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魔法を喰らう獣 〜“名無し”と魔王のゆりかご〜  作者: 天乃 朔
第3章 さまよう獣

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27/73

幕間 ***

 彼はこの辺りでは珍しい異国的な雰囲気のある青年だった。

 艶やかな長い黒髪、切れ長の目に翡翠色の瞳。彼が微笑むと何とも言えない色気が漂う。

 当然のように村中の娘が夢中になった。

 年寄り達は“建国の若者”がこの村を訪れた時の様だと言う。実際に見たことがある訳じゃないのにね。

 娘たちは彼の関心を惹こうと着飾り、挙って贈り物をする。


 私を見て―――

 私を選んで―――

 私を―――

 私を―――

 私を―――


 でも、彼が選んだのは黄金の髪に青玉の瞳、女神の色を持つ―――私だった。

 彼は金の髪に指を絡め、睦言を囁く。

 私たちはくすくすと笑い見つめ合う。

 彼の瞳に映る私が徐々に大きくなり、私は瞼を閉じて彼と唇を重ねる。

 唇が名残惜しく離れ、私は潤んだ瞳で彼を見上げる。


 スッ―――


 不意に何かが変わった。空気が重く冷たくなる。

 彼は意地悪くニヤッと嗤う。

 愛しげに見つめていた瞳には蔑みが浮かび、それまでの甘い雰囲気は霧散する。


「魔物を手懐けるにはこうするんだよ」


 何を言っているの?


「僕が魔物を相手にすると思った?馬鹿だな、魔物なんか相手にする訳がないじゃないか」


 違う、私は―――


 後退る私の髪を彼が一房摘む。その色は―――漆黒だった。


 黒。


 黒。


 黒。


 全テガ黒ク塗リ潰サレル―――


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