親友がコボルト達の王になってました
前書きに何を書こうかいつも悩みます。
結局は
これまで読んで下さりありがとうございます!
という事に限ります。
「スラりん?」
「スーラ!会えて嬉しいよ!」
こうして再会した俺達。
俺はスラりんに近付こうとすると
「「「「「ガルルル」」」」」
5匹から一斉に唸られてしまった。
「みんなやめて。」
「グルルル、イイノデスカ?」
喋れたんだ…俺はスラりんの横にいるコボルトの1匹が喋るのをみてそう思った。
「良いんだ、この人は、いやこのスライムは僕の親友だよ。」
「ワカリマシタ、オウヨ」
そう言った途端コボルト達は唸るのをやめた。
「おお…凄いな、どうしたんだ?」
素直にスラりんの言う事を聞くコボルトに驚きながらも聞く。
コボルトは普通群れないものだ。群れても2〜3匹、しかしこのコボルト達は最低でも6匹の群れになっている。
さらに驚くべきことにスラりんが群れのボスの様だ。
しかも王と呼ばれている。
「うん、僕もびっくりなんだけどね、拠点があるから戻りながら話すよ」
「わかった」
拠点があるのか…かなり大きい群れなんだろうな
俺は歩き出そうとするとスラりんが
「乗って」
乗る?誰に?スラりんに?
俺の疑問にスラりんは行動で答えた。
スラりんは足を畳んでしゃがみ込み、俺に乗ってと促す。
俺は恐る恐るスラりんに乗ろうとする…するとコボルトが俺に向かって唸る。
「グルルルル…」
「グルそれやめてくれないかな?」
「ワカリマシタ………」
スラりんに怒られ、シュンとなって小さくなるグルと呼ばれたコボルト。クゥンと言うようすはとっても可愛い。
しかし俺がスラりんに乗るとジロッと見てくる。
ひぇぇ!やっぱ怖い!
ボスに乗る俺は彼らからしたら物凄い無礼者なのだろう。
「じゃあスーラ、みんな、行くよ!」
「「「「「ガウっ」」」」」
スラりんの掛け声で一斉に走り出すコボルトの群れ、先頭は俺の乗るスラりんだ。
乗り心地も最高で、もふもふしてる。更にヒャッホーと叫びたくなる様なスピード感。スリル満点で地面が飛ぶように後ろへと流れていく。風圧は変形でうまく受け流しているので俺が飛ぶことは無いと思う、そう信じたいので俺はスラりんにしがみつく。
相変わらずコボルトがギロッと睨み付けてくるが
唸り声を上げる事はなかったので無視する。
ヒャッホー!めっちゃこえぇー!
俺がしばしの間スラりんに乗ることを楽しんでいると…
「それでね…なんでこうなったかと言うとね……」
俺の下から声が聞こえてくる。スラりんが話し出したのだ。そうだった、拠点に向かいながら今までのことを話すのだった。すっかり忘れてた。
「うん、どうしてこんなにコボルトがスラりんの命令を聞いているんだ?」
「それはね…」
スラりんがこれまで起こった事を話す。
ーーー俺と別れた後
スーラは一晩なんとか生き延びたらしい。
その後俺を探しに林に探しに行ったが
俺はもちろん居なかった。
俺が命をかけて自分を助けてくれた事に気付いたスラりん。転生したら此処に来るだろうと思ってそこで待っていたがまたもや金髪美少女勇者が現れスラりんを一突き。
スラりんも転生したようだ。スラりんは半年間生き延びたのでコボルトに転生した。
まだスラりんはスライムだろうと思っていた俺はスライムばっかりに話しかけてしまった。見つからない訳だ。
スラりんはコボルトに転生後、かなり彷徨ったらしい。
その途中に冒険者に襲われるコボルト達二匹を発見。
体が勝手に動いて冒険者に飛びかかり二匹をなんとか助けたらしい。
不意を突かれた勇者は転んだのでその首元をガブリ!…
その話を聞いて俺がゾッとしたのは言うまでもない。
無我夢中だったとは言えスラりんこえぇー!
それはさておき
勇者は光の粒になって消えてスラりんはレベルアップ。
スキル「念話」を手に入れた。
コボルト達に話しかけるとそのコボルト達はかなり感謝していて自分達の王になって欲しいと言われたようだ。
最初は断るもスラりんは押しに弱く、引き受ける事になったと
その後もコボルト達を助けている内に群れはどんどん拡大。気が付けば数百の群れになっていたらしい。
スラりんは集まったコボルト達を守るため拠点と作って
二人一組、いや二匹一組で見回りをするように命じて、異常があればスラりんが駆けつける事になったようだ。
それから数日…
此処ら辺にはいるはずがない赤いスライムがいるとの報告を受ける。そこへ向かうと俺がいて俺が
「お、俺は悪いスライムじゃないよ」の一言でスラりんは俺だと気付いたらしい。
そして現在に至る。
「へぇ、大変だったんだな」
「そうだよ、大変だったんだよ。最初はリーダーだったはずなのにいつのまにか、ワガオウヨとか言い始めて…」
「…どんまい?」
しょんぼりとしているすっかりスライムの面影がないカッコいいコボルトになったスラりんをとりあえずそう励ましておく。
そんなこんな話している間に
拠点へとついたらしい。
そこは小さな丘だった。
木が丘の麓に生え、丘の中腹に洞窟がある。
丘のてっぺんには一本だけ木が生えている。
日当たりも良さそうで昼寝に丁度良さそうだ。
「ここが僕達の拠点だよ」
「へぇー」
俺達はスラりんに乗りつつ麓の林を抜けていく。
林の中には二匹のコボルトが何組か見回っている。
スラりんの統率力はかなりの物らしい。これで丘の侵入者を見張っているのだろう。
丘の中腹まで来る。
洞窟があるので寄って行く。
中々清潔で藁が敷いてある。たしかに魔物だから排泄は必要無いので汚れる事はないのだろう。
「ここで雨風を凌ぐんだよ」
スラりんがそう教えてくれた。
そして丘のてっぺんについた。
「うぉ、凄いな」
俺は感嘆する。
かなり遠くまで見える。
あっ、あれは師匠と登った木だ。
あっちには川が流れている。細いながらも何処までも流れているのがわかる。
そして向こうには木造の塊がある。
村だ、いや町だな
前は中まで入れなかったのでよくわからなかったがかなりの規模だ。
「凄い景色でしょ?」
スラりんが誇らしげにきいてくる。
「ああ」
俺は素直にそう答えた。俺は二人で見た夕陽を思い出す。
あれと同じくらい綺麗だ。
世界は広いな、そう思わせるような景色だ。
いかにスライムが小さいかがわかる。
涼しい風が吹く。
その風でボーッとしていた事に気付かされた。
俺はスラりんを見る。
スラりんはついてきていたコボルトにもう行っていいよ?と促す。コボルト達は悲しそうにしながらも、そして俺を睨みつつ、仕事へ戻っていった。
スラりんの人気は凄いな。
俺はそう思ったのだった。
誤字脱字があればご報告お願いします。
正直正しい日本語ってなに?とかおもってます。
初心者なんでそこはご了承下さい!
面白いとおもったらブックマーク、そしてポイント評価をお願いします。
そうすれば更新速度が上がるかもしれません!




