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リバース・ジョーカー  作者: 遥華 彼方
第3章 赤夜の夢と天霊都市
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最悪の結末

 燃え盛る炎の中。

 醜い翼を生やした少女が絶叫する。

 血に染まった右腕を振り下ろし、眼下に立つ若き英雄、明星輝夜(あけほしかぐや)に赤き剣を振り下ろす。

 しかし、彼はその一撃を、手に持った剣を振るうことで粉砕する。

 その様子を、傷だらけで倒れていた鳴神璃空(なるかみりく)は、何もできず見つめていた。


 狂ったように攻撃を繰り出す少女。

 だが、その攻撃が一撃たりとも届くことはなかった。

 彼女の放つ憎悪、憤怒、絶望。ありとあらゆる激情を、正面を打ち砕いていく。

 その姿は、まさしく英雄と呼ばれるにふさわしい輝きだった。

 だが、璃空にとって、それは無慈悲な輝き。

 自分の無力さを、何も変わっていないことを思い知らされる非情な宣告。

 璃空は、唇を強く噛みながら、立ち上がる。

 たとえ、何もできなかったとしても、彼女の笑顔を守るという約束を守るために、こんなところで寝ている場合ではなかった。


 「──」


 痛みに顔を歪めながら立ち上がった璃空が見たものは、そんな決意を打ち砕く、非情な現実だった。

 荒れ狂う少女の心臓を、輝夜の剣が貫いていた。

 紅い翼は溶け、少女は血を吐き出し、膝をつく。


 「あ……ぁぁあ……てめええええ!!!!!」


 その瞬間、璃空は怒りに突き動かされ、異常な速度で駆け出した。

 能力の負担に耐え切れず、全身から血が噴き出し、筋繊維が千切れていくが、そんな痛みで、璃空の足は止まらなかった。

 それ以上の怒りが、璃空の身体を動かしていた。

 今までの戦いとは比べ物にならない速度で輝夜に迫り、乱暴に剣を振り下ろす。


 「──あ?」


 しかし、それが輝夜に届くことはなかった。

 振るった剣は空を切り、璃空の身体は地面に向かって倒れていく。

 その最中、璃空の目に映ったのは、置き去りにされる自分の下半身だった。

 地面に落ちた璃空の身体を、鮮血が赤く染めていく。


 「……本当に残念だわ、鳴神」


 薄れゆく意識の中。

 璃空の耳に聞こえたのは、悲しそうな篠宮沙織(ともだち)の声だった。

 それを最後に、璃空の意識は暗闇に沈んでいく。


お待たせしました!第三章、開幕です!!

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