FOREVER TIME
それから一年ほどの交際を経た二人は、不倫の末でありながらも周囲の人たちに祝福されて結婚した。あおいが連れた二人の子供たちも葛城に懐き、特に碧は見れば見るほど彼によく似ている。
「おめでとう、あおい」
結婚式当日、この日の為の一時帰省していた大倉るりがウェディングドレス姿の友の幸せを喜ぶ。あおいにとっても無二の親友を人生最高の日に招待できた事が嬉しくて、ありがとうと幸福の涙をこぼした。
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結婚して数年、更に家族が増えた葛城家は賑やかで明るい家庭を築いており、二人目の夫となった葛城は仕事柄家事を手伝うのは難しくワンオペ状態は避けられなかった。しかし自分の事は自分でするタイプなので、その分あおいは育児に集中する事が出来ていた。その上で妻の行動を縛らず、前夫の子である拓海、碧にも愛情を向ける彼に対し何の不満もなかった。
その間大倉も転職をきっかけに故郷に戻っており、独身という事もあって時々子どもたちの面倒を手伝っている。しばらく産休をしていたあおいは、彼女の助けもあって早めの職場復帰を果たし、充実した日々を送っている。
育児と仕事との両立にも慣れ、あおいは職場の同僚と小旅行へ行くことになった。家族もそれを快諾し、普段とはまた違ったおしゃれをする彼女を送り出す。
「明後日の夕方に戻るから」
「うん、楽しんできて。彼にも宜しく伝えておいてよ」
分かった。彼女は更に美しくなった笑顔を家族に向ける。
「お母さんと、おみやげかってきてね」
「おみやげー!」
子供たちは早くも土産を期待してはしゃいでいる。あおいは以前よりも笑顔が増えた彼らの頭を優しく撫でた。
「うん、お父さんと一緒にお留守番するんだよ。そう言えば、るりいつ来てくれるんだっけ?」
「明日の晩って言ってたよ」
「じゃああの子の分も買っておかないと。そろそろ出るね」
「「「「行ってらっしゃい」」」」
あおいは家族に手を振り、満面も笑みでいそいそと出て行った。妻を見送った葛城は末娘楓を抱っこして奥に入ると、リビングテーブルに置いてあるケータイが動きを見せている。いち早く反応した拓海がぱっと駆け出し、それを掴んで父の元に持ってきた。
「お父さん、ケータイなってるよ」
「ありがとう。多分るりちゃんだと思う」
葛城は片腕で娘を抱え直してからケータイを受け取り、笑みを浮かべながら操作を始める。
「ねぇお父さん」
そんな彼に拓海が声を掛ける。
「ん?」
「るりちゃんと、なかなおりしたんだね」
うん。葛城は一旦操作の手を止めて息子の顔を見る。
「ボクみんななかよくしてほしいんだ」
「大丈夫だよ。明日はお泊りしてくれるって」
彼はそう言ってケータイの画面を見せると、拓海は子供らしい笑顔を見せながら良かったね、と言った。
「もうケンカしちゃダメだからねっ」
「ケンカだめぇ!」
子供たちに諭された葛城は、苦笑いして分かったよ、と答えた。




