表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第1話 今日はいい日だよね

 両手を縛られたリアムは、小突かれ河原に両膝をついた。


「既製品の出荷 基準で商売でき、、ない よね。そこは しっかり、やっぱり ね。銃身から作らないと、ね」

 もごもごと、おかしなしゃべりが続く。


「カタナってあるでしょ。しってる?あれだよね、はがね。いい音すんだぁ。やっぱり、ぼくもほしいな。でも、ぼくの、筒だからね」


「筒が薬爆で、音だすでしょ。ぼくはね。その音を聴くんだよ。そう。音が気に入らないとどうすると思う?」




「訊いていない」 




「捨てちゃう」


「音が一つだけあんだよ。弾が喜ぶやつ。ぼくはね。弾に艶がでる溝をほれる。そうすると弾は輝きながら、飛んでくれる。7.3秒。ぼくはね。その弾にみとれながら、生きているんだよね」


「ぼくの人生は、6秒から8秒の間だけにあるんだよね。生きていると感じるんだよね」

うれしそうに、時にうっとりと話し、そして目を潤ませる。



 最後に、自分はそんな弾に打ち抜かれる夢をみると、そうして死ななければいけないんだよね、と言った。



「選べない」




「だれも、いないんだよね。ぼくがぼくを射撃できないんだよね。撃って、走って、胸を張って当たりを見届けたいな。ぼくはね。そんなに速くは走れないからね」




「黙れ」




 鳴きやまない梢の小鳥の声がだまして、こぼれ日が風にゆれている。すきぬけるような青藍せいらんに雲はなく、今の空の高さをはかり知ることはできなかった。



「今日はいい日だよね?」






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ