8️⃣0️⃣ 余裕でいいなぁ
「雪さんに一輝くんおはよう!」
「上原先生、王助さんおはようございます」
「先生おはようございます。今日は俺は付き添い! 王助さん……宜しくお願いします」
「うん、じゃぁ、さっそくだけど、雪さん心の準備は大丈夫かな?」
「……はい」
(……何がはいよ! 本当はやりたくないんだからね!)
腕を掴まれ、消毒液を右腕にされ、注射わ打つ準備が始まる。雪は其れすら顔を背けて、極力注射針を見ないように心掛けた。
「じゃぁ、打ちますよ! 楽にして下さいね」
(フンフンフーン、フンフンフーン)
雪は頭の中で歌を歌ったりして気を紛らわせながら、保健室の壁に貼り付けられているポスターに目を向ける。
(やっぱり、ダメダメダメダメーー!)
「はい、もうおしまいだよ」
「ふぅー、終わって良かったです! 王助さんありがとうございました」
「じゃぁ、また明日も宜しくね!」
(うわぁー今日だけじゃなかったよぉぉぉ)
「えへへ、はい……」
「体調は良くなってるからね!」
(王助さん本当ですか……注射嫌いだから、悪くなってるとしか思えない!)
「良くなってるんですね。ありがとうございます」
教室に行こうと椅子から立ち上がったその時だった。一輝が覗き込んで来て顔色を見られて心配された。
「でも、雪顔色白くないか? 休まなくても 大丈夫かよ」
「えへへ、一輝ありがとう。私、注射が大嫌いで…だからだね! でも、大丈夫だよ歩けるしね」
「二人共テスト頑張りなさいね!」
保健室を出る時、上原先生に言われて、テストの事を思い出した雪は、更に具合が悪くなったきがした。
「うへぇ! やだなぁテスト」
「俺は別にやじゃないぞ!」
「一輝が羨ましい」
二人が教室に向かうと、珍しく大誠が来ていた。机に向かって座ってるが、片方の手で頬杖をつきながら漫画本を読んでいる。
そのままこっちに顔だけこっちを見けるとおはようと挨拶してきた。
「お前今日はやいじゃんか、おはよう!」
「大誠おはよう! 何で朝からいるわけ?」
「雪ちゃん、テストだからだよ! 偉いだろ早く来て」
「ええっと、でも、漫画本読んでてちっとも偉くないよ! まさか余裕なの?」
「んなわけねーじゃん! 不安な心を 紛らわしてんの」
「んだそりゃ!」
「くいっと一輝が漫画本を奪った。バレたら没収されるだろが! 俺が預かっとくからな」
「そんなーー!」
一輝に奪われ、泣きそうだったが、大誠は一時間目にある英語の教科書を取り出し、開いた……が、寝た。
「眠かったんだね! 一輝奪わなきゃ良かったのに」
「いいの、あいつの為だし……」
って、一輝は自分の机で奪い取った漫画本を読み漁っている。
「よ、余裕で、いーね!」
雪は結局、あんまり、勉強出来なかったから、不安でしか無かった! 机に向かって英語の教科書やらノートにワークを出して確認する。
「おはよう、雪ちゃん」
美優ちゃんの声で顔を上げると、目の前には由美ちゃんと真白ちゃんもいた。
「うん、おはよう」
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