とある"女装神官"はVRMMOの有名人!
「ふっふっふー、よくぞここまで来たな!"女神"の信仰者たちよ!―――」
―――とても広い島の真ん中辺りにディスプレイが出現した。そしてそれに映っているのは濃い紫色の髪をした女性・・・だ―――
「なあ、俺勇者神殿見つけたの男って聞いたんだが・・・」
※それで合っています。
「いや、勇者の方が話しているんじゃね?」
※違うし、ちゃんと男です。
「じゃあ、あいつを倒せば俺たちの勝利って事か!よっしゃやるぜ!」
ディスプレイに映っている少年?少女?はそんなことはつゆ知らず、"女神軍"は勘違いをしたまま新作VRMMO、Reality・onlineの世界で"女神"と"勇者"の全面戦争イベントが今、開幕したのだった―――
僕は豊麗 相。中学を卒業して、今は春休み中の一日目だ。
・・・唐突だけど皆、ゲームってやったことあるかな?僕は実はそんなに無い。
そう心の中で思い、今目の前にあるVRヘッドギアを改めて見た。
このヘッドギアに入っているソフトは今話題の新作VRMMOゲーム、Reality・online略してROだ!
今はVR時代!勿論いろんなVRソフト、ゲームが発売されている。
なぜこの|ゲーム《Reality Online》が注目されているか、それはVR空間で唯一時間加速に成功したケース社が作ったゲームっていうことだ!
それはつまりゲーム内でも時間が加速されるということ!これは普段ゲームをあまりしない僕でも気になってしまう!しかもβ版での評価がとてもいいと来たら!
・・・少し話がズレて来たけど、要するにゲームでは3時間やっても現実では一時間しかたってないよー、ってこと。
勿論僕も楽しみにしている。だけど、やるならやっぱり目的が必要だ。そこで僕はまだ小さいころに好きだったアニメを思い出して、侍みたいなプレイをする!と決めたのだった。
・・・一応言っておくけど、別に中二病を拗らせているとかそういうわけではないよ?・・・たぶん・・・
じゃあ早速、まだ始まってないけどキャラクタークリエイトだけはできるからやっちゃおう!ヘッドセットを被って―——
「起動、Reality・online」
◆◇◆
「おお・・・」
目を開けたら草原に立っていた。凄い、景色や体の感覚、さらには草原の匂いまで。凄いなぁ・・・
『チュートリアルを始めますか? yes/no』
ボーっとしていたら、丁度いいくらいの頃合いでウィンドウが出てきた。
もしかしてこれもちゃんとタイミングを狙っているかも?それは置いといて、勿論yesだ。
『今から初期設定を始めます』と出て来た。というかyesを押さなかったらどうなるの・・・
とりあえず初期設定を進めよう。まずは見た目の設定。あんまり現実とVRの体が離れすぎると体に違和感が生じるリスクがあるため、変えられるのは髪型、髪色、瞳の色だけだ。
意外とそれだけでも身バレはしにくいらしい。でも一応心配だから髪を伸ばして濃い紫色にし、瞳を赤にして、現実とかけ離れた姿にした。こんな感じでいいかな?あ、因みに僕の体は標準的な体型。
次はステータスの作成。これは事前に決めていた。
ーーーーーー
PN/ソウ LV.1
職業 メイン/神官Lv.1 サブ/剣士Lv.1
種族 人族
ステータス
【生命】100/100
【魔力】100/100
【筋力】15 15UP
【防御】5 5UP
【知力】15 15UP
【精神】5 5UP
【器用】0
【速度】10 10UP
【幸運】0
残りステータスポイント 50(0)
スキル
戦闘技術系スキル
NEW『剣術Lv.1』NEW『杖術Lv.1』NEW『光魔術Lv.1』
戦闘効果系スキル
NEW『筋力上昇(弱)Lv.1』NEW『知力上昇(弱)Lv.1』
生産系スキル
NEW『識別Lv.1』
残りスキルポイント 10(0)
装備
初心者のメイス
初心者の剣
初心者の服
初心者のズボン
初心者の靴
※()内は変更後のステータス。
ーーーーーー
よし!こんなかんじだね。PNは普通に名前をカタカナにして完了。
メイン職業は(最後に正体を現して敵になる方の)神官になりたいから神官は確定で、サブの剣士はオーソドックスな感じがするからこれで。
種族は人族、獣人(犬、猫)、エルフ、ドワーフがある。
初期ステータスの振り分けがそれぞれ違う。ステータスは最初にステータスポイントを50もらえてそれを自由に振り分けられる。今回は物理も魔法も両方使うから筋力と知力に多めに振って、速度はある程度ほしいから振ったのと一応防御にも振った。
スキルはステータスポイントと同様にスキルポイントなるものがある。スキルポイントは10もらえて、生産系スキル以外は基本的に職業に沿ったスキルしか獲得できない。僕の見た一覧はこちら!
戦闘技術系スキル
〇『剣術』消費スキルポイント 2
〇『杖術』消費スキルポイント 1
〇『光魔術』消費スキルポイント 1
戦闘効果系スキル
『HP上昇(弱)』消費スキルポイント 3
『MP上昇(弱)』消費スキルポイント 1
〇『筋力上昇(弱)』消費スキルポイント 2
〇『知力上昇(弱)』消費スキルポイント 1
『精神上昇(弱)』消費スキルポイント 2
『速度上昇(弱)』消費スキルポイント 2
生産系スキル
『採取』消費スキルポイント 3
『伐採』消費スキルポイント 3
『採掘』消費スキルポイント 3
『錬金』消費スキルポイント 3
〇『識別』消費スキルポイント 3
『料理』消費スキルポイント 3
『裁縫』消費スキルポイント 3
※〇は取得済みスキル
因みにメイン職業に関係するスキルは消費スキルポイントが1、サブ職業の消費スキルポイントは2、それ以外の共通スキルは3となる。
じゃあこれでステータス設定は完了!
次は『この世界の世界観とルール』。草原のフィールドからガラリと変わって、映画館的な所に来た。流れてきた映像を要約すると、この世界は、"創造神"によって創られた世界らしい。
その管轄を任されたのが"女神"だが、世界が作られてから5000年の時がたった今、世界が停滞してきた。その停滞を打破するために呼び出されたのが、僕らプレイヤーってわけ。
でもプレイヤーだからってNPCに横暴な態度をとっても、NPCはそのことを知らないし、理解できないように設定されているから、不信感も相まって好感度がダダ下がりするらしい。
次はルール。ゲーム内で犯罪をすると、頭のマーカー(PCかNPCかがわかる)が黄色か赤色に変化する。(通称黄ネームと赤ネーム)
黄ネームは軽犯罪(人の物を盗むなど)を犯すと変化して、赤ネームは普通に犯罪(PK、MPKなど)を犯したら変化する。
プレイヤー同士の争い《PVP》は一応、許可されているが、無許可なPVPは即刻赤ネームらしい。
因みに明らかに範疇を超えた犯罪をすると法的処置をされて現実で逮捕されることもある。昔はこんな法律はなかったらしいが、色々と問題視され法整備まで至った。
まあ重要なところはこんなところかな。見終わったら『理解しましたか? yes/no』と出て来た。yesが押されたらこれらのルールを理解した上で、ゲームを始めるということになる。
もちろんそんな犯罪を犯すつもりはない。
最後にVRゲームよろしくのゲームの基本操作説明とお使いクエストが来たけどとりあえず割愛。
『これで初期設定が終わりました。ログアウトしますか?』
yesっと。
◆◇◆
僕は現実世界に戻ってきた。
それから、家事やらご飯やらトイレをし終わったら、もうすぐ時間になっていた。
『Reality・onlineの正式稼働の時間になりました。転移します』
そうして、僕の体はポリゴンに変わっていった。なんだか不思議な感覚だなぁ。
「おお、すごいnぶべばばばばば」
・・・町の景色を堪能しようとしたら皆スタートダッシュのためか走り始めて、人ごみに巻き込まれた。無念。
わっ、なんか手が引っ張られた!そのまま引っ張られたまま路地裏まで来た。そこで僕の手を引っ張った張本人を初めて見た。
僕とその人は同じくらいの背丈で、瞳は透き通るような青色。とっても長い黄色の髪を一つにまとめてある女の人だった。
「ねえ、大丈夫だった?」
「え?は、はい。えーと、助けてくれたんですか?」
「そうよ。早速ログインしたら横に人ごみに巻き込まれていたあなたを見つけたからね」
「ありがとうございます」
「いや、いいのよ、私は別に急いているわけではないから。・・・私とフレンド登録しない?私、裁縫士なんだけどその服を着てほしい人が欲しいのよね。もちろん防具も作っちゃうわ」
別に損はないだろう。
「いいですよ」
『プレイヤー トーカ からフレンド申請が来ました yes/no』
勿論承諾した。
「とりあえず人ごみが収まるまで少し待ちましょう?ある程度時間が経てばプレイヤーが他の場所に行って道が開けるはずよ」
その後、10分位待ったが、トーカさんとお話をしていたら直ぐに時間が過ぎていった。
例えばこのサーバー自体沢山あるサーバーの内の一つ。とか、迷惑なプレイヤーの対処方法とかの普段ゲームをあまりしない僕には助かる情報ばかりだった。
因みに年齢が同じくらいだろうから敬語は抜きで良い、と言われてしまった。
「ん、そろそろ道が開けて来たね」
「そうね。じゃあギルドに行きましょうか」
さっきと比べて随分と開けた道を歩いて数十秒、ついに―——
「ここね、総合ギルドは」
「おお、凄い!」
ここに来るまで普通の人よりも凄く時間がかかった気がする。(体感的には一瞬だけどね)
今、目の前には剣士と魔法使いが互いに背を向けて決めポーズをしている看板が張っているザ・ギルドという感じの建物がある。ここに入るのか、すごいなー。そんなことを思っていたら、トーカさんに入りましょ。と言われ僕も中に入った。
総合ギルドの中は流石にある程度人が居たが、全然歩ける程度のものだった。きっとここもサーバーが分けられているのだろう。そう思いながら、受付に並んだ。
「総合ギルドへの登録ですか?」
「「はい」」
「ではこちらの水晶に手をかざしてください。犯罪履歴を確認します」
僕とトーカさんは、二つ出された水晶にそれぞれ手をかざした。
「はい、お二人とも問題ありませんね。では、ギルドカードを発行します」
ーーーーーー
総合ギルド Fランク 貢献ポイント0/10
ーーーーーー
これで晴れて僕たちも総合ギルドの一員だ!。冒険者・・・ロマンがある!
「じゃあ一緒に依頼を受けましょう。・・・と言いたいところだけど、私はさっき言ったみたいに生産職をしているから受けられる依頼は別なの。ごめんだけど後で連絡して頂戴。有意義な時間だったわ」
「はーい」
残念。だけど良い防具が作れるようにいい感じの素材を持ってこよう!これがWIN-WINってやつだね!
ーーーーーー
ホーンラビットの討伐
報酬 五体で50エリス
貢献ポイント 1
ーーーーーー
ーーーーーー
スライムの討伐
報酬 五体で50エリス
貢献ポイント 1
ーーーーーー
早速依頼を受けてきた。ホーンラビットの討伐はその名の通り角が付いてる兎、スライムの討伐ってのは、RPGとかでよくみる定番のスライムだ。
別に物理攻撃が効きずらいとかそういうわけではなく剣でスパッと切れる水饅頭みたいなタイプらしい。でも上位種とかだったら効かない種類もいる、そう受付嬢さんが言っていた。
そんな訳で、とりあえずこの二つのクエストを受けることにした。
因みに貢献ポイントはギルドランクを上げる基準値で、まだFランクは見習いだから10という少ない数だけど次からは必要貢献ポイントがもっと上がるらしい。
早速草原フィールドに来た。ちらちらと人が居る。お、早速目的の内の一体のモンスター発見!いくぞー!
数時間経って職業レベルやスキルのレベルが上がった。今のステータスがこんな感じ。
ーーーーーー
PN/ソウ LV.1
職業 メイン/神官Lv.7 7UP サブ/剣士Lv.6 6UP
種族 人族
ステータス
【生命】100/100
【魔力】150/150 50UP
【筋力】30 15UP
【防御】7 2UP
【知力】25 10UP
【精神】8 3UP
【器用】0
【速度】15 5UP
【幸運】0
残りステータスポイント 0(40→0)
スキル
戦闘技術系スキル
『剣術Lv.1(4)』『杖術Lv.1(4)』『光魔術Lv.1(3)』
戦闘効果系スキル
『筋力上昇(弱)Lv.1(5)』『知力上昇(弱)Lv.1(6)』
生産系スキル
『識別Lv.1(4)』
残りスキルポイント 0(2)
装備
初心者のメイス
初心者の剣
初心者の服
初心者のズボン
初心者の靴
※()内は変更後のステータス。
所持金 1000エリス
ーーーーーー
メイン職業が7レベル、サブ職業は6レベル上がった。
剣と杖は同じくらい使ったけど、ここは『光魔術』で差が出てきた。
因みに『光魔術』は基本的に(攻撃魔術もあるが)回復系の魔術なので、ポーションを買わなくてもある程度長時間戦闘が出来た。
でもMPの問題があるから少し休憩はしたけどね。
戦闘効果系のスキルはそのパラメーターを使う行動をしたら自動で上がっていく。それでレベルが高いんだ。
ステータスポイントはメイン職業レベルが1上がるごとに5ポイント、サブ職業では5レベル上がるごとに5ポイント。
要するに今回は7×5+5=40ってこと。
その40ポイントは知力より筋力の方が多用する気がするから少し多めにして、そのほかはいい感じに振り分けた。あ。因みにHPとMPは1ポイント上げるたびに10上がるぞ。
スキルポイントはメイン職、サブ職どちらとも5レベル上がるごとに獲得できるが、使いたいスキルが出るまではとりあえず温存して行くつもり。
因みに所持金の1000エリスは初期所持金だよ。
じゃあ街に戻って総合ギルドに報告しに行こう!
・・・と思ったけれど、まさかあんなことになるなんてこの時の僕は思いもしなかった。
総合ギルドに戻ろうとした。戻ろうとしたんだけど、途中の道で初期スポーン地点の噴水近くを通ったら―——
「おい!聞いてんのか?お前の持ってるアイテムを全部くれって言ってんだよ!」
―——絡まれた。これは典型的な絡みだ。ヤバい。こういうとき時どうするんだっけ・・・えっと、えーと・・・
「チッ、こうなったら!」
男が無をタップし始める。きっとウィンドウを弄っているのだろう。いったい何を——―
ーーーーーー
プレイヤー 超スーパー☆最強スター☆~俺に勝てる奴なんていねぇ~ さんに決闘を申し込まれました。
契約
勝利した方に敗北したプレイヤーの所有物をすべて移す。
ーーーーーー
!? 超スーパー☆最強スター☆~俺に勝てる奴なんていねぇ~ !?
はっ!・・・僕は我に返りながらつい後退る。
「はっ、PVPにビビッてやがんのか?」
違う、違うんだ。そう思いながらとりあえずOKボタンを押す。
「来たな。ハァァァーー!」
「遅い!」
フィールドが変わった。
僕はメイスを取り出し、剣を上に構えてこちらに向かってきた超スーパー☆最強スター☆~俺に勝てる奴なんていねぇ~にこちらからも近づきの横腹に叩きつけた。
というかほんとに遅すぎない?速度にポイント振ってる?
「グッ、ハァッ」
よし、決まった。
「お、お前!」
「なに?」
「俺が攻撃する前に攻撃するとか卑怯すぎだろ!」
?????何を言っているんだ?こいつは。・・・もういいや。終わらせよう。
「〈ホーリー・ボウ〉」
『光魔術』の攻撃魔術を 超スーパー☆最強~(以下略)に当てて終わらせる。
《プレイヤー 超スーパー☆最強スター☆~俺に勝てる奴なんていねぇ~ との決闘に勝利しました》
ログが少しうるさいが、そんなことよりも・・・
「ねぇ、超スーパー☆最強スター☆~俺に勝てる奴なんていねぇ~さん?僕はちょっと言いたいことがあってね・・・」
名前はちゃんとはっきり言ってやった。少し周りの人がどよっとなった。
よし。じゃあ、すぅぅぅぅ―――!
「名前が痛すぎる!!!」
ふー、すっきりした。すっきりしたからか、あることを思い出した。
「そうだ!GMコールだ!え~っと」
「え?は?ちょっと待った!そのGMコールをやめろ!やめてくれって!」
トーカさんに教えて貰っていた『迷惑プレイヤーへの対処方法』を早速実践してみる。超~(以下略)は状況に気づいたからか止めろと懇願してきた。だがもう遅い。
『はい。呼び出されましたGMです。状況は理解してますが、一応聞きます。どういう要件ですか?』
呼び出されたGMはピシッとしたスーツを着た女性だった。少しカッコいい。
「ちょっとこの人が絡んできて」
「違う!こいつが!こいつが!悪いんだy―——」
そう言い終わる前にtyの体がポリゴンになって消えてゆく。
『とりあえず留置所に転送しました。まあ今回は初犯なのでこのくらいでいいでしょう。それでは今回は私が代わりに勝利報酬を付与します。』
《報酬が付与されました。 報酬 所持金8800エリス 初心者の剣 初心者の杖 初心者の服 初心者のズボン 初心者の靴》
この感じ、結構やってたっぽいな。もう9000エリス近くだし。
確か次の石の剣が15000エリスだから、それのお金を稼いでたんだろう。でもなんで急にPVPを申し込んできたんだろう・・・焦ったか、何かか?。
それにしてはステータス弱くない?・・・もしかしたら筋力極振りかも。あの速度だし、一瞬で倒せたし。あれ当たったら僕死んでたのかな・・・
『初心者装備は回収しますか?』
「あ、はい。お願いします」
流石に同性でもあいつのはお断りだ。
〈初心者装備セットが回収されました〉
『それでは』と、言葉を残し運営は消えた。まあ気を取り直して総合ギルドにクエストクリアしにいこうかな!うん!
そうして、総合ギルドへ行きとりあえずウサギの肉を売りに行った。
いちおうその他の素材群は装備作成に使うかもしれないから残しといた。さすがにウサギ肉は使わないだろう。もちろんクエストのクリア申請はもうしといた。
ーーーーーー
クエストのクリア報酬
ホーンラビットの討伐x52 2600エリス
スライムの討伐x49 2450エリス
合計 4750エリス
貢献ポイント 0→10(MAX)
Eランクへの昇級が可能になりました。受付でランクアップしてください
ーーーーーー
おお、結構倒したかも。じゃあ早速ランクアップするぞー!
「ランクアップの報告ですね。それではこの水晶に手をかざしてください。」
手をかざした。きっとまた犯罪履歴を確認しているんだろうな。というかそれなら絡んできたあいつはどうなるんだ?
「!?」
受付嬢さんが驚いたような顔をした。
「どうかしましたか?」
「いえ、少し討伐数が多いな、と。ですがOKです。ランクアップを遂行します。」
ーーーーーー
総合ギルド F→Eランク
ーーーーーー
それから受付嬢さんから説明を受けた。ランクが上がった事で、新しいクエストの追加、住民(NPC)からの好感度が上がる、その他にも特典があるらしい。そしてカードっぽいものをもらった。これが特典だそうだ。
「これは、東方面に進むと行ける街、迷宮都市 ラビリンス の通行許可証でございます」
「ありがとうございます」
行ってみたいけどとりあえずトーカさんに素材を渡して装備を作って貰おう!
そういえば実績を2つ獲得していたんだよな。それの内容は・・・
ーーーーーー
『GM初召喚』
記念称号
GMを初めて呼び出した時に貰える。
"災難でしたね"
効果 無し
ーーーーーー
『君本当に初心者?』
ユニーク称号
FランクからEランクへ上がる際、クエストのクリア数を合計100以上にする。
"超過した分のポイントは残らないですよ!"
効果 全ステータス10%上昇
ーーーーーー
『GM初召喚』はともかく、ユニーク称号の『君本当に初心者?』はめっちゃ強いなー
◆◇◆
僕はトーカさんに連絡し、居場所を教えて貰った。どうやら場所はとあるお店らしい。
カランカラン♪
「こんにちは~。トーカさんはいらっしゃいませんか?」
そう聞くと、お店の主人らしきおばあちゃんが裏に入っていった。そしてトーカさんを連れて戻ってきた。
「やっほー、素材持ってきたよー」
素材を渡した。
「多くない?」
「そうかな?」
「・・・早速作るわね。ちょっと待ってて」
僕は少し待った。うーん、そんなに多かっただろうか・・・
〔トーカ視点〕
・・・自分でいうのもあれだけれど、裁縫がとても得意。これまでいろんなゲームで服や装飾品を作ってきた。自分には生産職があっている・・・と思う。
そんな中で今日、新しいゲームを始めた。 で、ログインしたのだけれどなんか可哀想な女の子がいたから助けた。その人はどうやらゲーム初心者のようだった。
とりあえず一緒に進めた。結構可愛かったから私の作った服(装備)を着てもらう約束をした。
私の作った服を沢山着てくれるといいなあ。
いやー、創作欲が掻き立てられる。
それは置いといて、これまでの私はギルドでのクエストをある程度終えて街の散策をしていた。その時、たまたま服屋さんに入ったらミニクエストが出現した。
それは『裁縫修行!』というクエストだった。そのクエストを受注して、早速店主のおばあさんから師事を受けた。
その結果、『裁縫』スキルのレベルがメキメキと上がった。多分このサーバーで一番レベルが高いと思う。
それである程度良くなってきたからか、ウチで働く気ははないかい?と言われたけれど、流石にずっとここにいるわけにはいかないので、たまに店の手伝いをすることになった。
そしてある程度手伝いが終わった時にソウから連絡が来て素材を渡された。渡されたけど・・・
「多くない?多すぎない?」
普通に各素材が150個近くあるんだけど!?なんで?一体何体倒してきたの?
それはさておき、とりあえずこれで誠心誠意つくらせてもらおう。これだけ素材があるし装備は強いものが出来そうだわ。あとはこの店で買った布で服を作ろうかな。個人的に。
じゃあ、早速作るわよ〜!
***
ふう、とりあえずこれで良いかしら?メインの防具を作って、追加で服を作った。因みに見栄えのために作ったアイテムや装備はアクセサリー枠として登録すれば、装備の上昇値は反映されないけれど装備枠を使わず見た目だけを変えられる。やったね。
じゃあ、早速渡しましょう♪
〔ソウ視点〕
トーカさんが装備を作っている最中、僕は、よくよく考えたら街をちゃんと見ていない!と気づいた。
このReality・Onlineというゲームで最初に降り立つ街の名前は〈ファースト〉。
安直な名前だけど、僕的にこっちの方が分かりやすいな。
〈ファースト〉には、冒険者ギルド、武器屋、防具屋、道具屋、雑貨屋やその他の建物が沢山ある。
沢山あるのは、混雑防止のためかも。というかあんまり観光スポット的なのはないのかな?
とりあえず防具はトーカさんに作って貰えるらしいから、武器を探したいな。やっぱりこういうのはPMの方が強いのかな?
そこでプレイヤーの作ったものが買いたい人向けに、ウィンドウにある市場の項目を押せば、沢山のプレイヤーが取引し合う露店、的なエリアに転送される。
勿論、話すのが苦手な人用に、ネットショッピング的な感じでも物を売り買いできる。
早速市場に転送!
ガヤガヤ―――そんな音が辺りから聞こえてくる。
「おお、ここが市場!」
武器や防具を売っている人達もいれば、料理を売っている人達もいる。すごい!と思っていたら、声をかけられた。
「あい!嬢ちゃん。焼き鳥買ってくかい?」
「買います!というか僕は男ですよ?」
「お、おう、そうか。じゃあ坊っちゃん!焼き鳥は一本100エリスだよ!」
―――焼き鳥 購入 100エリスを支払いますか?
yesを押した。というかそんなに女に見えるか?うん!おいしい!
次はいい感じの剣を買いに行こう。あ、メイスもほしいな。ん?人混みがある。あれは・・・
「今から刀のオークションを始めるぞッ!」
『うおおおおぉ』
「500エリスからだ!」
『550エリス!』
『600エリス!』
つい自分の所持金を確認してしまった。
―――所持金15500エリス
これなら・・・いけるっ!
『1100エリスです!』
『くっ、これ以上は無理だ・・・』
「さあ1100エリス!他にいないか?」
「はいっ!1200エリス!」
「1300エリス!」
残っているのは商人みたいな見た目をしている人だけだ。
ここは一気に仕掛けよう。
「2000エリス!」
「ッ!3000エリス!」
「5000エリス!」
「ぬぅ、1万エリスです!」
「1万2000エリス!」
「しょうがない!1万3750エリス!これが私の残りの全財産です!」
「じゃあ1万4000エリスで買います」
「じゃあ他に出せるやつはいるか?・・・よし、じゃあ決済だ」
―――白銀の刀 購入 1万4000エリスを支払いますか?
yesっと。手元に刀が構成されていく。
「やったー!」
念願の刀ゲットだ!
武器の性能確認をするぞ!
ーーーーーー
白銀の刀
レアリティ PM
上昇値 【筋力】15UP 【防御】10UP 【速度】10UP
能力
《能力封印》
▽詳細
とある名工の弟子が最後の作品として作り上げた逸品。
白銀色の剣を黒い鞘に収めた名刀。
その 剣に込められた思いは『共闘』。共に戦い成長し合う、それを剣は望んでいる。
制作者 匿名の鍛冶師
ーーーーーー
《能力封印》
このスキルが付いている武具は使用者のレベルと共に成長していく。
ーーーーーー
す、ステータス強くない?元々僕的にカッコいいから買っただけなんだけどな・・・というかお金ほぼ使い切っちゃったしこれが使えないと困るか。
「じゃあ、ありがとうございました〜」
転送っと。そろそろログアウトしようかな。まだやってない課題があるし。
ログアウト!
***
【注目プレイヤーを】有名プレイヤーまとめPart3【纏めます!】
1.情報屋アツメルコ
【今の有名人達】
●カルガ
β版プレイヤーの攻略組。職業は特殊職業の特大斧使い。2m級の本当に大きい斧を使う。
攻撃力を極振りとまでは言わないけれど結構振っている。又、本人の PSもめちゃんこ高いためプレイヤーの中では最強と言っていいかもしれない。
●魔法少女
β版プレイヤーの攻略組。職業はこちらも特殊職業の虹の魔術師。
全属性の魔法を使う女性。カルガとはライバル関係にある。
魔法技術では誰にも負けない。声と脳内での詠唱で同時に複数の魔法を使える。
なお。一応誰にも同時詠唱はできるけれど、一般的なプレイヤーには使えない。というか普通に無理。
●石油王
β版プレイヤーで職業は行商人。正式稼働に持ってきたものはお金らしい。でも流石に100万エリスは高すぎたのか持っていけるのは10分の1の10万エリスだったらしい。本人は『たったこれだけですか...』と呟いていたらしい。いや初期からしたら十分高いじゃん
現実世界でもそういう職についているんじゃないかってぐらい交渉や取引が上手い。
もう彼のために行商人の職業があるんじゃないかな...
●匿名の鍛冶師
β版プレイヤーで謎の伝説の鍛冶職プレイヤー。
今まで作られた武器の説明文を見る限り、名工の弟子らしい。
β版で、彼の作った武器が強すぎてギルド同士で争奪戦が耐えなかったそうです。
それから月に一回市場にしか出さなくなった。
こんなもんかなー。じゃあみんな!ちゃんとルールを守ってレスをしていきましょう!
2.名無しのプレイヤー
アツメルコ氏
スレ立て乙
3.名無しのプレイヤー
乙
4.名無しのプレイヤー
乙
5.名無しのプレイヤー
アツメルコ様に感謝をー
6.名無しのプレイヤー
宗教すんなし
7.名無しのプレイヤー
やっぱりβ版プレイヤーしかいないな。
8.名無しのプレイヤー
そりゃあまだサービス開始してリアル時間で3時間だぞ?そんなんで実績作れたらすごいわ。
9.名無しのプレイヤー
そうだぞー
10.名無しのプレイヤー
ぞー
11.名無しのプレイヤー
ぞー
***
106.名無しのプレイヤー
なあ、ちょっと前にホンラビとスライムばっか倒してる女の子いたんだが、一体誰なんだ?
107.名無しのプレイヤー
ああ、あの子ね。かれこれゲーム内4時間ぐらいはしばき倒してるよ。
108.名無しのプレイヤー
え?4時間も?絶対無理じゃんか。嘘乙
109.名無しのプレイヤー
信じられないかも知んないけどマジだって。
◆◇◆
115.名無しのプレイヤー
てか106で言ってた人ってプレイヤーに絡まれてGM呼び出してたあの子か?
116.名無しのプレイヤー
106って匿名鍛治師の作った刀のオークションで石油王と競り合ったやつじゃね?
117.名無しのプレイヤー
この短時間で話題大杉www
118.名無しのプレイヤー
これは有名プレイヤー追加確定か?
◆◇◆
あれから課題やらなんやらを終わらせて次の日になってログインをした。
「えーっと、トーカさんが作った装備を受け取りに行こう」
僕はあの時の服屋に行った。
「あ、来たわね。じゃあ早速渡すわ」
トーカさんがウィンドウを操作した。
『兎革の軽装備セット+15 蒼核のペンダント+15 が譲渡されました』
ーーーーーー
兎革の軽装備セット+15
レアリティ PM
上昇値 【生命】30UP 【防御】25UP 【速度】10UP
強化値 15/15 MAX
能力 『シリーズセット』
▽詳細
ホーンラビットの革と、市販の布を使って作られたセット装備。
初心者冒険者の定番装備。
ーーーーーー
『シリーズセット』
装備のシリーズ品を纏める事で一瞬で着脱できる代わりに個別で脱げなくなる。
ーーーーーー
蒼核のペンダント+15
レアリティ PM
上昇値 【生命】15UP 【精神】20UP
強化値 15/15 MAX
能力 『生存本能』
▽詳細
スライムの核をペンダントにしたもの。
貴族に売れやすい。
ーーーーーー
『生存本能』
HPが0になる攻撃を受けた時、HPが1だけ残る。
ーーーーーー
「はい、あとはこれよ。」
巫女服っぽいのを渡された。
「?」
「とりあえず着てみたら?」
「アッハイ…」
僕は勢いで装備してしまった。
「おお、似合ってるわね~」
「あ、あの・・・」
「なに?」
「なんで僕にこれを着せたんですか?」
「いや~やっぱりソウは可愛いから女性専用の巫女服を着るべきかなーって」
「え?僕男なんですけど?」
「へ?」
お互いに困惑する。
だって僕は生物学的に絶対に男だけど、なぜかトーカさんが作った女性専用装備の巫女服を着られたのだから・・・
「ちょっとGMコールして聞いてみようかな・・・」
「ええ、そうね・・・」
『はいまた呼び出されましたGMです。それで要件は・・・?はて、何か問題ありますか?』
僕らを見て何も気づかないでいるGMさん。
「・・・いやいやいや!僕男なのに巫女服着られるんですけど!?どゆこと!?」
―――沈黙が走る。
「??・・・あ、あー。なるほど!えーと、なんと申し上げればいいか、つまりですね―――』
GMさんから聞かされたのは衝撃の事実だった。
要約すると、このゲームは始めるときに男か女か判定するけど、僕が元々中性的で、さらに身バレ対策に髪を長くしたから、それでAIに「お前は女だ」って判定されたらしい。
「僕の尊厳はどこに行ったんだ・・・」
「まあまあ、そう悲しむこと無いわよ。だってソウちゃんはリアル男の娘になったんだから♪」
どうしてこうなったああああぁぁぁ!
——―とある女装神官の始まりであった。
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