クラスで
学園は3階建てで、別棟やら何やら色々ある。
とりあえず、クラスの確認をしよう。
私が行くと、すでにもう何人も集まっている。
「えーっと…1-Aだ。」
どうやら入試の成績でだいたいクラスが変わっているらしい。
ヒロインちゃんは…おなじクラスだった。
うん。
私の耳よ、お前は幾度となく砂を吐くかもしれない。
だが、私が君に言えることは一つだ。
がんばれ。
私は、ぽっちゃり女子特有のマシュマロボディを揺らし、クラスへ向かった。
コン吉がいきなり動いた私から滑り落ちそうになったが、なんとか耐えたっぽい。
こっから見えないけど、魔力でちょっと飛んだし…
お前はジェット噴射機か。
なんだかんだでクラスに着く。席は自由だったので、教室の一番左下に座る。
いいよね、すみっこ。
落ち着くんだ。
端っこから物事を始めようとする先生達のせいで、何度も終わりと初めの一番になるけど。
窓側だったので、コン吉と日向ぼっこをした。
ヒロインちゃんは…教室の一番右上。正反対。一番遠い!
でもね、流石声優さん。
声がめっちゃ通るんだ。
そんなことを思っていると、チャイムが鳴り、先生が入ってきた。
うちのクラスの先生は、若いキツそうな女の先生だ。
実際キツイ。
「はい、みんな右端の…ピンク頭から自己紹介して!」
ヒロインの最初のしれん。
『みんなの力を合わせて、いやーな先生を追いかえせー!』
だ。
これは、何がどうなってもクリアできる。
このイベントにより攻略対象の先生がやってくるからだ。
ちなみに、同じクラスの攻略対象は休みで、このイベントの後にくる。
チュートリアルだもん。
ちなみにこの先生微妙なコネで、頭も性格も魔法も良くない。
ま、踏み台どころか踏み台以下だ。
何て思ってると私の番になった。
みんな名前と趣味と目標を言っている。
「梅花 なずなと言います。
趣味は魔法で、目標は次もAクラスにいることです。
よろしくお願いします。」
みんなのを聞く限り、これが無難だろう。
シンプルイズベスト。
「あ、まだ時間あるわねぇ…
はい、質問がある子は手ェあげて!
当てるのは…ピンク頭の隣!そうあんたよ!
前ん出て適当に当ててって。
全員下の名前でね!」
このピンク頭の隣の子が、サポートキャラで親友設定の子だ。
これは興味あるし見とこ。
「はい、ボブくん!」
アフロ頭の少年だ。
よし、君のあだ名は今日からボムボムだ。
「マリアさんに質問です。
得意な魔法は何ですか?」
えー、マリアちゃんだれかなー。
「えっと、一番は炎です。」
あ、ヒロインちゃんか。
いや、ヒロインの名前は自由でしてね。
分からんのですよ、ハイ。
「では、次からは質問された人が質問をして、それの繰り返しです。」
おお、考えたなぁ。
それなら楽だね。
「えーっと…じゃあミカちゃん!
好きな食べ物は?」
ミカちゃんは、サポートキャラの子のことだ。
フルネームはミカ-サポーナー。
多分サポートキャラだからサポーナーだね。
安直!安直すぎて涙が出てくるね!
「ドーナツが好きです。
では質問です。
なずなさんの頭に乗っている狐は何ですか?」
うわ、こっちに来た。
「この子はペットのコン吉です。
質も「はい、ここで打ちきりー委員決めるよ。」
なんか思いっきり被せられた。
別にいいけど。
「クラス委員、図書、体育、保健、文化、飼育栽培、美化委員とか、全部男女1人ずつよ。
時間1分とるから考えて。
生徒会に入りたい子は委員には入らないで。
後で応募用紙に書くこと書いて私の机に置いてよ。」
うーん、委員会か。
別に入んなくていいよね。
「決めた?
じゃあサポーナー。あんた司会やって。
あ、それと教師権限であんたクラス委員。決定。
なんか文句ある?」
「先生!勝手に決めたらミカちゃんがかわいそうです!」
ここでヒロインちゃんが立ち上がり、文句を言う。
うん、シナリオ通りだね。
次は選択。何を言うか三択だった。
「ちゃんと選んで決めてください。
先生のやった事は職権乱用です!」
好感度が一番高いやつか。
ま、三つしかないしね。
なんだかんだで委員とか決めずに終わるー。
感動したミカちゃんがヒロインと親友になるー。
次の日怒った先生がバトルを申し込むー。
バトルを見た学園長が先生に呆れて他の先生にするー。
みたいな流れだったはずだ。
委員決めは先生が変わった後で起こる。
まあそんな感じで1日目の学園が終わった。
ま、1時間だけだしね。
あ、入学式は3日目が終わってからだよ。
ちょっと慣れてからっていう配慮(?)だね。
多分。
さあ、寮へ帰ろう。