過去と今
ちょっとシリアスかもです。
嫌いな人は読まないでください。
「由羅衣。これで一ヶ月過ごしたらいっしょに遊園地行ってあげる。」
…て
「あんたにはお母さんなんていらないんじゃない?あんた自立してるもの。」
…めて
「ゆらちゃんって自立してて立派だよね。さすが孤児院育ち。じゃあね。」
やめて。
「センパイはなんでも1人でこなせそうですよね〜」
やめて!!
「お前って1人で生きていけそうだよな。だけどあいつには俺が必要なんだよ。」
なんでみんなそういうの?
なんで私が自立したと思っているの?好きでそうしたんじゃないのに。
あなた達は何にも知らないくせに。
自分のプライドが大事なだけのくせに。
みんなみんな私をいいように使って捨てていく。
親なんて信用できない。友達なんて信用できない。女なんて信用できない。男なんて信用できない。
ニンゲンハイツモイツモウラギルンダ。
カンペキナニンゲンナンテイナイノニ。
ニンゲンナンテシンヨウデキナイ。
ニンゲンノセワニナンテナリタクナイ。
ニンゲンノモトニナンテイタクナイ。
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ
「イヤっ!」
「はあ、はあ、はあ…」
久しぶりに夢を見た。
思い出したくない夢を。
もうどうせなので私の前世について話そうと思う。
0歳 誕生
3歳 育児放棄→孤児院へ
6歳 友達に一方的に別れられる
17歳 バイト仲間に仕事を押し付けられる
20歳 ブラック企業に就職
22歳 彼氏に振られる→死亡
という感じだ。いじめやパシリなどもあったが、それは弾いてある。ちなみに、乙女ゲームをやっていたのは18歳の頃だ。
死因はまだ言いたくない。
顔は地味で眼鏡をかけていた。見た目通りのおとなしい性格だったと思う。
だから私は家を出たいし、人に世話をかけたくないから勉強もする。それが自分勝手な理由だってわかってる。分かってるけど。
あの人たちの目と今の家族の似ているから、怖い。
昔、本当は乙女ゲームの世界なんかじゃなくて、ちょっとにているだけの世界で、みんなが愛してくれるんじゃないかと思って、未来視の水晶を見てみた。
そこには、乙女ゲームのヒロインのマリア・カルフィアが王子攻略でクリアした時の断罪イベントがうつっていた。
絶望した。
この世界でも捨てられる。
でも、それならそれでいいと思った。
今度は捨てられることがわかっているんだから。
期待しなくていいんだから。
だから、捨てられたときに備えることにした。
今でもたまに未来視はする。でも、クリアするルートが宰相の息子になったり、弟になったり、兄になったり、逆ハーレムになったりするだけだった。
ふざけていると思うが、私はどのルートに行っても…ノーマルエンドでさえ家を追放・婚約破棄・国外追放だ。
他のルートはいじめだが、ノーマルは国税の使い込みだ。ある意味一番避けてもらいたい。
私は、いつも明るく振る舞っていた。
明るく振る舞っていないと、押しつぶされそうだから。
明るく振る舞っていないと、戻れなくなりそうだから。
今世は、チートな能力が手に入ったから。
それを使って後から幸せになれると思うから、その力を磨く。
今度は、今は家の権力があるから。
それを使って、学べるから。
今世は、家族がいるから。
1人じゃないはずだから。
だから、私は私を高める。
今の私は由羅衣じゃないから。
やり直せる。