ロボットと爺さん
受験勉強でパソ禁くらってました…。
ご迷惑をおかけしました。ノートに書いていた分を投稿します。
驚いて振り返ると、髭の生えたおじいさんと、弟子らしき少年と少女がいた。少女が2人、少年が3人だ。
合わせて5人。多分15~7歳の子供たちだ。
あのおじいさんは凄い人だと思う。なんせ高位精霊が2体側にいるのだから。焦茶の髪と目をした精霊だし、土の精霊かな、と思った。弟子たちには下級精霊がついている。こちらは一体ずつだ。精霊は、ついた人間の魔力で育つ。属性も主人の魔力で決まる。この弟子たちの精霊が染まっていないから、ついてすぐなのだろうか。でもおじいさんは凄い。土属性がどれだけ強いのだろう。
あ、精霊見えますが何か?
「ふぉっふぉっふぉ。嬢ちゃん、わしは魔術師長のデリヘルじゃ。97歳じゃがまだまだ元気じゃ。よろしくのぉ。」
「私はクロと言います。今年で10歳です。こちらこそよろしくお願いします。」
話をするのか、私とデリヘルさんだけ会議室(?)にはいった。
「そうじゃ、嬢ちゃんワシの弟子にならんかい?」
「結構です。」
「今、なんと?」
「ですから、結構ですと言っているんです。」
「そうか…。では、わしの弟子の弟子にならんかい?」
「もっと嫌ですよ!」
「そうか…。」
あっおじいさんががっくりしてる。言いすぎた?
「まあそんな茶番は置いといて。」
「茶番だったの!?」
「お主学園の受験申し込みしとらんのか?」
「はい。なんで分かったんですか?」
てかそんなんあったのか。
「知りたいか?それはな…。わしが教師だからじゃ!」
「ええええええっ!?」
こんな爺さんが!?異世界すげー。
「と言っても今回で退職じゃ。」
「あ、そうなんですか…。」
「それと、何故やっておらんのじゃ?10からの義務教育じゃぞ?」
「でも、私はテストを受けて受かれば入れると聞きました。」
「それ14年前じゃの。」
あ、私の情報古かったのね。恨むぞ、酒場のおっさん。
「それと知りませんでした。」
「ではどうしましょう。というか、宿どまりでもいいんですか?」
「宿泊りはいいぞ。試験なんてやってもクラス分けに響くだけで皆入れる。どれ、申し込み期間は終わっとるが、わしがねじこもう。」
「本当ですか!?」
「おお。ただ、クラス分けに関わることじゃから、テストは今度やっとくれ。」
よっしゃ学園に入れる!テストくらいいくらでもやるよ。
「それと、他の魔法も見たい。あるんじゃろ?」
ま、そんぐらいならお安い御用。
「分かりました。」
『捨て駒人形【弱】』
素材 鉄,純度【低】
強さ 12歳の子供が素手で30秒かかるかかからないか
発明者 キスイダ・トッボロ
テストのために作られた。
訓練するは弱いので、受験シーズン前に多く作られる。
倒されると
『ヤ、 ヤ ラ レ タ〜。』
と言って煙を口から出すのは、製作者の趣味だろう。
名前がひどいのが悩み。
壊れるとリサイクルされるので、エコである。
コストも安い。
鑑定をいじったからか、いろいろ見えるようになった。
捨て駒人形は悲しい。強さも悲しい。でも倒す。
「コン吉、溶けるんです」
嗚呼、人形は溶けた。一瞬で。
「万能工作、【鉄】」
この万能工作シリーズは働くところが決まった記念に作った魔法だったのだが、いつの間にかスキルになっていた。魔法でも使えるが、スキルは進化するし魔力を使わないのでこっちを使っている。
あの悲しい説明文を変えてやる。
「鍛錬」
鉄が純粋になった。ただ、7分の1くらいに減った。純度【低】は伊達じゃなかった。
ここからはイメージが大事だ。
前世の記憶の中から銀河鉄道7○7のロボットを思い出す。そして、その中でも酒をこぼしていたロボットを思い出し、動いているイメージをする。
「変形」
あのロボットの形になった。関節もある。そして、心臓部分にハートの形で、真ん中から分かれて、右が赤、左は青になっているものがはまっている。これは付け足した。ロール○ンナちゃんみたいだ。
「動力付与」
これで動けるようになった。そして仕上げだ。赤と青のハートを外す。
「赤、操作。青、媒体」
そして、青を戻す。すると、赤のはまっていた場所が閉じて、半分になった青のハートだけになる。
これで、赤い半分のハートを持って念じると青のハートに送られ、そこから処理され、行動に移る。
美化を掛けるところだが、このロボはそんなことはしないほうがいい気がする。
次は、名前をつける。
「命名。パペット」
これで完成だ。鑑定を見てみる。
『パペット』
素材・・・鉄,純度【高】
強さ・・・操る者の技量による
属性・・・無・炎
発明者・・・なずな
作成者・・・なずな
元は捨て駒人形【弱】だったが、溶かされ、作り直された。
操り人形なので、主の想像力が高いほどいい動きをする。
魔法は使えるが、製作者の作成時に多く浴びた魔法を2種類しか使えない。魔力は、主のものを使う。
もう捨て駒なんて言われないと思っているが、それは主の技量によるだろう。
リサイクルされるのは相変わらずだ。
倒れると、
『ヤ、ヤ ラ レ タ〜。』
と言うのも相変わらずだ。これは、ある種の呪いとなっているのだが、実害はないからほうっておこう。
11歳の子供に強さはいろいろになるだろうが作れる。10分〜1時間位で作れるだろう。
カスタマイズが効く。
どうしようつい楽しくて忘れてたよ…
お爺さんをちらっと見る。
わあ、顔が険しい!顔が険しいよ!
どうしよう?
「あの、デリヘルさーん…?」
「見せてくれてありがとな。
それとのお。嬢ちゃん。
魔術師長にならんかい?」
…え?
「はあ!?」
「何言ってんですかあなたは!」
あ、私が言ったんじゃないよ?
一瞬心の声がでたかt…
いや、何でもない。
「そんなに怒らんくてもいいじゃないか…昔は『パパ〜大好き〜』なんていっとったのに」
「昔は昔、今は今です!そもそもあなただけで決められることではありません!」
「魔術師長なんて何種類もあるじゃろう!ひとつくらい良いじゃろ!」
「確かに何種類もありますが20ですよ!?そんなに軽々しくされても困りますよ。」
あれ。忘れられてない?
「新しい党を作れば良いじゃろ〜」
「駄目ですよ…」
「スイマセーン忘れてませんかー」
「あ、すみませんでした。私はこのデリヘルの子供のです。」
「帰っていいですか?」
「あ、入学申請証を発行するので待ってください。これを持って試験日の午前
9時ごろに来てください。制服などもその時に。
それと、当日はできればギルドカードなどの身分を証明できるものを持ってきてください。学備品には50000マニーがかかります。」
5万円か。基準がわからん。安い…のか?
爺さんの孫とは思えない常識人だ。