スライムは冒険者を倒せるか
このスライムの名前はスーラです。
一応念のため言っときます。
俺は草を食べていた。
なぜかだって?
なぜだろう?俺にもわからん。
まぁ木に登るのは安全だと思っていたが、
絶対とは言えないと思い知らされたので
今日は地面の上で生活しようかなーっと
そんな訳で俺は生えている草をむしゃむしゃ
いや歯がないのでクチャベチャと
体内に取り込んでじゅぅっわっと消化していたのだ。
ん?理由になってない?まぁちゃんと説明すると…
地面で過ごすには勇者に遭遇しないか周りに気を配ってずっと起きてないといけないのだ。
スライム普通寝なくて良いから寝ない事自体はそこまで苦痛ではないが寝ずにいると一つ、ある問題がある。
すっごい暇になる。
そんな時、人は、いやスライムは草を見たらどうなると思う?
こうなるんだ。
食べると言うからには食レポとやらを
しなければならないな、
うーむ、クチャベチャクチャベチャ
どうだろうこれは、
クチャクチャ、ベチャベチャ
ウーーーム
わっかんねーわ
スライムの味覚ではこれが美味しいのかわからないのだ。
ちなみにスライムでも味は感じるよ?
でも美味しいかがさっぱりわからん
人間で言うと、水みたいなものか
…いやでも喉が渇いた時の水は美味いと言うしな
基本的に生物は身体に必要な物だからこそ美味しく感じるのだ。
スライムは魔素さえあれば良いからな
草は不要な訳だから美味くはないし、
身体に害のあるものでもないので不味くもない
なんだか、心底人間が羨ましい
〜レベルアップしました。レベル1に上がりました。
スキル 「食事」を手に入れました。
ん?なんだかわからないがレベルアップしたらしい。
スキル?食事?よくわからないが何かが出来るようになったようだな。
んんっ?レベル1⁇という事は今までレベル0だったのか?いや、そんな事は無いだろう。きっと何かの間違いだ……。
まぁ良い、レベルアップしたんだ。
草を食べるのも無意味ではなかったようだ。
はーはっはっはっ!
そんな事を考えていたからか、俺はすぐ後ろに迫る影に気付けなかった。
俺はその影を見てバッと後ろを見る
若い少年だ。しかも、あのくしゃみしてた奴だ。
……とりあえず逃げねばならん。
とポヨンポヨン弾んで走ろうとすると、
「あっ…ま、待って!逃げるな〜お、おりゃー」
と剣を振りかぶる
くっやっぱり逃げられないか
俺は覚悟を決めてまた特攻しようとする
少年は剣を振り下ろそうと
右足を前に出す……が
グリッどてっ
「痛っ〜」
足を捻って転んだ
……俺は一瞬、戸惑った。
どうしよう、逃げても良いが
怪我の具合がわからないので逃げても追いかけられる可能性がある。
それに、転んでいる今なら倒せるかもしれないと思った。
倒せるかもしれない…
そう思った俺は覚悟を決める。
転んだ少年冒険者に向かって行く
少年は俺が近付いて来たことに気づいてヨロヨロと立ちあがる。剣をなんとか握りしめ、振り上げようとするが
そうはさせない
俺はくしゃみ少年に突撃した。
少年は悶絶してまた倒れる。
スライムの身体ではダメージはないかもしれないが
俺が狙ったのはあそこだ。
つまり男の急所。俺にはついてないが。
あまりに悶絶する少年を見て俺は心を痛めたが
殺やらねば殺やられるのだ。
仕方あるまい。それに復活するし。
俺は容赦せずに少年に飛びかかる。
「や、やめろ!もがもがっ!」
スライムの身体で俺は少年の顔を覆った。
スライムの俺では普通ではダメージを与えられないが
窒息させることはできる。
「もがもがっ!もがっ!……」
必死に俺を引き剥がそうとするが。
遂に少年は動かなくなった。
ごめんよ、くしゃみ少年よトラウマを与えたかもしれない
〜レベルアップしました。
レベルが8に上がりました。スキル「念話」を獲得しました。
スキル「水魔法」を獲得しました。
少年の身体は光の粒子となって消え、それは一部
俺のスライムの身体に吸い込まれる。
そして、レベルが上がったようだ。
少し罪悪感があるが、仕方ない
念の為教会へ見に行こう。
何かスキルが使えるようになったようだ。
念話と言っていた。もしや…これはまさか!
話せるのではないか?スライム同士で。
それに水魔法とな?
遂にスライムの俺は攻撃手段を得たのかもしれない
今回は転んでいたから窒息させることができたのだ。
俺はもうできることなら死にたくない。
俺は魔法を使ってみることにした。
ちなみにスキル睡眠は
彼が木の上で初めて寝た時に獲得しました。
しかし寝てたので天の声には気づかなかったようです。
ステータス
名前 スーラ 種族スライム
レベル8
生命力8
攻撃力6
防御力8
敏捷 8
魔力10
スキル
睡眠:寝る事ができる。
食事:食べる事ができる。
水魔法:水を発生させる。
念話:魔素の波で会話する。音は介在しない。
スキルも結構増えてきました。
本人は知らない事ですが、
水魔法は、水を発生させるだけの魔法です。
結構重要なもので
これが無いと全ての水魔法は使えません。
水魔法を使う資格みたいなものです。