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とうとう魔王までゼロから始めることになった  作者: 神羅神楽
第一章 魔王城の奇天烈な精鋭たち
3/10

ウサビッチシーズン1024「アルティメット食事の時間」

ボケ倒しました。疲れた。レッドブル50本飲んで死なないかどうか試そうと思ったけどやめました。1万円無駄だから。

 ぎっくり腰の手当をエヴァドニの治癒魔法でしてもらって(悪魔大元帥なのに聖魔法が使えるこの残念設定な小説をどういう方向性に以下略)、俺は食卓についた。

 静寂が10秒間流れた。

 皿をがっつく音が11秒後に聞こえてきた。

「エレミヤ様! まだ食事に手をつけないでください」

「もむもむ」

 新しい可能性に満ちたオノマトペ(壮大表現200%当社比)を立てながら、エレミヤと呼ばれた青い髪の死んだ目の女がふかしイモにがっついている。

 食卓に並べられているのは、山羊の肉(食べた後で何の肉分かった。匂いがきつい)のステーキ、ふかしイモ、サラダ、オニオンスープとパン。豪勢とは2光年ほど遠い。

「えー、改めましてこのやしきの配下を紹介いたします。まずこちらの青い髪の女性は預言者エレミヤ様です」

「預言者って聖職者だろ?」

「なにかがあって寝がえりました」

 雑やなー。今に始まったことじゃないけど。

「次、僕、僕!」

 僕? ああこのガキか。僕って言ってるから少年なんだろうが、三つ編みの髪と卯形の顔からして少女にも見えるが……。

「はいはい。ジャック様。こちらは億千万の戦争を戦い抜いた大魔女ジャック・オ・ランタン様です」

「なんで一人称が『僕』なんだ?」

「なにかがあってそう称しておられます」

 雑やなー(2回目)。今に始まったことじゃないけど(2回目)。

「そんでこっちの執事っぽいのは?」

「フーッハッハッハ! 魔王様、私めは全ての魑魅魍魎ちみもうりょうの最下層に位置する最悪にして最低にして最凶の執事シュヴァルツでございます! 特に取り柄はございません! 遠慮なく」

「このイケメンがこんなに残念な性格なのは?」

「なにかがあってこんな男が棲みつきました」

 雑(3)。今はじ(3)。

「それでそれで、お兄ちゃんは新しい魔王様なんでしょ!?」

 ジャックが目をきらめかせて身を乗り出す。

「うん魔王だよ。そろばん三級の」

「魔王様!!」

 うるさいなぁ俺の取り柄あと漢検準二級ぐらいしかないんだからしょうがないじゃないか。

「ねぇねぇ、お兄ちゃん今晩僕の部屋に来てお話しようよ!」

 んー。お兄ちゃんねぇ。戸籍謄本に兄妹として組み込まれちゃったかー。まぁいいんだけど。ロリ属性はこの小説を読んでいる努力することとか嫌いなヒキニおっとまた例のアから始まる連中の視線を感じるぞー。まぁとりあえず俺にロリ属性はない、と思う。

「それよりもなんか俺あの青い髪の女がすごい気になるんだけど」

「いけません!!」

 何が? さっきトイレにティッシュペーパー流したのが?

「違います!!」

 勝手に独白読んでんじゃねーよ。

「エレミヤ様は……その……」

「(^ω^)」

「台詞で遊ばないでください!」

「うるさいな。早く言えよ」

「……エレミヤ様はちょっといろいろ問題がありまして」

「あぐあぐ」

「問題があることなんてインドで0の概念が発見される前から分かってんだよこのベンダーマシーン」

「ベンダーマシーンって何ですか!?」

「自販機」

「分かりません!!」

「とにかくだ、なんかエレミヤって俺の好みに近いんだよね」

「直球で言いおったー!!」

 とうとうエヴァドニが敬語を捨てた。

「いけません、魔王が夜伽をしてよいのは悪魔大元帥であるこのわたくしめと決まっているのです!」

「ソースとってシュヴァルツ」

「もっと冷淡な口調でご命令ください!!」

「人の話を聞いているのですか!?」

「野暮だな。お前の口から『私は嫉妬してるんです!』って言わせる空気作ってんのによ」

「うぅ~~~~!!」

 顔を真赤にして涙目で縮こまるエヴァドニ。こいつイジるのホント飽きないな。

「アイジ」

 突然、エレ……あれ誰だっけ、エミリヤ?

「私エレミヤ」

 お前も独白読むなって……。確かにコイツは俺の好みなんだが何故か名前が印象に残らない。

「つーかなんでお前は俺の名前が分かるんだ? ジャックはお兄ちゃんとしか言ってないぞ」

「私の特技」

 それぞれフォークで料理をついばみながらなされるまともな会話。

「それは……エレミヤ様は預言者なのですから、アイジ様の名前くらいわかりますよ……」

「アイジ、話あるからあたくしの部屋に来るのです」

 日本語はおかしいがエキサイト翻訳で再翻訳しているほどひどくはなさそうだ。

 そんなわけで、その後エヴァドニとひと悶着あったが、今夜エレミヤという少女と談話することになったのであった……。


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