8️⃣8️⃣ 知らない女の子
──教室──
何時も空いてるはずのドア閉まっているので開けて中に入ると、一輝の席だったはずの場所に知らない女の子が座り、男子と会話している
(他のクラスの子かな? まさか転校生?)
自分の席に行くと、女の子が話している相手が大誠だと分かった。隣に美優ちゃんも一緒にいる。
もう一度振り返り、一輝の席に座る女の子を確認したけど全然誰なのか分からなかった。
三人が話している輪に入れず、挨拶すら交わさないまま時間だけが経過する。
気づけばホームルームのチャイムが鳴り、皆が自分達の席に移動し始めたが、一輝の席に座る女の子は移動すらしないで座ったままだった。
(何なんだよ? よく分からないな……)
朝のホームルームが終わってからだった。雪は、隣の席に座る、自分の知らない女の子に話し掛けることにした。
「ねぇ……」
もちろん名前も知らないので、名前で呼ぶこともできない。さりげなく声を掛けてみることにした。
「あのさ、私貴方のこと知らないんだけど、お名前を伺ってもよろしいですか?」
初めて話す子なので、とても丁寧な言葉遣いで話し掛ける。
「……」
知らない女の子は、雪の目をしっかりと凝視したまま、何も答えてくれなかった。
雪の事をじっと見つめ、黙ったまま座っている彼女を見ると、その姿は美少女でしか無かった。
長いロングの艶々した黒髪に、色白の美肌。胸もそこそこあって、身長は分からないけど、痩せているのは確かだった。
(もう何なのよ!)
ずっと無視され、何も話さない彼女にイライラし始めた。
とりあえず、先に自分の自己紹介をすることにした。
「ええっと、私は雪って言います。まだまだ女の子磨きが足りないので勉強中です。苦手な教科は英語で、好きな食べ物はオムライスと唐揚げとええっと……」
一輝と美優ちゃんと会話していたのだから、雪もお近付きになりたいと思って必死に話し掛けているのに彼女は無表情のままだった。
(もういいや)
そう思った時だった。突然無表情のままずっと黙っていた彼女が満面の笑みを浮かべて笑いだした。
「あははっ」
(……何で笑い出すのよ?)
「ちょっと、分かってたんなら何か話なさいよ! 貴方が何も話してくれないからじゃ無い……。ところで貴方は誰なの? もしかして転校生?」
「雪が一番良くしってる相手だよ! 当ててみてよ」
いきなり、彼女は変なことを言い出した。
何で雪が貴方のことを知っているというのだろうか? 其れも一番良く知ってるらしい……。
近所の子でも無いし、中学が一緒だった子でも無い……ネットで知り合った子何かいないし、散々考えてみたけど全然分からなかった。
そもそも一番という言葉は、何を意味しているのだろうか……。
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