あの日に戻れるだろうか
自分の記憶ってどこまで覚えているもんなんですかね?
気がつくと、真っ先に白い天井が見えた
形容しがたい匂いとテレビの何の番組か分からない音が聞こえてきた。
周りを見るとカーテンで仕切られていて
一ヶ所だけある窓から夕日が落ちかけているのが分かった。
「ここは病院か?」
自分が何故病院にいるのか分からなかった。病気を患った事もないし、見たところ骨折もしていないからだ。
試しに手足を伸ばしたり触ってみても痛くないし感触もある。
とりあえず暗くなる前に、何故自分が入院しているのか看護師に聴く事にした。
ベットから降りてスリッパを履く、その後部屋のドアを開けて案内板を探した。病院なら必ず案内板があるから、それを頼りに看護師が居そうな所に行けばいいと思ったからだ。
何となくの感覚で歩いて行くと、遠くの方から白い衣類を着た人がこちらに向かってきた。
「〇〇さ〜ん!ダメですよ、部屋から出てきたら危ないんですから〜」
そう言いながらこっちに向かってきた。危ないというワードに引っかかったが、看護師の言う通りに元の部屋に戻った。
「ゆっくり休んでてくださいね~」
そう言われながらベットに戻る。ベットに横になると、不思議と眠くなるもので気づいたら何故か羊が列を作って柵を乗り越えていた。
夢だと分かりつつも漫画みたいな事もあるもんだと思いながら見ていた。
「またあそこの患者さんですか?」
「そうなのよ~ また部屋から抜け出して大変だったわよ~」
「それにしても、大変そうですね。確か記憶喪失でしたっけ?」
「それも翌日には記憶が無くなってるタイプね~」
「ご家族の希望だから、特に何もしてないけど治るといいわね~」
「私がここに来た時には入院されてましたけど、慣れるまで大変でしたよ。良くなるといいですね。」
そして時は繰り返す