我が家の天使(別視点)
(父視点)━━━━━━━━━━━━━━━━
うちの娘は天使だ。
本当に可愛い。
まずは、妻譲りの白銀の髪。サラサラで綺麗だ。可愛い。
次にわたし譲りの紫の目。澄んでいて美しい。可愛い。
筋の通った鼻に、白いモチモチの肌、プルプルの唇、整った眉、二重のアーモンド型の目。
これらが完璧な配置によってさらに輝いて見える。可愛い。
天使だ。100人中100人が天使のようと言うだろう。親の欲目なしに可愛い。将来は女神だ。
可愛い。
ただ、病弱なところと、あまりワガママを言ってくれないところが気になる。天使のワガママは全て叶えてあげたいのだが。
今日もうちの娘は可愛い。
(母視点)━━━━━━━━━━━━━━━━━
私の娘は天使のよう。
本当に可愛らしいの。
旦那様譲りの紫の目に、私譲りの白銀の(ry
嗚呼、可愛い。この世でいちばん、可愛いわ。
でも、もっとワガママを言って欲しいわ。可愛い可愛い天使の可愛いワガママを叶えてあげるのが親の役目なのに。
今日もうちの娘は可愛いわね。
(侍女視点)━━━━━━━━━━━━━━━━━
お嬢様マジ天使。
ん゛ん゛ん…お嬢様は天使のように可愛らしい。
親譲りの(ry
ああっ可愛い。
旦那様と奥様がお嬢様が好きすぎて話しかけられないせいで、お嬢様は愛されていないと思っていますが、お嬢様がワガママさえ言ってくれればなんとかなるハズ。その場合、お嬢様にとなんでもかんでも買い与えそうですが。
「あーりーすー」
お嬢様がお呼びだ。今日こそはワガママを言って欲しい。このお屋敷はお嬢様のワガママを叶えたくてうずうずしている。早くワガママを言ってくれないと、爆発しそうなくらいに。
「なんでしょうか、お嬢様。」
「あのね、うごきやすいふくがほしいの。もらえないかな?」
…お嬢様が、お嬢様がワガママを言ってくれた!些細なものだがワガママを言ってくれた!
「…動きやすい服ですか?わかりました。明日までに用意しておきます。」
「うん。おねがいね。」
一大事だ。早く皆に知らせないと。最高級のものを最速でお嬢様に用意しなければならない。
「旦那様、奥様。お嬢様が 「シーファがどうした?!」 動きやすい服が欲しいと。」
「まあ、動きやすい服ね。急いでお針子を呼ばなければならないわ。セバス、この国で1番腕のいい針子を呼びなさい。」
「わかりました。半刻で呼んでまいります。それまでにデザインの構想を使用人からも募っておきます。」
「行ってこい。事態は一刻を争う。
シーファに似合う服にしなければ。どんなデザインにしようか。シーファはなんでも似合うが。どうせなら、考えたデザインでいいものは全て作ろう。もちろん最高の生地でな。」
「それはいいわね。動きやすい服が欲しいなら、きっと髪紐も使うわ。可愛いものを用意しなきゃ。シーファに見合うものがあればいいのだけれど。」
ああ、ワクワクしますっ!やっとお嬢様のためにいろいろできるっ!
今日もお嬢様は天使です。
本当は家族をクズにしようと思ったけど、大好き過ぎて話しかけられない系にしようと。家族に愛されていないのがどうしても書けなかったので。
みんな主人公大好きです。この屋敷の人達はシーファの幸せが自分の幸せです。