プロローグ:魔法使いの夜
それは、皮肉にも私にとって最も幸せな時間…
青銅欄、生体系を壊さない近未来的な浄水施設によって浄化された綺麗な海に面した街。
夜の青銅欄もまた、海が月の光を反射する事によって、静かな夜景を演出していた。
「本当に、この街を選んで良かったわ…そうは思わない?」
海に反射した月に話し掛けたのは
喫茶店、アヴァロンのベランダにてコーヒーを煽る黒いコートの女性…明=綾乃。
「ええ解ってる、いずれは貴女もこの街を見下ろして、この夜景を見ながら…」
明がそう言ったところで、上空を一つの白い影…夜闇を白く切り抜いたような白い影が通り越していった。
「やれやれ、イレギュラー達の節操無し具合ときたら…マルコちゃん達も大変ねぇ」
明は呆れたように、雲ひとつない夜空を眺めた。
「だけど、これもまた楽しい時間であることには変わりないわね。こんな時間が、永遠に続けばよかったのに…」
明は後悔するように夜空を舞う黄金の光を眺め、腕を伸ばした。
それではお待たせ致しました。
この どうしようもなくどうでもいい ただ一夜の独り言を持ちまして
魔法少女マルクトマルコ、第二期の開始とさせて頂きます、ね♪