表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩 彼女がスプレーを使っている

作者: WAIai
掲載日:2026/06/13

休憩時間中、俺は彼女のところへ行くと、彼女はスプレーを使っていた。


大きさは手のひらサイズで、中に澄んだ液体が入っている。


「何、それ?」


聞いてみると、彼女は少しはにかんで答える。


「化粧水。顔にスプレーをするの」

「は? 何のために」

「何のためにって、肌が乾燥しないためよ」


そう言うと、、彼女はあぶらとり紙で、顔のテカリをおさえると、スプレーを顔全体にふりまく。


香りはしないが、彼女が気持ち良さそうに目を細め、手で顔になじませる。


つい興味を持ってしまい、

「俺もやっていい?」

と聞くと、彼女がびっくりしたように目を大きくする。


上等の猫みたいだなと考え、彼女の顔をよく見る。

水分をもらったお陰が、白さが際立ち、氷のように澄んで見える。


彼女は少し迷った末に、

「いいけど、女性用の化粧水で大丈夫かな?」

「大丈夫、大丈夫。俺、かぶれたりしないから」

「じゃあまずはあぶらとり紙で、余分なあぶらをとって…」


1枚、手渡された薄い紙。

まるで和紙みたいとさわさわ触れていると、彼女が鏡を差し出してくる。


「ほら、鼻とか額とか、中心にあぶらをとって」

「おう。じゃあ、やってみる」


俺は鏡をてにすると、あぶらとり紙を鼻につける。


「あ、ゴシゴシこすらないで!! 肌が傷つくから」

「そうなのか? どうすればいい?」

「軽く押し当てていくだけでいいのよ」


彼女の教えどおり、あぶらとり紙を押し当てていくと、彼女がそれでいいとうなずく。


ペタペタと張りつくものだなと思い、あぶらとり紙を見れば、色が変わっている。


これが余分なあぶらかと知り、顔をまんべんなく拭いていく。

まるで顔の掃除屋みたいだなと苦笑していると、彼女が、ストップをかける。


「もういい。あぶらとり紙は、ゴミ箱に捨ててね」

「結構、とれるものなんだな。色が変わり過ぎて、まるであぶらを塗ったかのようだ」

「びっくりした?」


彼女がえへへと笑い、スプレーを渡してくる。


「あとはこれを顔に吹きつけて、なじませるの」

「分かった。スプレーはどこで買ったんだ?」

「100円ショップ。意外と、色んな大きさのスプレーがあるのよ」

「へえー。じゃあ、早速」


スプレーを噴射させると、その気持ち良さといったら。

まるでシャワーを浴びたような、細やかな感触と清涼感。


次々と吹きかけると、彼女が聞いてくる。


「どう? 気持ち良くない?」

「すごい気持ちがいい。洗顔した後みたいだ。あとは手でなじませるんだよな?」

「そう。軽くね」


俺は言われるまま、手で顔を軽く触れていく。

水をもらった魚のように、肌が生き返ったように感じる。


鏡を覗くと、見た目は変わらないのだが、自分の目には生き生きしているように見える。


「はい、終わり。どうだった?」

「気持ち良かった!! 俺も作ろうかな?」

「じゃあ、帰りに100円ショップと、ドラッグストアに寄らないと。楽しみだね」

「そうだな。どれがいいか、教えてくれ」

「うん!!」 


彼女が嬉しそうなので、微笑み返す。

すると、先生が来たので、慌てて言う。


「また後で」


手を振ると、彼女も振りかえしてくれる。


帰りが楽しみだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ