こんやく
死んだ。産まれた。
転生なんて信じてなかった。あったらいいなくらいには思っていたけど。
それにしても、自我を持ったまま転生したら恥ずかしいよねって思ってたけど、意外と大丈夫なんだよね。神様は有能です。
なんというか、前世の自分としての自我と、今世の自分としての自我のハイブリッドだから、今世の自分の年がしても平気な事は全然いけるみたいな。
ちょっとオトナな考えも出来るけど基本はカラダに引っ張られてる感じ。今の私ならなんでもできそう。
病弱だから無理なんだけどね。
そんなこんなで、3歳になった。特に何もなかった。
まあ、ココが地球じゃないとか、地位が高そうとか、親に片手で数えられるくらいしか合わないとか、病弱で外出できないとか…
それなりにどうでもいいけど結構あるね。訂正しよう。
閑話休題
父親に呼び出されました。
誕生日に部屋にチラッと顔見にくるくらいなのにどういうことなんでしょう。
コンコン
「しつれいしましゅ。しーふぁです。およびとうかがいました。」
「チッ…待っていろ」
腹を括って執務室へ来ましたが、話が始まらない。書類の山…あっやっとこっち向いた。
「婚約が決まった。明日、顔合わせだ。話はそれだけだ。戻っていい。」
「え…?」
…こんにゃくじゃないのは流石にわかる。
「チッ…第二皇子との婚約だ。年はお前の1つ上。」
「だいにおうじとこんやく…」
「殿下と呼べ。礼儀作法は習っているな?絶対に失礼な振る舞いをするな。いいな?」
「…はい」
「部屋に戻れ。」
婚約…まだ3歳になったばかりなのに。政略結婚は覚悟してたけども。
え〜〜〜あんな親の駒になるのは癪に障るなぁ。呼ばれたから行ったのに舌打ちなんてしちゃって。幼女になんて仕打ちをするんだ。他にツテがある訳でもないしちゃんとやるけどさ。
こんにゃく