらに前に一言付く。


『対立学園都市』と。


「とは言ってもその能力の強さは人によりまちまちなんだけどな。酷いものは指先に炎を灯すとかつむじ風を吹かせるとかのショボい能力だったりするし」


能力にはランクがつけられている。その判断基準は能力自体の純粋な強さや汎用性、その他細かい要素によって分類がなされ上からSS.S.A.B.Cの5つ


世界で片手で数えられるより少ないがA級より下の能力者では話にもならない圧倒的な能力を持つSS


その1つ下がS、A級能力者が100人集まって互角なぐらい。全世界で20人ほどがこれに該当する。


A級が大半を占めていてこれより下はあまり実用性がなかったりする能力者が分類される。


さっき秒殺された筒ヶ峰高生も実力的にはAの上の方に入る。本当はかなり強いのだが。


「これは剣聖学園に嵌められたな」


剣聖学園と筒ヶ峰高はどちらも同じ能力持ちだけが集まった高校ではあるが、それぞれ受け持っている能力者と扱う武器が違う。


前者は身体能力強化系の能力者だけを集めていて入るためにも高い基準を満たさなければいけない。そのため剣聖学園の生徒は最低でもA級の中の上と精鋭揃い。身体能力強化系なので剣やレイピア、盾などの近接戦を念頭に置いた得物を使う。


後者は身体能力強化系限定などはなく能力者ならその強さに関係なく入学できる。そのため全体的なランクの高さは剣聖学園に劣るがthe魔法な能力を使う人がメインでうまく使いこなせばランク上の不利を埋めれる可能性がある。


一応の傾向としては中距離から遠距離にかけて真価を発揮する魔法らしい能力を持つ人が多い。高校は得物は自由とは言われているが前述の理由から得物は銃火器を使う人がほとんど。


さっきの人も、もっと離れていて当てるのではなく逃げさせないように意識して戦えば勝てる可能性があった。

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