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神話そして転生

今回は少しばかり長めの話になりました。


神話を登場させました。

それのせいです。



天使は話し始めた


ーー昔々、それも何百年前ではなく世界ができる前、1人の神様がいました。

神は自分の力でこの世界を創造しました。

その世界には魔物はまだ一匹もいなくて、人間達は平和に暮らしていました。

もちろんケンカぐらいはしていましたが、それはちっちゃな物で笑顔が常に絶えなかったそうです。


そんな中、1人の悪魔が生まれたのです。その悪魔は言わばもう一人の神、破壊神です。


その悪魔は世界を破壊し、生きとし生けるものを殺して行きました。


神様はこれに強く怒り、悪魔を倒そうとしますが

神の力は創造する事です。破壊を得意とした悪魔には敵いませんでした。


悪魔はついには創造の力を手にし、他の悪魔や魔物を生み出したのです。


そうして悪魔は魔王と言われるようになりました。


神様はせめてもの抵抗でこの世界の(ことわり)つまり法則になったのです。

それまでの法則は物を離せば落ちるなどの自然法則とだけでしたが、レベルやスキル、そして魔法などの法則を生み出したのです。

そしてその狙いは


無限の破壊の力を持つ、魔王の力を制限し

人間にも魔王を倒す力を与える為でした。


魔王も理には逆らえません。レベルによって逆に力を発揮できなくなったのです。


神様は理になる前に、天使と魔物を生み出しました。

天使は自分のいなくなった後を任せる為。

魔物は人間の試練の為です。


神は(ことわり)になって力尽きました。

その理によって

レベルやスキル、魔法そして才能ある者に勇者の称号を与え、冒険者や勇者が死んでも同じ体、同じ記憶で

寿命尽きるまで戦えるようにしたのです。ーーー


ーー俺はもの凄い歴史を聞きすこしの間、なにを言っていいかわからなかった。

なんとか反応しようとするが


「へぇそうなんだ」


などという、ありふれたものだった。しかしそれはわかりきっていることだ。天使の顔は至って真面目で、嘘をついているなどとは思えなかった。

これで嘘なら俺は人間不信、いや天使不信になるだろう。

まぁさんざん、めんどくさいを言いかけていて俺を何も言わずにそのまま転生させたりしたが…


「もちろん本当です。そしてあなたの質問に関わる重要なところは、神様も魔物を生み出したという所です。」


たしかにそんなことを言っていた。

しかしなぜなのかがよくわからない。


「そうですよね、わかりませんよね」


「ん?俺は何も言ってないぞ?なんで俺の考えたことを…」


もしや、この天使は心を読めるのでは?

つまり俺が前に来た時の絶叫も全てきいていたのでは?

俺は天使に問いかける


「お前、俺の心の中をよめ…」


「はい、違いますよー、では話を続けますねー」


天使は俺の問いかけを遮った。

明らかに読めてるわコイツ…そう思ったが

とりあえず話を聞く。


「なぜ神様も魔物を作ったのか、魔王は人を襲わせたりする為ですが神様はなぜなのか?」


「なぜなんだ?」


「それは勇者達のレベルアップの為です。魔王のつくり出す魔物は強力でいきなり倒すことは勇者でもできないのです。そんな勇者達を強くする為に神様は魔物を段階的に強さを変えて作りだしたのです。」


「なるほど」


確かにいきなり強い魔物や魔王と戦うなんてできないな、

徐々に強くなっていって、最後に魔王を倒さないといけない。しかしそれが俺の転生しても記憶がある理由にはなっていない。

天使はそんな俺を見てニヤリと笑い言った。


「あなたが転生しても記憶のある理由はですね、

神様が勇者達を強くする為に生み出した魔物の内に

スライムがいるからです」


まだよくわからない、なぜ神様がスライムを作りだすと俺が記憶を持って転生する事になるのか。

それとコイツやっぱり心の中読んでんな


しかしよく考えると残酷だ。スライムは勇者に殺される為に存在するということか、俺の運命は最初から決まっていたのか…

魔王を倒す為とは言え、そんなことは正しいのだろうか?


「そうですよねー、残酷ですよねー。そうそれが神様が心配していた事です。なのでせめて、意識があるスライムは転生しても記憶があるように、そしていくつかの魔物に、

功績に合わせて生まれ変われるようにしたのです。」


「まず、ナチュラルに心を読むのはやめろ!」


俺は突っ込む。

しかし、そうか、それで俺やスラりんにも記憶があったのか。スラりんは次はコボルトに生まれ変わるらしいし、

生まれた時はまだ意識がないのは、

会話しようとしたスライムがいい例だな。

功績というのはスラりんは半年間生き延びる事だったのだろう。


「ちなみに俺は何になれんの?」


俺もコボルトとかになりたい!そう思っての質問だった。

がしかし天使は


「ファイアスライムです」


えっ?またスライム?


「ファイアスライムです」


「絶対読んでるだろ!もう突っ込まずにはいられんわ‼︎」


はぁ、コイツはダメだ。諦めの境地に達したつもりだったがそれを越えてくる。

まさかこの展開を2人でする事になるとは…


「またスライム?」


俺はもう心を読まれたくないので、全部口に出すことにする。


「そうです。冒険者を倒した事が功績として認められました。」


「へぇーそんな事も功績になるんだ」


「そうですね、これはスライムにとっては初の快挙です。」


まさかの初だった。


「初なの?スライム一度も冒険者とか倒した事がないの?」


「はい、そうです。ウォータスライムとしては初です。あまりの快挙なので、ステータスに「冒険者殺しのスライム」という称号が与えられてます。」


「なにそれ、なんか怖そうなスライムじゃん」


「称号は攻撃力をあげたり、と良い効果をもたらします。ちなみに「勇者」も称号ですよ。」


「ふーん、で「冒険者殺しのスライム」の効果は?」


「クリティカルアタック率上昇と、クリティカルアタックダメージ上昇です」


普通に凄いな…

そう思ったが俺はクリティカルアタックになにか覚えがある。そうだ!俺、男の急所狙いまくったなそういえば。

そう聞くとこの称号は

男の急所に攻撃が当たり易くなってそのダメージが大きくなるという効果だと言い換えられる。

なんか一気に悲しい効果だ。


「さてそろそろ転生しますか?」


天使が聞いてくる。


「ファイアスライムに?」


「もちろんです。」


「でもスライムだろ?」


「火魔法使えますよ?」


「よしっ、転生するか」


俺は火魔法という魅力的な魔法に惹かれて即決した。

しかし俺は気になっている事がある。


「ファイアスライムってどこに生まれるんだ?」


「あの平原より向こうにある森ですよ」


森か、それはかなり遠いな。俺も近くまで行った事はあるがなぜか入ってはいけない気がして入らなかったのだ。


この森はあの俺のいた草はらよりも圧倒的に強い魔物がいる。冒険者達の次のステップだ。


しかしそんな所に生まれてはスラりんに会うのが遅くなってしまうな


俺はなんとかならないかと天使にお願いする。


「うーん、そうですか、草原で生まれたいと?難しいですねー、神様の意思は段階的に強くなるステージなので強い魔物が生まれるとそれが乱されるんですよねー。

まぁ、強い魔物が出ても対応できる力も勇者には必要なのでなんとかしてみますか。」


たまにはこの天使も良い事をするんだなぁー

俺はそう思った。


「そんな事言うとやってあげませんよ!」


「言ってないわ!考えたけどそれを読むな!」


俺は少し上がった天使の評価をまた下げた。


「冗談ですよ、天使ジョークですって。少し濃い魔素が必要なので少し時間が空きますけどいいですかね、まぁいいか」


いや時間あくってなに?なに勝手に納得しちゃってんの?


もう心を読まれるので心の中で言った。


すると俺は再び進み始め、だんだん下へと降りて行く。


「いやまてや!今心の中で聞いたやろ!」


なんか怒りでへんな方言がでた。


「ん?私心の中が読めるなんて一度も言ってないですよ?

心の中で聞いたやろなんて言われても答えられるわけないじゃないですか。」


くっ、とぼけやがって


「くっそ、おぼえてろぉぉーーー」


俺ははじめて来た時のように、絶叫した。

しかし聞こえているはずだが

天使はまた無視したようだ。


そうして俺は二回目の転生をする。



悪魔が破壊神で破壊神が魔王でとなんか色々大変なことになっています。

神様も魔物を勇者の為に作りました。

そのうちの一つがスライムなのです。



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