絶対への行為
大好きな人の死体というのは美しい。
僕は、彼女の死体を男子公衆トイレの一室に鍵をかけて隠した。それは公園の近くの僕の家に帰り、鋸を持ってくるためだ。誰かに見つかる前に、彼女が腐ってしまう前に彼女を僕の中の永遠にしなければならないからだ。僕は走った。彼女が汚れてしまわないように。
銀色に光る鋸の刃で彼女の首を斬る。赤ワインのように美しい血が流れる。白い骨と赤い血。僕は異様にそそられた。彼女があの日来ていたのと同じ白いワンピースも血に染まっていく。
僕は彼女を食べてみたい。それは性欲を超えた衝動だ。むろん、死んだ彼女の身体と肉体的に一つになることもできるであろうが、他の男に汚された身体を抱きしめることは僕にはできなかった。
だから、僕は、彼女の服を脱がし、バラバラにして食べた。
彼女の味は確かに生臭い血の味しかしない。でも、僕は今ままで食べた肉よりもはるかに美味しく感じた。なぜなら、彼女の肉を食べた人間は僕以外いないからだ。そして、僕の中で彼女を永遠に支配できると確信したからだ。狂気じみた行為かもしれない。ただ、僕の欲望を解放するにはこれしかなかったんだ。
殺人は一回性しかもたないが、彼女を食べるという行為で彼女が永遠に僕の身体の一部になるとしたらそれは彼女が僕を理解したということに他ならない。それは歪んだ方法だとしても。
もちろん、あの素敵な笑顔や言葉を与えた彼女の首はたとえ朽ち果てても僕は抱きしめていたい。だから、首だけ切断して、僕は鞄に突っ込んだ。




