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俺はスライム!

タイトルをよく見て

別作品ではないか良く確認しましょう

略せば同じですが全く別のスライムです。

パクった訳ではないよ?

よく晴れた空に日光に当てられ若草色に輝く草原。涼やかな風と暖かい日差しが心地よい。

俺の鼻にも(いや無いけれども)その良い匂いを感じる

そして、そんな心地よい草原にたたずむ俺は


スライムだ。


どっからどう見てもスライムだ。360度全方位から見ても俺のプルンとした透き通った青い肌は隠しようがない。


名前は無いが、一応考えているのはスーラという名前だ

安直かもしれないがスライムという事しか特徴がないのだ。仕方あるまい、まぁ別にあってもなくても良いものだ。


俺は物心ついた頃からここに居る。

言葉は冒険者や勇者が話しているのを聞いて覚えたのだ。

俺は中々賢い方なのではないかと思う。

確かめる方法がないからわからないが……

知っての通り俺はスライム、俗に言う魔物だ。

魔物、それは魔素だまりなどから生まれた生物の事だ。魔素というのは魔法の源でもあるもので、エネルギーの小さな粒みたいな感じだ。

とここまでは通りすがりの冒険者情報だ。

二人組で話ているのを盗み聞きしたのだ。かなりスリリングな経験だった…

それはさておき何故か魔物は人間から嫌われ憎しまれている。

俺が別に何かした訳ではないぞ?俺がすっごい悪さをしたから魔物が恨まれるようになった訳ではない。

ただ魔物は人間から狩られる。それが事実だ。

ほら、今も耳を澄ませば あっちからは


「スライムだっ!()れ」


べちゃっ!ぐちゃっ!

こっちからは


「コボルト、ただの犬みたいだけどごめん!」


ザクっ


「キャイ〜ンっ!」


そしてむこうからは


「…ブワックション!風邪かな…?」


………………

お大事に?

取り敢えず、まぁそういう訳で

魔物は人間に狩られているのだ。

同じスライムが殺されても悲しいと思った事はない。

まず喋ったことがないからな。

ただ次は自分かもと思うと少し怖いものだ。

喋った事がないというのは、スライムにはもちろん口が無いからだ。同族と全く意思疎通が出来ない。

できるとすればジェスチャーぐらいだろう。

ギリお辞儀が出来ないでもない…スライムにシワがよるだけなのだが…

スライムは音も聞こえるし周りを見る事も出来る

原理は魔素とやらが関係するらしいが、詳しくは知らない。

一人、いや一匹ぼっちでいるこの状況を見れば明らかな事で声帯はバルバードの涙ほどない。

ちなみにバルバードとは鳥の魔物だ。羽が4本あるが非常に可愛い魔物である。


俺は気を取り直して近くの1本の木に向かう

そして、木の幹にペタッとくっつきつつずりずりと登る

スライムだから登れないとでも思ったか?

意外にもスライムは木登りが得意だ。俺にかかればあっという間に登れる。

木の太い幹よっこらせと腰かける(腰ないけど)

ん?あれは…

と俺が木の上から遠くを見つめる。

くしゃみしてた奴だ。

剣を必死に振り回している。

が太刀筋が(あら)く、ぶれぶれだ。

スライムにめっちゃ避けられてる。

俺でもわかるがあの少年はお世辞にも剣を振るのは上手とは言えない。

どうやら、ただの冒険者のようだ。

もちろん剣をふるのが下手だからではなく、

雰囲気だ。魔物にはなんとなくわかるらしい。

勇者には勇者の雰囲気があるのだ。オーラというかそんな物を感じる。

あの少年はもう疲れて座り込んでしまった。

スライムはその隙に逃げていった。

あの子は冒険者として大丈夫なのだろうか…

俺でも分かるが多分、魔物でスライムが最弱だと思う。あの柔らかボディではダメージなど与えられるはずもない。突撃しても殺され、逃げても足がそこまで速くないので追いつかれて殺される。

詰んでんじゃん……と嘆いても仕方ない。

スライムは戦闘に陥った時点で終わりなのだ。

そう考えるとあのスライムはかなり運が良いし、あのくしゃみ君はかなり冒険者として弱いのではないか。

そう思うと敵ではあるが心配だ。


本来、勇者や冒険者とは本当に恐ろしい物だ

俺達魔物殺すだけではないのだ。

奴らは死なない

いや復活するのだ。

教会という何やら怪しげな建物から。

勇者や冒険者は使命をまっとうするまで死なないらしい。

その情報は俺が人間の村の近くで聞いたのだ。

村にはなぜか入れなかった、見えない壁みたいなのがあるのだ。

結界というらしい、しかし教会は柵、見えない壁の近くにあったので俺は確かめる事ができた。

建物自体はそんなに大きくなく白い石造りで中からば子供達のはしゃぎ回る声も聞こえる。

その協会から次々と勇者や冒険者がでてくるのだ。

もちろん教会に奴らはずっといた訳ではなく復活して出てきたのだろう。


俺はそこまで考えて一旦思考を停止させた。ふぃー疲れた…まぁ木の上ならば大概安心なのだ。この5年間木の上に隠れることで生き延びてきたのだ。

目なんてないのだが、瞼が重い様な気がするので寝る事にしよう。あまりにも心地よい天気だ、ポカポカ陽気とはこういう事なんだろうなそうぼんやりと考えた。ふあぁ〜、口もないけど欠伸が出そうだ。

少しの間うつらうつらしていたが、俺の意識はすっと闇に包まれる。




ーーーヒューベチャっドテッ

スライムのスーラこと俺は衝撃で目を覚ました。

サッと目を開け(気分はそんな感じ)、

体制を整える(いやどんな体制でも同じだが)

一瞬の思考の内に俺は石をぶつけられ、木から落ちた事を理解した。


誰が?


と見上げると

金髪で少しキリッとした美少女がいた。

うわっめっちゃ綺麗

と思わず見惚れてしまうが、人間は敵だ。しかも間違いない


この娘は勇者だ。


「ごめんね落としちゃって。私は勇者だから魔物を見逃す訳にはいかないの」


やばい殺る気だ。

勇者は右手に持っていたレイピアをグッと引く。

俺は悪いスライムじゃないよ!

そう伝えたいが魔物は問答無用で殺されるだろう

伝えても意味がない。ならば戦うしかないのだろうが

さらに残念なことに俺は戦闘経験が全く無いのだ。

だって、戦ったらやられるんだもん。

俺は物心ついた頃から隠れて冒険者をやり過ごしてきた

それでこの五年間生きてきたのだ。

木に登るのも隠れようとした結果、身に付けたものだ。

これまで木登りさえすれば安全だと思っていたが

それは間違いだったようだ。

まさか石を投げつけ、落とすとは…

そもそも木の上にスライムがいると誰が思うんだよ!

とグチらたくなるがそんな暇はもちろんない。

逃げるか?いや追いつかれる。

攻撃?どうやって??

どうする…時間はもうない……ええい!


こうなったら突撃だ!


何もしないでやられる訳にはいかない!


そう思って俺は金髪美少女勇者に向かって行ったが

引き締められた腕がズバッと伸びて


俺を貫く


イテェッーーーーーー

という俺の叫びは勇者にはきこえない………


スーラのステータスを書きます

※本人は知りません


名前 スーラ

レベル0

攻撃力0

防御力2

敏捷 5

魔力 3

スキル

睡眠:寝る事ができる




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