表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とうとう魔王までゼロから始めることになった  作者: 神羅神楽
第一章 魔王城の奇天烈な精鋭たち
9/10

絶対に笑ってはいけないピクニック編~欲望の沼~

スターダストドラゴンどう考えても環境カードじゃないけどかっこいいから欲しい。

 翌朝10時。シュヴァルツ(おでん執事)がガイドとなってとうとうピクニックが始まった。

 ジャックはシュヴァルツお手製のお弁当にホクホクしているようだ。

 シュヴァルツはしおりを配って、

「えーアイジ様、私どものハイキングコースを紹介しますと。まず欲望の沼を通ります」

「ところがどっこいっ……! 夢ですっ……! 現実ではありませんっ……!」

「現実ですよ!」

 エヴァドニのすかさず入るツッコミ。

「それから、臥薪嘗胆がしんしょうたんの森を抜け、死者蘇生の丘を登れば何もありません。疲れるだけです。まぁご飯はおいしいでしょう」

 ツッコミどころがいろいろあり過ぎて夜しか眠れない。

 そういうわけで全員荷物に各々好きなものを詰めた。

 …………。

「エレミヤはなんでリュックの中に入ってんだ?」

「シュヴァルツに負ぶってもらうのです。あたくしは寝るのです」

「やーいこのハイブリッド女」

 普段から表情筋をほとんど使わない無表情のエレミヤは少しばかしどや顔っぽい顔をしてみせた。というかハイブリッドってどういう意味だっけ?




 魔王城の外に出るのはエヴァドニとの散歩以来だろう。

 つかよ。

「お前らはっきり言って馬鹿だろ。なんで全員普段着なんだよ。長ズボンとか穿いてる奴誰もいねーじゃねーか」

「え……そういうものなのですか?」

「そうだよ(便乗)。俺とシュヴァルツも長ズボンだがどう考えても山登りの服装ではないだろ」

「こまけぇこたぁいいんだよ」

「そうだね☆」

 ジャックのノリの良さに乗じたのは至極このハイキングがどうでもよくなってきたからである。


 で、シュヴァルツだけクソ重そうなんだけど、はい沼につきました。

 エヴァドニが説明する。

「いいですか。欲望の沼に金貨を投げてはいけません」

「投げましたごめんなさい」

「早ええよ!」

 あー!? うるせー!! そんなもんなー!! わかるかってんだチクショー!!

 すると紫色の沼からいくつもの手が出たかと思えば、何か顔のようなものが水面に移った。

「この世界で見る最初のポケモンじゃ」

「ちげーよ! 早く逃げましょうアイジ様!」

 すると沼の怪物は、

「お前らの欲しているものをなんでも与えよう……」

「マジ? じゃあスターダストドラゴン1000枚お願いします」

「デッキには3枚しか入れられないでしょうが!」

「馬鹿野郎転売だよ」

「知らねーよ!!」

 すると沼に白いシンクロカードのスターダストドラゴンがいくつも浮いて。

「若者よ。さぁ手を伸ばして取りに来い。遠慮はいらんぞ」

「んーでも酸化水銀も欲しいところだな」

「……は?」

 沼の顔が変な顔になった。

「知らねぇの? スターダストドラゴンは酸化水銀が好物なんだぜ(すっとぼけ)」

「え? マジ? わかった早く言ってよ。吾輩出すから……ってアッーーーーーー!!」

 当たり前だよバーカ。酸化水銀はれっきとした劇物です。取り扱いには注意しましょう。


 こうして欲望の沼を退治したんだが。

「エレミヤ」

「なに?」

「欲望の沼を退治したのにエヴァドニに怒られた。市民を守ったのに」

「…………」

「ねぇちょっと聞いてる?」

「あ、ごめん、ヘルシェイク矢野のこと考えてた」


 次回、臥薪嘗胆の森編! もしかしたら死者蘇生の丘まで行っちゃうかも!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ