連行と魔法
王城かー。身元は安全かもねー。じゃなくて。
「は!?」
「は、とは?」
「平民が王城なんて行ってもいいんですか!?」
「はい。王城と言っても魔法館なので。」いやいいのかよ。
「それに、許可してもらいました。」あ、そーいや連絡してたなー。
「私にどういう用なんですか?」
「それはついてから言います。あ、すいません焼き鳥5本ください。500マニーでいいですか?」
「あいよー。まいどあり。」
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
とりあえず食べよう。うん。現実逃避じゃないよ?あ、そだ。
「あの、すみません。」
「何ですか?」
「お、お手洗い行ってきてもいいですか?」
「あ、はいどうぞ。」
「ありがとうございます。5分くらいで戻ります。」
よし、思考時間ゲット!トイレ行って考えよう。
呼ばれた理由で考え付くのは、
・コン吉
・鉄の処女
だ。
鉄の処女は本当のこと言うとコン吉の魔力量が多いのがバレるから、鉄の処女の発動のための魔力量を300くらいにして、詠唱をつけよう。3000にしてたのはこの魔法が知られても無闇矢鱈に使われないようにだしね。
でもコレ無属性魔法だから使える人めっちゃいそうなのはいっか。
あ、私のステータスに偽造かけとこ。
「お待たせしました。」
「いや、あまり待っていないから大丈夫だ。では行こう。」
口調変わったな。
偉そうだなぁ、おい。
「着いたぞ。」
「大っきい…」
「ここが魔法館で、右奥が騎士館だ。」
「そうなんですか。」
「う、ううん…」
あ、少年が起きた。
「あの、すいません。」
「何だ?」
「少年が起きました。」
「そうか。」
「あの、そういえば彼って誰ですか?」
「騎士見習いの中で三位の伯爵家の次男だ。今日は休みだったんだがな。」
「そうなんですか。」
以外とすごい奴だった。
てか身元明かしていいのか騎士よ。
身元バラされてるぞ少年よ。
「じゃ、座って待っていてくれ。しばらくすれば来るはずだ。」
「分かりました。」私とまあイケメン騎士さんの一人と魔術師さん4人になった。
ーー10分経過
「まだですか?」
「たぶんもうすぐ来る。」今は1時だ。
ーー20分経過
「まだですか?」
「もう来るはずだ。もう少し待ってくれ。」ちょっと苛立ってる?
ーー30分経過
「本当まだですか?」
「あと少し。本当にあと少しで来るはずだからあと少し。あと少しだけ待ってくれ。」焦ってる感じ。
ーー40分経過
「からかってるんですか?」
「すまない。本当にすまない。だからお願いだ。待ってくれ!」土下座された。
「やあやあやあこんにちは!副魔術師のニコルだよーんってカイ何してんの?ついに目覚めたとか?」
あ、この騎士カイっていうんだ。てか副魔術師のニコルさんってかるそーな人だな。
でもイケメンだ。
「ああ?何が目覚めただ。誰のせいだと思ってんだ誰の。40分も遅れやがって。」
「あーごめんごめん。ちょっと昨日実験したあと寝て、起きたら部屋がジャングルみたいになっててさー。それで片付けた…夢を見たんだ。
その後連絡が来たけど、それに出た後ジャングルの掃除に戻っちゃって、ついさっきまで掃除してたんだ。」
「つまり寝坊じゃねぇかぁ!しかも二度寝?いいご身分しやがって!」
「あははっごめんごめん。で、本題はいろーよ。」
「チッ…まあいい。連絡した通り、お前ら魔術師にこいつのペットの魔法について聞きたいんだ。」
「ふうん…実際に第2訓練場で見せてもらっていい?お嬢さん。」
もしかしてお嬢さんって流行ってんの?
「いいですよ。何か生き物を用意してもらっていいですか?それと、私はお嬢さんではなく平民です。」
「名前なんてーの?」
「なずなと言います。」
「そっか。なずなちゃん、仮入隊試験用のワイルドドックでいいかい?」
「はい。ではワイルドドックにアイアンメイデンを使えばいいんですか?」
「うん。それと、出来れば後でその魔法について教えてくれない?」
「いいですよ。でも、これでは倒れないので後で他の魔法で倒させてもらってもいいですか?」
「うんいーよ。」
第2訓練場についた。闘技場よりかなり広い。
周りには騎士さん達や、魔術師さんっぽい人達や、おじいさんがいる。見に来たっぽい。そして、10m前に檻に入ったワイルドドックがいる。
「さっきとは他の出していいですか?
アイアンメイデン使えるので。」
「いーよ。」
黒の本体に皮のカバーをつけたスマホをポケットから出した。護身用と暇つぶしのためいつも持っている。
従魔で、名前は林檎。
こっちに来た日に作ったんだお。
いや、万能魔法便利っすね。
「えっと、それは?」
「従魔ですが何か?」
「従魔には珍しい姿だね。それに召喚しないんだ?」
「ま、いいでしょ?さっさと始めましょう。」
「はいはーい。」
周りの人達は離れていって、ニコルさんが檻を開けた。
「開始!」
「林檎、
愛の処刑人よ。我を糧に敵に悪夢を。
鉄の処女!」
スマホから光が出る。
その光に、ワイルドドックが包まれた。
我を糧にだと自分の魔力を、敵をも糧にだと相手の魔力を使うようにした。
あ、ちなみに詠唱つけたら主人が唱えなきゃダメらしいよ。まあ喋れる従魔ならいらない。林檎は喋れるけど、やっぱここはね。
2分くらいだった。
「解除!」
アイアンメイデンが崩れて何もなかったかのように戻り、ワイルドドックが落ちてきた。とどめだ。
「林檎、圧縮。」
「…!」
圧縮は、時空属性だ。空間をいじる。
ワイルドドックが圧縮され、術が終わると全身から血を吹き出しながら落ちた。南無。
「終わりましたよー。」
「えげつねぇ…。」
「そっかー。すごいね、この魔法。」
「ありがとうございます」
「んじゃ説明して?」
「いいですよ。質問に答える形でいいですか?」
「うん。おーい、メモ持ってきてくれない?」
「どうぞ。」
「ん。ありがとー。んじゃ質問いくねー。椅子どうぞ。」アイテムボックスから出したのかな?
「はい。」
「その魔法は誰が作ったの?」
「私です。」
「へー。見かけによらず怖い魔法作るねー。属性は?」
「無属性です。」
「ふーん。消費魔力は?」
「300です。」
「思ったより少ないねー。どんな魔法なの?」
「側にある使えるもので内側に針がびっしり針のついたアレを作って、閉じこめ、刺しながら治癒をし続けます。」
「うっわーほんとえげつないね。質問は終わり。その魔法、こっちに譲ってくれない?」
「どう使うんですか?」
「主に拷問かな。」
「いいですよ。ついでに、悪い子のお仕置き用の無音の押入れもどうですか?」
「どんな魔法だい?」
「暗〜い空間に閉じ込めれられ、音もしないそこで術者が解除するまでいれられます。中の音は外に聞こえますよ?」
「おお、いいね。じゃあ、譲ってもらって本当にいいのかい?」
「いいですよ。」
「ありがとう。よかったら魔術師長に会わない?」
「いやいいです。」
「遠慮しないでよー。あそこにいるし。」
「えっ!?」