スライム死す…そして転生…
主人公の名前はスーラです!
できれば覚えて下さい…
俺はどうやら死んだようだ。
俺の亡骸が下の方に見える。つまり俺は幽霊の様に、いやまさにそうなのか宙に浮いているのだ。
金髪美少女勇者にどうやら魔核を突かれたらしい
魔核とは魔物の心臓みたいな物で魔素のエネルギーを送りだし、調節をしたりしている。
魔石とか言われたりするらしい。
俺はどんどん昇っていきながらあの憎っくき勇者を見る
可愛さに騙された、クッソぉー
にしても綺麗な太刀筋だった。まっすぐに伸びて俺のそんなに大きくない魔核を突くレイピア。
くしゃみ君とは大違いだ。
あの勇者はこれからもっと強くなるのだろう。
そういえば死ぬ最中、とてつもない痛みに襲われた。普通スライムに痛覚は無かったはずだ。
しかし死ぬ際はとても痛いみたいだな、初めて知った。いや初めて死んだからなんだけど…あの痛みは死の痛みとかいえばいいのだろうか?
俺はフッと下を見下げる。
俺の亡骸は光の粒になり、消えていくのが見える
一部はあの美少女勇者に吸い込まれるのが見えた。
あれで、レベルアップとやらをするのかもしれない
はぁー、俺を殺したのだ
もうこの勇者には頑張ってもらうしかないかな。
そんな考えが頭をよぎる
頑張れよ、勇者
俺は心の中でそう呟いた
ーーーあれから俺はずっと天へと昇り続け
真っ白な空間へと移動した
途中ゲートみたいなものがあってそれに入ったら
この霧のかかったような純白の空間に繋がっていたのだ。
俺はずっと移動している、自分の意思ではなく
何かに引き寄せられている感覚だ。
まぁまぁ時間が経ったように感じる。
その間俺はずーっとふわふわ漂い進み続ける。
雲の中はこんな感じなのかなー
そう思いながら進んでいると…
ん?あれはなんだ?
もやがかかった霧の奥に人影が見える。
俺はそれをじっと見る。俺の意思に関係なく俺はだんだんそれに近づいて行く
近づくにつれて姿がはっきりとしてくる。
天使だ!
羽と輪っかが付いている。
さらに近くと顔が見えてくる
青髪の美少女だった。勇者も美少女だったが、勇者は美形で
この天使は可愛い感じの美少女だ。
その天使はこちらに気づき、
にっこりと微笑んだ。
俺はその間も止まらず進む。
遂に天使の前へ来た
そして…
通り過ぎた
…………はっ?
通り過ぎた
…………いや、2回も言わんくていいわ!
あまりの出来事に自分でボケて自分で突っ込んでしまった。
俺はここでこの移動は止まるものと思っていたのだが…その天使はもうすっかり後方にいる
いや、待って何か無いの?「にこっ」じゃねーよ!
ちょ待てよー!
やばいほんと通り過ぎている。
もう天使は見えなくなった。
俺の移動は止まらない
そしてだんだん下へと降りはじめた。
えええぇぇぇーーーーーーーー!
俺の絶叫は天使にも聴こえなかったようだ。
俺は今、地面にいる。地に足ついとる…足ないけど
俺の体を見る。
スライムだ。
念の為360度から確認したいが結果は分かりきっている。
これが、転生とかいうやつなのだろうか?
また俺はスライム人生を送ることになったのか、
そう思うと泣けてくる……
うぅ……
もう一人にしてくれ!
いや一人だったわ!このヤロー‼︎
もっとなんかなかったのかよ!せめて、説明とかしてくれよー!!
俺は天に向かって心の中で叫んだ。
次は転生するはずです