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三度目の危機

今日みたらブックマークが2つになってました。

本当にありがとうございます!

これからも頑張っていくのでよろしくお願いします!

俺は木の上で目を覚ました。

空を見るとすっかり晴れて青々とした空が見える。

昨日まで雨が降っていたとは思えないほどの快晴だ。


俺は木を降りていき、まだ少し湿った草に足を付ける。

いや足ないけど…


さてと今日は火魔法を使ってみよー!


おー!


誰も返事が無いので一人で気合いを入れる。

とっても悲しい。スラりんならきっと「おー!」とか言ってくれるだろう。早く会いたいことこの上ない。


とりあえずまずは川へ行こう、もし火事になっても安心だし、スラりんがいるかもしれない。


俺はポヨンポヨンと川へと向かう。


ーー俺は川に着いた。


川を見ると水流の勢いが増している。川幅もほんの少し広がっている気がする。雨が降ったからだろう。

前にスラりんを発見した所を見てみるが、この流れでは流石に入っていないようだ。

俺は残念だと思ったが、くよくよしててもしょうがない

根気よく探せば必ず会えるはずだ。

そう信じよう。


気を取り直して火魔法だ!


はっ!


安全の為に川に向かって放つ。


赤色のほんのり輝く魔法陣が出る。

そこから小さい火の玉がボォッと飛び出る。

そしてそれは川の水を少しジュウッと蒸発させて消えた。


うおぉー!

俺は歓喜で飛び跳ねる。火だ!火が出た!!

あまり大きくないけど十分だ。

正直めっちゃ嬉しい。この喜びを共有できないのが残念だ。一刻も早くスラりんに会わなければ。


俺は川の近くにある一本の木にも放ってみる。


また赤く光る幾何学模様の円が現れ、そこから小さい火の玉がでる。

そしてそれは木に当たり炎は散り散りになって消える。

木は昨日の雨のせいもあるのか湿っていて焦げる事は無かった。

そこまでの火力は無いらしい。

これならばあまり火事を気にせずに使えるだろう。

だが乾いた草には放たないようにしないと、火が燃え広がれば下手したら自分までまる焦げになってしまう。

焦げたスライム…

とりあえず美味しそうではないのは確かだ。


さて今度はスラりん探しだ。

俺は最後に殺されたあの林に行く。

林を探しまわるがスラりんは居ない。

探しているうちに小さい林から出てしまう。

ここには居ないか…


俺は草原を駆け回って全てのウォータスライムに念話で話しかけていくが、

ほぼ全てのスライムは応答が無かった。

自我を持っているスライムはかなり少ないのだろう。


そう考えるとたった二回で自我のあるスラりんに会えたのは奇跡的だったのかもしれない。


俺は川に戻ってきていた。


はぁー


ため息が出てしまう。口ないけど。

太陽も傾きが大きくなる。

もう少しでまだ青い空も赤くなるだろう。


そんな時後ろから

草を踏みしめるような音がする。


俺は振り返る

そこには幅の広い大剣を両手で持ち、腕を肩にのせ振りかぶっている青髪のトゲトゲした少年がいた。

おそらく勇者だろう。そんな感じがする。

もちろんくしゃみ君ではない。彼は栗色のサラサラヘアだ。

大剣が俺に迫る

俺は間一髪のところで大剣を躱した。

危なかった。

音に気付かなければ切られていただろう。

転生から一日二日で殺されるのは嫌すぎる。


「くっ気付かれたか…なんでこんな所にファイアスライムいるんだ?まぁいいか、所詮雑魚だ。」


なんだと〜?言いたい放題言いやがって


俺は早速火魔法で火の玉を出す。

火の玉が少年に向かって飛ぶが


「おっと、効かないな!」


大剣でガードされた。

俺は火魔法を止められて動揺する。

これを止められては倒すことはできない。

急所に頭突きするにも何かしら隙を作らないといけないからだ。

火魔法もダメならもちろん水魔法もダメだろう。

転んでくれる訳は無いし、

偶然大剣は避けられたが、横振りだったら死んでいたかもしれない、いや間違いなく死んでいただろう。



青髪の少年は大剣を大きく縦に振りかぶりふんっと小さく声を出して俺に振り下ろす。


ザクッ


俺の赤い体の端っこが光となって消失する。

その部分から光が少しずつだが漏れでていく。魔素が抜けているのかもしれない。

痛みはないが少しずつだが死に近づいていく感覚に血の気が引く。


しかし考える暇を与えず少年は腰を下ろして大剣を横に構える。横振りだ。


溜めた力が解放され大きな幅広の剣が俺に迫る。


俺は後ろに跳ぶがまた少し体をかすめる。跳ねた俺の体が地面に着地する…と思いきや、俺に聞こえてきたのはずるっと言う音。


あっ…あ〜れぇ〜〜!


俺は川に流された。川の存在をすっかり忘れていた。草も雨で濡れて滑り安かったし、

川幅が広くなっていたのも理由の一つだろう。


俺は昨日の雨で勢いの増した流れに乗って

どんどんと流され、青髪ツンツン少年から離れていく。


「ま、まてっ!」


少年は追いかけて来たがとうとう諦めて膝に手を置いている。


俺はスライムの体からしては激流の川で必死にもがく。

恐ろしい水の抵抗を感じる。体が思うように動かず回転する。もはやどこが上なのかがわからない。


俺は少年が見えなくなってから岸になんとか辿り着き川から上がる。

はぁ、はぁ、やばい、死ぬかと思った。スキル「水泳」が無かったらどこまでも流れたかもしれない。

気のせいかもしれないが泳ぐのが上手くなった気がする。


なんとか危機は脱したようだ。

確かスラりんもこうして水泳スキルを手に入れてたな

そんな事を思い出す。

でも水泳スキルが無かったらこの流れはやばかっただろう。教えてくれたスラりんに感謝しないと。

最初水泳スキルってなに?とか思ってゴメンね。

水泳スキル君、君は優秀だよ。

スキルにも謝っておいた。


しかし結構流されたな

スラりん会えるのはまだ先になるかもしれない。


流されている間に辺りは真っ赤に染まっている。

俺は夕陽を見たが、

あんまり綺麗には感じなかった。


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