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勇者と冒険者

さて、少しずつではありますがスーラ目線では無い話

つまり勇者や冒険者目線の話を書いて行こうかと思います。中々至らないところが多いですがよろしくお願いします。

東に草原、西は山がある、木の柵に囲まれ結界に守られている村、いや町と言った方が正しいだろう。その町はほぼ全ての建物が木造で、一番高い建物でも二階しかない。その建物とは冒険者組合の建物である。いわゆるギルドと言われ、人々からの依頼を斡旋する場所だ。


この町には四月頃になると多くの15歳の少年少女が集まる。

彼等の目的は冒険者として旅をする為だ。

今年の春も例外なく大勢の若者が集まってくる。

その為この町は「はじまりの町」などと呼ばれている。

それはさておき

そのギルド内では…

依頼を受ける訳でもないのにギルド内にたむろしている少年が数人。


「おい、スライム以下、さっさと歩けよ」


ケラケラ笑いながら言う青髪のトゲトゲした少年。

彼の名はレックス-ガージオル

スーラが殺されたかけた勇者の少年だ。

周りが同調する。


「そうだぞスライム以下。お前なんかここには要らないんだよ!スライムにやられるようじゃ赤ん坊に手を捻られるんじゃないか?」


「ブハッ、ハハハハハ。赤ん坊だってスライムには殺されないぞ。」


誰かが吹き出してわらい、言った。

彼等の中では強い青髪の少年。言わばボスの様な存在だ。彼がそんな事を言えば、皆実際は思って無くてもその空気は周りに広がる。まだ暴力にはなってないものの立派なイジメである。

周りの関係の無い者達は、見て見ぬふりをする人物が多い。誰だって自分に矛先が向かうのは嫌だ。

普段ならばギルド内の職員が止めるのだが今日は仕事で席を外していた。

笑われ黙り込んでいる茶髪の少年はトーマ-キユニス。

スーラがくしゃみ君と呼ぶあの少年だ。

その少年も唯一度スライムに負けただけなのだが、それがどこからか広まったのか、青髪の少年に目を付けられ、その矛先が向かったのだ。


「やめなさい!」


女の子の凛とした声だ。

ケラケラとした笑い声は一瞬で消える。

扉を開け歩いてきたのは

黄金の如き髪に整った顔立ちの少女。

背はくしゃみ少年よりは高い方だろが青髪トゲトゲには負けている。

彼女の名はユリ-アルナルク

この町の町長の性はアルナルクだ。つまりユリは町長の娘なのである。町長の娘であり勇者でもある彼女の注意を無視する者この場にはいない。

ただ一人を除いては


「おう、ユリじゃねーか。相変わらずトーマと関わってるのか?そいつなんか無視して俺とパーティーを組もうぜ」


レックスだ。レックスはユリに呼びかけるが…


「トーマ、あんなの無視してさっさといきますよ」


ユリはトーマと呼ばれた少年を手を無理矢理手を取りギルドの外へと連れて行く。


「そんな弱っちいの何に役に立つんだよ。ほっとけよ」


ユリは振り返って言う。


「人の価値は強さだけではありません。私はあなたよりもトーマの方が人として上だと思っています。」


そう言って彼女達はギルドから出て行く。


「チッ!」


暫くその空間にレックスの舌打ちだけが響いた。

その無言の時間は

ギルド職員が帰ってくるまで続いた…


ーーー外に出た二人。


「なんで僕なんかに構うんですか?」


スーラとの戦いで一度は心が荒れたが、トーマはユリや他の心配してくれる冒険者達のおかげで心優しい自分を取り戻している。ユリがいない時は、レックスとその取り巻きがいなくなるとあんまり気にすんなよとコソッと言ってくれる冒険者が多くいる。その人達は表立って止めたりはできないがそれでもトーマを思ってくれる者達だ。


「いえ、ただアイツのやる事は間違いだと思っただけです。」


ユリが答える。


「でも…ユリさんが目を付けられるかもしれませんよ?」


トーマは心配そうに言う。止めてくれない冒険者達の気持ちはよく分かる。自分だって同じだからだ。せめてその人達に矛先が向かない様にと自分はただひたすら黙って聞いていたのだ。

ユリに矛先が向かうのはトーマは全く望んでいない。

この町出身の唯一の同年代で幼馴染で小さい頃から一緒に遊び、ユリは全くそんな事は考えた事が無いだろうが

トーマはユリにある種の憧れの様な

そんな想いを抱えているのだ。


「上等です。あの者には負ける気がしません。」


トーマの想いなどはつゆ知らずして、ユリは答える。

しかしそれは事実だ。このギルドには職員以外は全員15歳で15歳以上の者は先へと進んでいる。


「でも…」


でもトーマにとってはユリの安全が自分の安全よりも大事なのだ。


「良いのです!ただ私が勝手に貴方を助けようとしただけです。」


トーマの話を遮り答えるユリ


「わかりました…ありがとうこざいます。」


自分の気持ちにもやったした物を感じつつも感謝を伝えるトーマ。


「どういたしまして、あの者が居なくなってからギルドへ行くといいでしょう。今から私はゴブリン退治に行きます、それにコボルトの群れが多くなっているのでそれの調査を…ではまた会いましょう。」


そう言ってユリは門の外へと向かっていった。


トーマは好きな者に助けられる自分が不甲斐なかった。

同じ町、同じ時間を生きてきたのに彼女との距離はいつのまにか大きく開いた気がするのだ。


いつか、助けられる存在ではなく、助けてあげられる様になりたい。と少年は思っているがどこかで諦めている自分がいる。そんな自分が嫌いだと少年は思った。


「よしっ、行くぞ」


少年は自分の頰を両手で叩き気合いを入れる

せめて少しずつでも変わりたいと

今日も草原へと向かうのだった。



くしゃみ少年と金髪美少女勇者と青髪ツンツン少年を登場させました。

最初に言います。くしゃみ少年はとっても優しいです。

ただスライムを見ると若干性格が変わります。

名前は語呂で決める事が多いですね。

トーマとユリとレックスと名前が決まりました。

ちょくちょく名前を出していくので覚えてくれたら幸いです。


アルナルクのいう姓も語呂で決めたのですが

蟻歩くというメーカーがあるようです。

全く関係はないのでよろしくお願い致します。


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